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「カナブンからの電話」

毎度お騒がせしております、あたしです。


霊感の話を唐突にしますが
きみ悪がらないでホットな目で見てやってください。



子どもの頃から何やら得意体質といいますか、
俗にいう「見えないものが見える系」でして

それに氣がついたのは小学校低学年のころ、
曾祖母ちゃんが亡くなった日の夜でしたわ。


葬式の夜ね、死んだはずのお婆が居たの。

そして、そこら辺漂ってた。

しかもさ、コバルトブルーに発光してさ、
あたしの足下まできてフワフワしてたわ。



あー婆さんだーと思う反面顔面、
何処かで婆さんの死も理解はしていたの。


〜死んでるけど見える。


そんな感じです。




そのことに氣がついてから、
お友だちと見ている景色が少し違うってことも理解した。



ねぇ、これだけの話しだったらさ
つまらない霊感商法よね?

あれな。壺とかお数珠とか紹介するやつな。




そんな子どもだったもんだから、
深く人と接することを極力避けてたのかも知れないわよね。

その辺あたし、上手くやってたわ。


人間関係でいうと
今よりずっと上手くやってたのかもね。

・・・そでもないか。



そんなこんなでスクスクと偏屈に成長したあたしです。






6年生になったある日のこと、
道端に一匹のカナブンが転がってたのよ。


そっと触ってみる。

脈は......無し。
彼はもう亡くなっていた。

そおね、死後15分てとこね。


ここじゃ誰かに踏まれてもなんだから、
そっと拾って草むらにある一番大きな葉っぱの上に鎮座させた。

死んでから誰かに踏まれるなんて
あたしなら考えるだけでも厭だと思ったのよ。


そして家に帰って手洗ってうがいしてテレビ見て...と小学生お決まりのパターン。


その日はあいにくオカン不在。


あたしのオカンは家にいることが多い人なのだけど、その日は珍しく外出中、
お兄も弟のヨッちんも遊びに行って居なかった。



リーン リーンと黒電話がけたたましく鳴って、ティービーショウを見ていたあたしは、
ちぇ、エエとこやったのにさって舌打ちして
電話を取ったの。


「もしもし」


「・・・・・ごにょ・・ごにょ・・」



「もしもし?どちらさまですか?」



「・・さきほど・・ごにょ・・家族で・・・す。」



「えっ?聞こえないよ?」



するとゴォぉぉーと低い音がして
BGMの音が次第に大きく聞こえだした。


「あれ?お経?」


ここで、あたしのさぶいぼマックス!

あ、"鳥肌"のこと関西では"さぶいぼ"と云うのよ。




あれよね、人って恐怖過ぎると声も出ないのな。



電話を切ることも出来ず固まったまま受話器の向こうから聞こえてくる念仏を聞いていたあたし。



すると、小さい声で
「家族です。ありがとう。」みたいなニュアンスの言葉が聞こえてきたから流石にもぉーあんた。

びっくりして、受話器をぶん投げてさ、
適当なその辺の靴履いて家から出たのよ。


あ、受話器?
ぶん投げても大丈夫よ?
だって昔の電話はクルクルのコードで繋がってるんやもんね。➿




とにかく一番近くの友だち、イッチの所へ一目散!

踏み切り渡ったところで何故かイッチとばったり会って、

息急き切って電話のことを話した。



「その前になんかしなかった?お墓に行ったとか?」

イッチの問いかけに、ふと思い出したカナブンの話しをした。


カナブンの亡き骸を葉っぱに乗っけたこと、
その時の氣もちとか。


「カナブンじゃない?その電話...」
イッチの言葉はあたしの脳天をナナメ上に突き上げたわ!



あたしたちの中ではこうよ、

〜カナブンの亡き骸を踏まれないように葉っぱの上に乗っけてくれたことのお礼。

そして、その一部始終を草むらから見てた仲間カナブンが居て家族に話してくれたんだと...


言っとくけど夢の話しやないからね。
出川さんの言葉を借りるとするならば
「リアルガチ」よ!




あれから43年経った今でもその事を思い出す。


時々思い出しては知り合いに話して失笑をかっているあたしよ。



でもね、あたし、思うのよ。


ジャパンに生まれし民は
皆んなこんな不思議エピソードの一つや二つ
持っているんじゃなかろうかってね。


虫や動物、空や海や山、風と話しが出来ちゃうって、そもそもそういう民族なのよ、あたしたち。


優しくて清らかなハートでもって
皆んなで支えてあって守りあって生きている。

困っている人を放ってはおけないし
生きとし生けるもの全ての魂にリスペクトする、そんな人々なのよね。


ファンタジーの世界に紛れこんだあの頃のあたしは、大人になっても変わらずファンタジー婆婆をやっとります。


ここにあるものも、ないものも、
大切に思い生きていたいな・・・


・・・って、なにエエ感じに締めよーとしとるんかって話しですわ。


以上!
「カナブンからの電話」でした!










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