『完全学科長マニュアル』 二つの序文


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以下は序文です。


改訂版にあたっての序文

2023年1月8日執筆

 この度、『完全学科長マニュアル(仮)』の在庫が切れて、増刷することになった。そのついでに、「改定版」と称して新しく解説を付け加えた(のと、おしゃれでカッコいい引用を巻頭に付け加えた)。
 そもそも『完全学科長マニュアル』は、九月の大阪文フリ向けて書いたものだった。文フリなんていう、都市社会××学科に相応しくない良くも悪くもカルチャーで文化っぽいイベントに何故出てしまったのかは、次ページに詳細が語られているので、そこをチェックしてほしい。
 とにもかくにも、『マニュアル』は、大阪文フリにむけて、25部程刷られた。
 しかし、私本人は現地にいないし、都市社会××学科を知っている層と文フリに行っている層は絶対に被ってないし、文フリに出すのが恥ずかしすぎて告知をしたのが当日の0時というひどい有様だったこともあってか、半分も在庫を残してしまって、割と落ち込んでいた。私は文フリというものをあまり知らず、ただの一人が作った冊子がどれくらい売れるものなのか、相場がいまいち分からない。13部というのは結構売れているとか他人から言われることもあるが、私はプライドが高いので、13部で売れているとか言わないでほしい。
 (しかし、どうも、たまたま目の前にいた筑波大学生が、当学科のことを知っていて、『完全学科長マニュアル』を買って、「自分らがネオ学科長になるっす」みたいなことを言っていたらしい。この辺のことは、素直にうれしかった。)
 その後、売れ残った分は、しょうがないので私個人で手売りをして、一か月ほどで、何とか在庫分は全て完売した。

 今のところ、25部の『マニュアル』がこの世界に存在しているはずだが、その部数の少なさの割には、しっかりとした反響・好評を得ているように思われる。
 ある人は、Twitterで1000文字程のコメンタリーをくれたし、またある人は、『マニュアル』を読んで本気で学科を創設することを考えたと言っていたし、またある人は、『マニュアル』から本気で自分の活動のことを考えていたし、またある人は、『マニュアル』に初めは興味なさげだったのに、いざ渡してみると手のひらを返して絶賛してくれたりした。
 それもそのはずで、この『完全学科長マニュアル』は面白い。めちゃくちゃ面白いと思う。恐らく、私が学科長になる以前も含めて書いてきた文章の中で、ずば抜けて面白い筈だ。
 正直、『完全学科長マニュアル』という名著を書けてしまってからは、もうすることがないようにすら感じてしまっている。『マニュアル』は、ここ二年ほどの私の到達点だ。この名著が出来てしまった以上、いくらビラを貼っても読書会をやっても交流会を開いてもnote記事を更新しても、もう何の意味もない気がして、実際全部辞めてしまった。この名著が面白がられない世の中なのであれば、私の感性が端的に現代と致命的なほどズレていて、もう私が何をやっても無駄だとすら思われる。
 『マニュアル』を記して、もう三か月が経つので、いつまでも名著爆誕の余韻に浸っている場合ではないのは頭では分かっているが、しかし、そうはいってもモチベーションが出てこない。だから、取りあえず、私の新しいモチベーションが出てくるまでは、この名著過ぎる『マニュアル』を宣伝することを、当面の都市社会××学科の学科長としての活動にしようと思う。
 いつの日か、この『マニュアル』を手にした誰かが、私よりスゴイ学科長となって、席を譲れるようになることを夢見て......。


文フリ出品にあたっての序文

(2022年9月の大阪文フリに出品した際に書いた序文。)

 ついつい文フリに出品してしまった。しかし、これは私の本意ではない。
 かねてから私は文フリという営為に批判的だった。聞きたがってない奴に押しつけがましく話を聞かせるためのビラ貼り="運動"こそが大事なのであって、趣味を共有する人に小銭で冊子を買ってもらう文フリは、アツくもないオタクなイベントに違いないと、行ったこともないのに決めつけている(し、決めつけているから多分今後も行かない)。
 しかし、今回、当学科の学科生からの熱烈な要請に負け、学科生が出品するブースに、「横浜国立大学都市社会××学科」名義の冊子を置くことになってしまった。頼まれると断れない、なんだかんだ学科生想いの自分の性が憎い。
 誘われてしぶしぶ出してしまっているだけで、私の本意で「文フリに出品する」=「人文/サブカルとして自己を同定する」=「"運動"を降りる」ことを選択したわけではないので、そこのところはご注意願いたい。

 文フリへの陰口(陰なのか??)と自分が出品する言い訳はこの辺にして、そもそものところ「横浜国立大学都市社会××学科」が何なのか、多少の説明が必要だろう。
 横浜国立大学には公認の学科で都市科学部都市社会共生学科(略称・都社共)という胡散臭い名前の学科がある。そんな"都社共"のアンチテーゼを提示する"新学科"が、都市社会××学科(通称・都社破)だ。そして私は、「都市社会共生学科」の一学生と、「都市社会××学科」の創設者=初代学科長を兼任している。
 創設して三か月、これまでのところの活動としては、80,000文字に上る学科の悪口を大量にnote更新したり、それのQRコード付きのビラを大学キャンパスで数千枚配布したりしている。他にも、"初回講義"と称して、都社共の悪口を私が二時間半独演し続けるzoomに20人弱集めたり、他にもボチボチ読書会や交流会で人を集めて議論したりしている。
 詳しく知りたい方は、都市社会××学科のnote記事を、特に、「都市社会××学科とは何か前編 ~怒涛の"都社共"批判」の記事を読んで頂きたい。QRコードを下に貼っておく。

 本書『完全学科長マニュアル ~君も"学科長"になろう!!~』は、新学科の創設を志す"学科長志望者"に向けて書かれた参考書の様なもので、方法論について主に書かれている。
 もしかしたら、この序文を読んでいる君は、全然学科も創設したくないし、学科長にもなりたくないかもしれないが、万が一そうであっても、本書は面白く読めるに違いない。
 本書は、優れたマニュアルであると同時に、横浜国立大学都市社会××学科の創設三か月の活動報告書としての機能も同時に果たしている。それに、新学科を創設するという運動手法が如何に優れたものであるかが、表や図も用いられながら極めて説得的に語られるため、本書を読み終わるころには、"学科長"になって新学科を創設したすぎて、うずうずして夜も眠れなくなってしまうはずである。
 長々と御託を垂れてもしょうがないので、文フリにあたっての序文はこの辺で終わる。面白いと思ったらメールしてくれ。 yokokoku.tosyaha@gmail.com
 (今回は、(仮)という表記通り、実はまだ草稿段階である。完成版はしばし待たれよ。)


↓本文へ続く


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