かもしれないが止まらない

 車を運転し始めて7年が経った。
 勤務地に向かうために車が必要になり、
中古のライフをローンを組み購入した。車を運転することは今だに心から好きにはなれない。リスクを背負っているような気持ちになるし、運転中は油断ならない。そんな中でも楽しいと思う瞬間はある。見晴らしの良い川沿いの道路なんかを走ったら、窓を開けて風を感じたりする。渋滞時に生じた苛立ちを何度音楽やラジオに助けられたか。なにより同乗者との他愛ない会話はささやかな幸せだと思う。
 本題はここから。運転中に、ふと疑問を感じることがある。

疑問1 道路に靴が落ちている

 或る山道を運転している際、道路の端に片方だけの革靴が落ちていた。何があったんだろうと頭の中でつぶやく。誰かが捨てたのか。なぜそこに捨てるのか。バイクを運転中に靴が脱げたのかもしれない。それなら取りにくるだろう。車の後部座席で、酔っぱらった学生たちが、靴のにおいを嗅ぎ合い、くっさいなぁ‼️ってなって車の窓から捨てたのかもしれない。靴の身にもなれよ。道路の端に並べられた靴をみたこともある。ミステリアス。道路脇で靴を脱いだ高校生は、新しく買ったスニーカーに履き替え新たな人生を歩き始めたのかもしれない。あの靴とは卒業だ、思い出が詰まりすぎているから、あの靴で刻んだ軌跡に感謝し、ぼくはわたしはおいらはおいどんはあたいはわれわれは新たな軌跡を築く。そんなエピソードがあったかもしれない。

疑問2 コンビニの近くにコンビニ

 コンビニで買い物を終え、200mくらい車を走らせるとまたコンビニがあるなんてことがザラにある。コンビニ名がちがうから、売ってるものはちがうかもしれない。気になるのは24時間営業なので、電気をそれなりに使うってことだ。そういった店舗が近い距離で2店舗必要なのだろうか。ぼくが無知なだけで重大なメリットがあるって可能性もある。人それぞれ好みのコンビニがあるから選ぶ自由もあるってことか。わたしはあのコンビニの納豆スパゲッティが好き、近くのコンビニには売ってないから、少し離れるけどそこまていくよ。そんなケースもあるかもしれない。さまざまな人のニーズに応えるため、選択肢を増やすため、コンビニとコンビニは近いのかもしれない。でも、電気量はなんとかならないものか。人が乗る時だけ動き出すエスカレーターがあるんだから、コンビニもお客さんがいないときは真っ暗で、お客さん来たときだけ灯りつけたらいいんじゃないかな。夜だとかなり不気味だから、営業中の看板くらいは電飾つけようか。店員は暗闇でも作業できるようにユニフォームは蓄光服にしようか。外から見たら、光が動いていて、幽霊?ってなるかもしれないけど、それはそれでそのコンビニのチャームポイントだよ。コンビニの外観も幽霊屋敷みたいにしちゃおう。ホーンテッドコンビニ、略してホーコンってのはどうかな。この前ホーコン行ったら、ただの空き家でろくろ首に会ったんだよねっていう人が出てくるかもしれない。

疑問3 あのトラック何を運んでいるんだろう

 街中や高速道路を走るでっかいトラックを見るたびに、何を運んでいるんだろうって思う。農産物とか海産物の可能性もある。もしかしたら、後ろの箱型の部分の中で、将棋の対局が行われているかもしれない。対局を運ぶトラック!揺れが生じるから、駒と盤上は磁石でくっつくようにしているのだろう。休憩時間に美味しいおやつも食べるだろう。棋士たちは、サービスエリアで運転手(トラック運転手一筋20年の大ベテラン)にラーメン奢ってもらうだろう。棋力を上げながら、旅行できるツアーだ。将棋教室するのもありだ。今日も全国津々浦々を走るトラックで対局が行われ、勝負の世界に身を投じてる人々がいる。かもしれない。

 疑問はきっと、インターネットで調べたらすぐにわかるかもしれない。調べるときもあるが、大体のことは敢えて調べない。考える時間が楽しいから。それだけなんだ。
 車を運転し始めて7年が経った。これからも安全運転を心がけ、車窓から世界に向かってくだらない想像を飛ばしていたい。
 

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