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人生に、二毛作めのタネを蒔く『50代から始める知的生活術』著者 外山滋比古


1 導入

 私は今41歳で、もうすぐ42歳になります。
 この歳になって、1日、1か月、1年の経過がどんどん早く感じるようになってきました。
 この感覚について諸説あるのでしょうが、私はこう思います。
 子供の頃、クリスマスや誕生日を心待ちにしているときは1日がとても長く感じました。
 でも今、私は何も持っていないのです。
 ならばと、これからの人生で、将来を期待する楽しみが何か得られないか。
 そんな何かを探すための一冊です。

 本書のタイトルにある「50歳から」というフレーズに従うなら、私はこれからまだ8年という月日をその準備段階に費やすことができます。
 人生という畑に(二毛作めとなる畑に)何を蒔くかをまだいろいろと試すことができる期間です。
 いったい何のタネを蒔こうかと考えるだけでも、とても楽しい気分になってきます。
 もう結論になってしまうかもしれませんが、この待ち遠しいという気持ちでいることが、もっとも理想的な精神状態なのではないかと思います。



2 問と答

問  読書にあたっての課題設定

 実りある人生にするためにはどうしたらいいのか

答  私なりの見解

 人生100年時代を想定し、今の仕事だけではなく、違う生き甲斐や楽しみを見つける。
 それが人生二毛作という考え方。

4 ビフォー 気づき アフター

ビフォー

 仕事にも慣れて、家族と過ごす時間も楽しい。
 でもどこか物足りなさや息苦しさ、行き詰まり感を常に抱えている日常。
 何かしなくちゃいけない、と焦って資格試験やNISA投資などの目についたものを手あたり次第に試してみるが、イマイチ手ごたえはない。
 漠然とした不安と時間を浪費してしまっているのではないか、という後悔がつきまとい、いつも追い込まれているような感覚がありました。

気づき

 本書を読んでも、すぐに自分に役立つ方法が見つかるわけではありません。
 著者である外山滋比古氏の辿ってきた道程が、優しい文章でつづられており、何かを押し付けたり、強制したりすることはありません。
 しかしそこが味噌です。
 すぐに見つからないものを探す。
 その過程の大切さが書かれています。
 ただ著者がベストセラーである『思考の整理学』の中でも触れている
    「見つめる鍋は煮えない」
    (パスタを茹でるために鍋を火にかけて、他の作業をせずにただ鍋       
     を見つめていると、やたら時間が長く感じる)
という言葉が表すように、何か事を成すには時間を味方につける必要があるのです。
 本書はそういったニュアンスの内容になっています。
 時間を味方につける。
 長く続けられる趣味を持つ。
 たとえそれが、金銭的な利益を生み出さないとしても、自分が楽しくて楽しくて仕方ない。
 そんな感覚を人生という短くも長くもある時間の中で味わうことができるのであれば、幸せなのかもしれません。

アフター

 今はタネを蒔く時期だ。
 と思うことにしました。
 人生二毛作という言葉のとおり、畑でなにかを収穫するためにも、まずはタネを蒔かねばなりません。
 自分がこれまでの人生経験で培ってきた糧を肥料として土壌を耕し、いくつかのタネを蒔いてその成長をゆっくりと観察してみようと思います。
 育つかなあ……
 きっといくつかのタネは芽も出ないのでしょうが、急成長を期待するわけではないので、のんびり育てていこうと思います。
 もしも私が100歳まで生きるとしたら、あと60年近くも付き合っていくものですから。

5 ちなみに

 ブログを始めて半年ほどが過ぎました。
 決して更新頻度は早くありませんが、今までに投稿した記事の中で、なんと実際にその本を書いた作者様から「スキ」をいただくことができました。
 なんといいますか。
 とても感動しました。
 自分が読んできた本をもう一度反芻して味わいたいと思って始めたこのブログでしたが、誰かに読んで感想をいただけるということが、こんなにも嬉しいことだとは知りませんでした。
 このワクワクウキウキした高揚感。
 もしかすると、このnoteの執筆が私にとっての二毛作になるのかもしれません。
  

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