「ライフ・アクアティック」監督:ウェス・アンダーソン/2005
こんなお話
世界的に有名な海洋探検家にして海洋ドキュメンタリー監督のスティーヴ・ズィスー。傲慢で自己中心的なのにどこか憎めいない魅力を秘めた彼は、先の航海で 昔からの大切な仲間を幻の“ジャガーザメ”に喰い殺されてしまう。近頃自作映画のヒットがない彼は、仲間の敵討ちと映画のヒットを誓い、気心知れたクセ者 揃いの映画製作集団“チーム・ズィスー”を率いて探査船ベラフォンテ号に乗り込み、新たな航海へと旅立つ。と、そこへ、ズィスーの息子と名乗る青年ネッ ド、取材意図が不明な妊娠中の女性記者ジェーンらが加わり、旅は最初から波乱の予感。そして案の定、彼らの前には幾多の困難が待ち受けていた…。
私的レビュー
潜水艦を舞台に、人種も国籍も違う人々を通して“家族”を描くコメディで、絵の構図もセリフもウェス節全開!!
常連のビル・マーレイを筆頭に、なぜか妊婦のケイト・ブランシェットもいて、相変わらずキャストはとっても豪華です。
ストーリーは映画監督でもあり冒険家でもある主人公が、親友を食い殺された「ジャガーシャーク」なる未知の海洋生物を追って冒険する・・・ってことになってはいるんですが、潜水艦でだらーと時間が過ぎたと思えば、海賊に襲われ、途中アクションシーンもあって、もう全体的にハチャメチャw
まぁ、ウェス・アンダーソンはストーリー以上に絵が魅力ですからね。
潜水艦をまっぷたつにして横から撮ったような絵はミニチュアの部屋を覗きみているようなワクワク感!
架空の海洋生物は蛍光だったりジャガー柄だったり、どれもエッジの効いたグラフィックで、なんともファンタジックです。
ストーリーはハチャメチャではありますが、前作の『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』と同じく、“家族”という泥臭いテーマを軽快に見せるあたり、私は結構好みでしたね。
真っ暗な深海。
深い闇の中、みんなで見つめる幻の魚・ジャガーシャーク。
バラバラだった人たちが自然にスッと繋がったような暖かさが感じられました。
とはいえ、ストーリーがストーリーなだけに好みは相当わかれそうですけど・・・。
ちなみに、劇中曲はデヴィッド・ボウイのカバー曲でめちゃセンスいい!
デヴィッド・ボウイの曲がどう作品にとけ込んでいるのか、その辺りも見所ですよ。
ライフ・アクアティック
(The Life Aquatic with Steve Zissou)
2005/米/ブエナビスタ
<スタッフ>
監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ウェス・アンダーソン、ノア・バームバック
製作:ウェス・アンダーソン、バリー・メンデル、スコット・ルーディン
製作総指揮:ラッド・シモンズ
音楽:マーク・マザースボウ
撮影:ロバート・D・イェーマン
編集:デヴィッド・モリッツ、ダニエル・R・パジェット
<キャスト>
ビル・マーレイ
オーウェン・ウィルソン
アンジェリカ・ヒューストン
ケイト・ブランシェット