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矛盾したタイトル【贅沢貧乏】森茉莉著

「矛盾したタイトルだな」
このタイトルに心を惹かれて、読むことにしました。

2022.10.1の理想的本箱で放送で知りました。


・あらすじ

赤のつく程度に貧乏だけど、貧乏臭さを心から嫌っている主人公の牟礼魔利(むれまりあ)。
牟礼魔利と主人公は名乗っているが、
実際は著者自身の話ではないかと感じました。

森茉莉さんは、森鴎外の娘です。
森鴎外とおぼしき人物も登場します。

子どもの頃は身の回りのことを
女中さんにやってもらってたので、
自分で何もできなかったとのことです。
第2次世界大戦中の疎開中に
苦労したのは想像に難くないでしょう。

クリーニングなど自分でできればかからない費用が、できないために余計にかかってるように感じました。

生まれは裕福で、やってくれ人がいても、
一生裕福でいられるわけではありません。
そう思うと経済的に貧しくなった時に、
ある程度自分のことが自分でできないと
余分にお金がかかり苦労しそうと感じました。

・本物の贅沢とは

そんな魔利(著者)が
最後の章で「本物の贅沢」について語ってます。
現代※は贋物贅沢の時代とのことです。

※現代と言っても、1960年頃の話。

本当の贅沢な人間は意識していないし、
できない人にそれを見せたいとも
思わないとのことです。

困ったことに商人、番頭の中にも
目利きがいなくなってると指摘。

著者のここでの贅沢は、
豪華なものを持っているという意味ではなく
「贅沢な精神」を持っていると定義してました。

・感想

思わず「これは自分でやれれば、この費用いらないんじゃないの?」と感じました。

著者の弟の奥さんもお嬢さん育ちでしたが、
母親代理をしていたため、
自分の身の回りのことはできていたことを
明かしてました。

子どもの頃に裕福で
何でも人にやってもらってる人が
大人になって裕福な生活が享受できなくなると
後々大変と感じました。

一見裕福な出自の人も
わからないものと感じました。

以上、ちえでした。
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