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稼ぐ、貯める、使う。その前に考えるお金の意味『きみのお金は誰のため』著者 田内 学


1 導入

『きみのお金は誰のため』というタイトルを見た瞬間、何を思いますか?
 お金を稼ぐための方法論か、それとも投資指南書でしょうか?
 実は、田内学著のこの本は、そのどちらでもありません。お金とは何か、それが私や社会にとってどういう意味を持つのかを深く掘り下げる一冊です。

 あなたが日々手にするお金、その使い方がどれだけ社会に影響を与えているのか?
 本書では、ある秘密を持った怪しい老人が語りかける形で、お金の真実を明らかにしていきます。
 まるで物語を読み進めるような感覚で、お金についての新しい視点を得ることができます。

「お金は自分の想いを伝える手段である」この言葉の意味は、本書を読み進めるうちに徐々に理解できます。お金をただ貯めるのではなく、賢く正しく使うことで得られる満足感と社会貢献の可能性を知れば、自分にとっての人生は一変するかもしれません。

2 ChatGPTによる概要

 『きみのお金は誰のため』は、田内学著による書籍で、個人のお金の使い方や管理についての新しい視点を提供しています。本書では、単に資産を増やすためだけでなく、お金をどのように使うかが、個人の価値観や社会とどのように関連しているかを掘り下げています。お金の使い方一つ一つが、社会や周りの人々にどのような影響を与えるかを考察し、責任ある消費と投資の重要性を説いています。

 主な内容とテーマ

  • お金と倫理: 個人の資産管理がどのように社会的、倫理的問題と連動しているかを考える。

  • 持続可能な投資: 環境や社会に配慮した投資方法に焦点を当て、長期的な持続可能性に対する意識を高める。

  • 消費者としての力: 購入行動がどのように市場や企業に影響を及ぼすか、そしてそれが社会にどのような意味を持つのかを分析。

  • 金融リテラシー: お金に関する知識を深めることが、より良い社会的影響を生むための一歩であると強調。

 この書籍は、ただ節約する方法や資産を増やす方法を教えるのではなく、読者が自分のお金を通じてより大きな社会的な影響を考えるきっかけを提供しています。経済的な選択が個人の倫理観や社会貢献にどう連動するか、その意識を新たにすることを目指しています。

3 問と答

 問 お金は誰のもの?

 答 そもそもこの問が間違えでした。

 お金は単なる伝達手段です。

   何を伝達するかというと、それは「想い」です。

 お金とは、「想い」を届けるために作られたシステムなのです。この意識を正しく持っていないと、本書で言うところの「お金の奴隷になる」という状態に陥ります。つまり、「お金は誰のもの?」という問いに対する答えは「誰のものでもない」というのが模範解答です。(物々交換を円滑に進めるために生まれた信用制度みたいなものでしょうか)

 私の問題提起が間違えていたので、本書のタイトルである「きみのお金は誰のため?」という問いを改めて考えてみました。というか、最初から問は示されていました(笑)。

 つまり、たとえ誰か具体的な人を思い浮かべていなくても、自分が何かにお金を使うことは、誰かの想いを受け取っているということになります。

4 ビフォー 気づき アフター

 ビフォー(読書前)

 この本を読む前、お金についての考え方は主に節約や資産を増やすことに集中していました。お金を
   どのように使うか
という視点はあまり持っておらず、個人の利益を最大化することだけが重要だと考えていました。私の消費行動や投資が社会や環境にどのような影響を与えるかについてはあまり意識していませんでした。

 気づき(読書中)

 本書を読む中で、お金の使い方が社会的な問題とどのように結びついているかを深く考えるようになりました。

 ただただ搾取されているものと考えていた社会保険料ですが、考え方ひとつで、自分のお金が誰かに渡っている。そしてその誰かが社会をよくしている。この感覚を持てるだけでも、少し気が楽になります。
 自分で寄付をすれば、もっとダイレクトに感じることができるのかもしれんませんが、かってにそれに近い形でできているのでしょうか。
 税金の使途先が不鮮明なのが難点ではありますが、実際に支払った社会保険料が形を変えて誰かの仕事につながっている。(本書ではお金を水に例えて蒸発した水蒸気が雲になり、雨となって降り注ぎ、その恩恵の雨を皆が浴びているという素敵な表現で書かれてあります)この感覚を持てることが、大切なのだと気づきました。

 著者である田内学氏は、持続可能な投資や責任ある消費の重要性を強調しており、これらの行動が長期的に見て個人や社会全体にどのような影響を与えるかを具体的に説明しています。特に「お金は誰のため?」という問いに対する答えが印象的で、お金が単なる取引手段ではなく、想いを伝える手段であることを理解しました。

 アフター(読書後)

 本書を読み終えた後、お金に対する考え方が大きく変わりました。お金を使うことが単に消費行動ではなく、社会や他者への影響を伴う行動であることを強く意識するようになりました。
 節約や資産増加だけでなく、持続可能な投資や倫理的な消費を心がけるようになり、自分のお金が誰のためになるのかを考えるようになりました。
 日常の買い物や投資の選択が変わり、より先を考えて自分のお金を活かすことを考えていきたいです。
 この本を読んだことで、お金に関する意図や知識が深まるだけでなく、日常の行動や考え方に大きな影響を与えました。金融リテラシーの向上が自分自身の経済的な選択肢を広げるだけでなく、社会全体の持続可能性に寄与することを学びました。

5 ちなみに、再認識した好み

 本書では、お金の真実を語るにあたって、著者の体験談を語るという一般的なハウツー本とは違う形式をとっています。
 ジャンルで言うと、「もしも野球部のマネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」や「13歳からの地政学」に近い形式で書かれてあります。
 共通するのは「物語」の力を最大限使っていることです。
 登場人物に感情移入して
    ストーリーの進行
が気になり、また自分が気になっていたお金という存在について
    提起された問題が解決
されていき、新しい知見を得るという知的欲求が満たされていく。
 この2軸の面白さが絡み合ってくることでブースト状態になり、ハラハラとワクワクが継続していきます。
 私はこういった形式のハウツーと物語のハイブリッド型のコンテンツが好きなのだなあ、と再認識できました。


 

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