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双子が両親に願ったもの【ふたりのロッテ】


周りの人が、どっちなのかわからずに混乱している様子を楽しんでいるように見えました。

そもそも2人とも双子なのを知りませんでした。
「こんな形で再会するなんてすごい偶然」と感じました。

メロディアスライブラリー2021.3.28放送。


・自分とそっくりな他人

2人は子どもの家で遭遇しました。
先に滞在していたのはルイーゼ。
ルイーゼは活発な女の子です。

それに対してロッテはおとなしい女の子です。
しっかり者で家事を一通りできます。

ルイーゼはウィーン在住。
ロッテはミュンヘン在住。
住んでるところも名字も違う2人。

ルイーゼは始め、
自分にそっくりなロッテを疎ましく思います。

しかし、生まれた場所など
お互いの話を聞くにつれて、
自分たちが家族でないか気づきます。

・秘密のミッション

子どもの家を出る際に、
お互いの生活や住まいについて共有し合いました。
ロッテになったルイーゼはミュンヘンへ、
ルイーゼになったロッテはウィーンへ旅立ちます。

お互いに局留めで手紙のやり取りをします。

見た目はそっくりでも、性格や能力は別人のため
周りの人たちが「変わった」と話します。

一緒にいるはずのそれぞれの親ですら
入れ替わったことに気づきませんでした。

・健気な2人の想い

10歳のお誕生日で2人はプレゼントよりも
願ったものがあります。

「ロッテとあたしは、お誕生日におとうさんとおかあさんに、これからみんな、いつもいっしょにいられるようにしていただくことを、お願いするの!」

ふたりのロッテ p176-177

2人は、両親とともに
4人一緒に暮らすことを願いました。

ウィーンで音楽家をやっている父親に
近寄る女性がいました。

父親は音楽家として成功し、裕福でした。
しかし、いつまでも片親ではどうかと思い、
再婚を考えていました。

これにはロッテは大慌て。
「他の人と結婚してしまったら、4人で暮らせない」
その後、ロッテは体調不良で床に伏せます。

一方、ミュンヘンでは
編集者として働いている母親は、
我が子が2人で写っている写真を見つけます。
そこから、入れ替わっていることが判明。
国際電話で元夫に連絡します。

ミュンヘンから母親と入れ替わったルイーゼが
ウィーンを訪ねます。

2人の願いが叶ったのか、両親はよりを戻し、
また夫婦になりました。

・感想

「今読んでも面白いですよ」
図書館の司書さんにそう言われました。

メロディアスライブラリーで
別の作品が紹介されていたのがきっかけで
著者を知りました。

メロディアスライブラリーの
バックナンバーを調べたら、
他にも紹介されていたので読むことにしました。

夫からは「話はよく覚えていないけど、
子どもの頃読んだことがある」と言われました。
「有名な児童文学なのか」と改めて感じました。

双子が入れ替わるというのも
ハラハラドキドキして面白かったですが、
自分たちの力で幸せを掴みに行く行動に
勇気をもらえました。

個人的には、2人が入れ替わった後に起こった
周りが戸惑っている様子が面白く感じました。

ロッテになったルイーゼは「活発になった」と思われ、ルイーゼになったロッテは「しっかり者になった」と反応が変わりました。

更に入れ替わったことを知らないので、
「人が変わった」と思っています。
読者から見れば「他人なんだから当然でしょ」と
滑稽に見えました。

以上、ちえでした。
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