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ドイツ・大学生の息子が家庭教師始めました

早いもので、現在19歳の息子がコロナ禍中に大学に入学してから、4セメスター目(1年半ほど)になります。ドイツでは大学の学年については、現在大学1年生です、と表現するより、何セメスター目かで答えることが普通です。

化学専攻で実験実習とかも多くて、その実験の後は毎週のように実験結果のレポート書きに追われるので、化学専攻の大学生はなかなかフリータイムがない様子。

大学生ってもっと時間あると思っていたけど、それは文系の学生だけなのかな?私は文系だったから、講義に一日中出席していてもなんとなく心に余裕があったし、結構バイトもしていたけど、それは入学より卒業する方が簡単な日本の大学に通っていたからかも。

やはり、ドイツの大学は卒業が難しいらしい。大学入学資格試験(アビトゥア)に合格していれば、公立大学への入学は比較的楽であるけれど、合格点とれない科目があるとなかなか卒業できないことも。

さて、ドイツの大学生、実家に住んで大学に通っている息子はお小遣いはあまりかからないといっても、バレーボール練習場に行ったり、(→練習場借りるための費用が必要)友達と会ったり、(→ベルリンスタイルで飲み物1本買って、公園にステイで、あまり金額はかからないけれど)大金が必要ではないにしても、ちょっとしたお小遣いが必要になってくる。

そこで、何かバイトしたいということで、時間が比較的フレキシブルであるが報酬は悪くない家庭教師を始めました。人に何かを教えることは上手いので、息子に適した仕事。

まずは、家庭教師のポータルウェブサイトに写真付きのプロフィールを登録。どの科目を教えられるか、対象学年、希望の報酬額なども加えます。

登録後、1週間くらいして早速、現在大学入学資格試験(アビトゥア)準備中の1歳年上の受験生の男の子に週一で化学を教え始めました。

その後、医学部を受験するために化学のテスト受験が必要だという、息子より3歳ほど年上の男性のために2回だけ化学の短期個人コーチ。

息子は彼らにとって年下の家庭教師なんだ。ドイツって年齢は関係ない、そういうとこいいな、って改めて思ったのです。そういえば、ドイツに長年住んでいると、相手が年上でも年下でも年齢関係なく、親しくできる。

しかも、長年の友達であっても相手の実年齢を知らなかったりすることも多くて、お互い年齢のことは気にしないところが好き。

お互いの年齢がわかる時というのは、昔流行した音楽の話をすると大体の年齢がわかることが多い。私と夫が親しくしているお友達も年齢層は年下だと20代から、年上は70代までと様々です。

実は、私は日本に住んでいたときから、先輩後輩っていう社会に馴染めずに生きてきて、中学生くらいの時からずっとその社会を少し疑問に思ってきたのです。もっと色々な年齢の人が出会えて気兼ねなく語り合えるような世界が希望であり、人々が相手の年齢によって態度を変えたりするようなところがないドイツ暮らしのこういう面は気が楽だなとあたらめて思います。

年が上であっても下であっても仕事上でもプライベートでもお互いに新しい考え方など学べるところがたくさんある。だから、私は我が家に遊びに来る息子や娘のティーンエイジャーのお友達とお話ししたり、20代の学生さんとかと一緒にお仕事をする機会がある時も、すごくワクワクして、楽しいのです。

そして、家庭教師をする他の生徒さんについては、先週からはHebamme(助産婦さん)の専門学校に入学するために、これまた化学のテストが必要という女性に化学を教えています。

そして、また先週末から中学生の生徒さん1人が新しく増えて、数学と、なんと日本語を教えています。

日本語といっても、その生徒さんが現在習っているのは小学一年生の国語レベルとのことで、とりあえずはネイティブ日本人でなくても大丈夫なようです。

日本語を教えることになったのは、偶然。

その中学生の生徒さんのお母様が息子さんが勉強する気がない、と悩んでいたとのこと。なんでも、アメリカ生まれアメリカ育ちのドイツ人であり、さらに昨年イタリアの学校から転入学してきたばかりの帰国子女らしく、ベルリンに来てからというもの勉強する気がないとのこと。

それもそう、中学生の身で海外から転入ってなかなか大変なこと。そこへスーパーマンとして息子が登場。

元々は数学の家庭教師をお願いされていたようですが、外国語として日本語も専攻していたため、日本語を教えられる人が誰もいないからとても困っていたようで、日本語の家庭教師を追加でお願いされたようです。

小一の国語レベルであっても、人に教えるとなるとやはり自分も勉強になるよ、と意気込む息子の前で嬉し涙が出そうな私。

本当に良かった!人のお役に立てることはもちろん、日本語を習いたいっていう生徒さんのために貢献できるなんて、これほどいいことないわ、と、ドイツ生活の中でも日本語を教えておいて本当に良かったな、と思うひとときでした。

ドイツ育ちの息子が将来日本へ行って会話に困らないために、日本に住む私の家族とコミュニケーションできるように、と思って習わせた日本語、そして通わせていた日本語補習校でしたが、ここ数年は、日本の映画を観る以外の日本語学習は活動休止中でしたが、復活となりそうです。

こういう形でも日本語が役に立つとは想像していませんでしたので、ドイツでも子供達に日本語を話してきた私としては、喜び倍増です。

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