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「わらしべあたし、本日の笑かし料500円。」

いつもの散歩コース
今日もお猫氏と戯れる。

いつもの猫仲間があたしを見つけて集まる。

今日のお猫氏は
手足を冷やしたくないらしい。

あたしの膝に乗って暖をとる。


あれよあれよという間に
猫お爺と
猫お婆に囲まれるあたし。


さすが、あたし。
今日もモテモテや。


どこ行ってもモテる。

何故って?

決まってる。

誰よりもオモロいからだ。


今日も今日とて、
ひとしきり皆んなを笑かして
めっきりシモのゆるくなったお爺やお婆を失禁させるあたし。


「ちょい漏れ上等!」

と、あたしに笑かされることを心待ちににしているお爺お婆。


するとあるお爺があたしに500円を差し出す。

「???」


今日は節分で縁起がいいから
これで御朱印を買いなさいと
あたしに500円をくださって、

いやいやいや流石に頂けねぇわと思って
ソフトに拒否るも
お爺、一歩も譲らず。

しかも、御朱印は300円だ。
お釣りが200円ある。


氣になるのは200円の所在。

しばし押し問答の後、
結局御朱印を買わせて頂くことに。

200円をお返ししようとするも
それも拒否られる。

「その200円で友達とお茶でもしなさい。」

そう云って、
握りしめた200円入りあたしの拳を、
お爺はそっと包んだ。


オモロくて良かったなとつくづく思う。

うん。


わらしべ長者みたいやな。
いや、違うか。

あれは品物がどんどんグレードアップしてゆく物語りやもんな。


やっぱりあたしは運に恵まれておるのよね。

お爺に心よりお礼を伝え
お猫氏を猫仲間に託しあたしは帰路につく。


外は寒いが氣餅はポッカポカです。

そうね、
この200円でどなたに恩送りしようかしら?

ボンに飴玉でも買うてやろう。

そんな朝の出来事。



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