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2 歌舞伎町 夢千代 ~短編小説 恋愛 初恋編~裏路地の女店主

不夜城と呼ばれるこの街を
歩いてると人混みの中を
ぬうように人を避けて歩ける
様になった。

路地にも詳しくなる。
路地には、昭和の時の流れを
感じる建物に小さな飲食店が、
ひしめき合いながらも共存してる。

小路を歩くと開店準備に
追われる店主が、料理仕込み中
なのか食欲を誘う惣菜の匂いがする。
   「今日も来たの」
とスナック女店主に僕は、
声を掛けられ笑顔で答えると
   「ちょっと待ってて、
これ昨日の余り物だけど
持ってきな」
とパック入りの惣菜を差し出された。
   「ありがとう」と笑顔で言って、
両手でお惣菜パックを受け取った。

お惣菜を大事に抱え持ちながら、
女店主との出会いを思だす。

僕が、この街に来たばかり頃だった。
明け方近くに半グレに追いまわされて
逃げてたどり着いた やしろ
震えながら隠れて
(神様、どうか助けてください。
心の中で叫んだ)

半グレがあきらめて立ち去ったが、
怖さと疲れでもう動く気力がない。

この やしろで寝ようと
快適な場所を探しを始めた時、
何かが足に絡みつく感覚を覚えた。
(裏路地の女店主)


✩°。⋆⸜(*˙꒳˙*  )⸝次回土曜日 更新

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