白球物語 Part1

白球は投げられ打たれ飛ばされ捕られ
汚れて拭いて汚れて交換して
試合は続き白球は願いを込められ
投げられ打たれず
キャッチャーミットにおさまったりする

投手は打者をねじ伏せるため
直球やら変化球を磨く 毎日白球に触れてきた

打者は白球を確実に捉えるため練習してきた 
その一振りで勝利の女神を迎えるために

白球は時に迷惑してるかもしれない
見ず知らずの様々な境遇の人の願いを込められ球場内を舞い踊る 
弾丸ライナーとなりボテボテゴロとなり
グローブからグローブへ移動し
土に塗れ誰かの指先の汗が染み込む

内野手は白球を捕球し より速く 確実にアウトが取れる場所へ送球する

外野手は高々と舞い上がった白球を華麗にキャッチしランナーを塁に出させない

白球がバットの真芯に当たる爽快な音は空に響き誰かの胸踊らせる 
白球を追いダイビングキャッチした外野手は表情1つ変えず すぐに立ち上がり 内野手に送球する

三塁コーチャーは ランナーの速力と飛球の距離から判断し ホームに行け!と腕を回す

監督はサインを出す ホームランのサイン
打者は小さく笑い 打席に入る

白球が語る試合は物語そのものだ
残酷でロマンチックで儚くて強くて
あきらめる必要がない
負けたら終わり? 終わりじゃない

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