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不惑、不動の強さ

[使徒の働き 20:9,10,11,12]

ユテコという名の一人の青年が、窓のところに腰掛けていたが、パウロの話が長く続くので、ひどく眠気がさし、とうとう眠り込んで三階から下に落ちてしまった。抱き起こしてみると、もう死んでいた。しかし、パウロは降りて行って彼の上に身をかがめ、抱きかかえて、「心配することはない。まだいのちがあります」と言った。そして、また上がって行ってパンを裂いて食べ、明け方まで長く語り合って、それから出発した。人々は生き返った青年を連れて帰り、ひとかたならず慰められた。

今日の聖書箇所
使徒20:1〜12

今日も使徒の働きから恵みをいただいていきたいと思います。

エペソで大きな騒動が収まった時、パウロはエルサレムに向かって出発しました。しかしその旅も平穏なものではなく、パウロを狙うユダヤ人たちは陰謀を巡らしていました。

[使徒の働き 20:3]

そこで三か月を過ごした。そして、シリアに向けて船出しようとしていたときに、パウロに対するユダヤ人の陰謀があったため、彼はマケドニアを通って帰ることにした。

それゆえパウロは海路ではなく、時間がかかる陸路をとることになったのです。その道々でパウロは信仰に入った聖徒たちを励まして行きました。そしてトロアスでは聖徒たちを集めて、長い時間、御言葉を教えました。

パウロはもう二度とそれらの人々に会うことができないかもしれないと言うことをよく知っていたのです。それゆえトロアスでも遺言のように徹夜で御言葉を伝えたのです。

そのように一生懸命、御言葉を伝えている時にこれまた大事件が起こりました。窓際に座っていたユテコという青年がパウロの話が長く続くので眠り込んでしまい、三階から落ちて死んでしまったのです。

これもまたまさかという思う出来事ではないでしょうか?主の日の礼拝の中での出来事です。なぜ主を礼拝しているのにこんな出来事が起こるのか?なぜ教会でこんな出来事が起こるのか?なぜ神は守ってくれないのか?・・・・こんな出来事が起こるならありとあらゆる疑いと躓きが湧き上がってくるのではないでしょうか?

またパウロの話が長すぎるからこんな事になるのだとか、いや窓際に座っていたユテコが悪いとか、窓を開けていたことが悪いとか、いやこんな集会を企画した者が悪いとか、ありとあらゆる批判や非難も湧き上がるのではないでしょうか?

パウロはこの時、どうしたのでしょうか?「心配することはない。まだいのちはあります」と抱き抱えて祈り、この青年をよみがえらせて、再び何事もなかったかのようにパンを裂き、明け方まで教え続けたのです。

私たちであればこんな出来事があったならば今日はもう中止とか解散とかそんな事になってしまうのではないかと思います。

しかしパウロはサタンの妨げに全く動揺させられる事なく、自分の使命を忠実に果たし続けたのです。それによってこのようなサタンの妨害がかえって人々の励ましと慰めを与える出来事となっていったのです。

パウロは数々の迫害、困難、戦いの中で宣教の働きを成し続けてきましたが、その中で信仰はいよいよ強くなり、霊的な力はますます増し加えられていったのではないかと思います。

それゆえどんな事が起こってももううろたえることもなく、慌てることもなく、驚かされることもなく、主の御心を変わることなくなし続ける霊の強さと不動の信仰、そして揺るがない平安が与えられていったのではないかと思います。

その時、サタンのどんな妨害ももはやパウロにとって何の力もなくなってしまったのです。パウロの信仰はまるで大嵐の舟の中でぐっすりと眠っていたイエス様のようです。イエス様が一言で嵐を静められたように、パウロも一言で死んだユテコをよみがえらせたのです。

信仰は困難を通して成長するのです。私たちの霊というのは戦いの中で強くなるのです。私たちは試みに合わないようにへりくだって祈らなければなりません。しかしそれでも問題のない人生はない、困難と戦いのない信仰生活もないのです。

主がそれを許されるのなら、それは私たちの信仰を成長させ、私たちを霊的に
強くするためです。そのように強くされることがなければ主の使命を果たすことはできないからです。

多くの困難と戦いの中で信仰が成長し、霊的に強くされていくなら、どんな事態にも対処することができる知恵と力が与えられ、使命を果たすことができるようになっていくのです。

そのようにして使命を果たすなら、どんな悪魔の妨害もかえって御国の拡大と福音の前進のために用いられていくことになるのです。

私たちもまたあらゆる困難と戦いの中で不惑の者、不動の者として霊的に強くされ各自の使命をますます忠実に果たして主の栄光を捧げていきたいものです。

今日の祈り
主よ、小さな出来事で揺れ動く者を憐れんでください。困難を通して霊を強めて不動、不惑の者へと日々成長させてください。

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