情報の交換じゃなくて情緒の交換をしたいんですよ
昨日寝床に入ったら夫がYouTubeのテレフォン人生相談的なやつを突然流してきた。突然流してきたからとりあえず聴いてみた。
お悩みのある人が電話をかけてきて、それに進行役の人、弁護士や心理学の先生が答えるという形式だった。
金銭的な問題は弁護士で、精神的な悩みは心理学の先生が答えるといったように、お悩みによって答える専門家は違った。進行役の人もたぶん何かしらの専門家だと思う。
身内が詐欺の被害にあってるのに本人にそういう自覚があるのかわからないからどうすればいいか?
といったものや
妻に精神的暴力や無理心中などの強要を受けているけど、どうして僕は妻と別れられないのでしょう?
といったお悩みがあった。
「どうして僕は別れられないのでしょう?」
「そんなの知りません」
わたしだったらそう答えて はい、終わり としてしまいそうだけどさすがは専門家。
弁護士
「離婚理由になる要素は十分そろってるから、離婚すること自体は可能。調停でも起こしてそれでも無理なら裁判をすればいい。あとはあなたの気持ち次第。」
進行役の人
「まずあなたは自分の命をもっと大切にしなさい。周りの助けてくれる人に顔向けできるような生き方をしなさい。」
それぞれ違った視点から答えててすごくよかった。
中でも特によかったお悩み相談は
「26歳になる息子が知らないうちにルームシェアしてたり、タトゥーを入れたりしていて、いずれ覚せい剤を所持するなど犯罪に手を染めていかないか不安」
という母親の相談だった。
その人はなんだかつっけんどんなしゃべり方で、第一声で(お?)と思った。さすがは専門家。息子うんぬんよりも母親の性格にしっかり突っ込んでいた。話をすすめていくとその母親は周りの友達にも少し変わっていると言われるようだ。
「友達としゃべっていて”我々は”という言い方をしたらすごく笑われたり、夫に物の言い方が嫌だと言われたりすることが時々ある」
と言っていた。
それに答えた心理学の先生
「まず、息子さんは大丈夫です。タトゥーというのはわたしたちの時代と違って今の子たちはおしゃれで入れてる子も結構います。それよりもお母さん。ワイドショーばかり見ていたりしていませんか?ワイドショーは事件を多く取り扱うので、実際に自分のすぐ近くで起きていることと勘違いしてしまいがちです。もっと趣味を持つなど、自分の時間を持ちましょう。」
ほう。すばらしい。
次に進行役の人
「あなたは真面目。足りないのがやさしさ。あなた、誠実すぎて曲がったことが許せないと感じるでしょう?お友だちと会っても情報の交換ばかりしようとしていませんか?わたしたちは情報の交換じゃなくて、情緒の交換をしたいんですよ。そのためには自分の気持ちを言葉にすることをしていかないとだめです。」
「寒いね~と言ってそりゃ冬だから寒いよ。って言われるとそこで会話が終わっちゃうでしょ?わたしたちは、寒いね~寒いよね~という共感が欲しいんですよ。」
わかる。
「そういう風に感情を表現できないのを”失感情症”(多分そう言ってたと思う)っていうんですよ。あなた、小さいときにお母さんとそういう情緒の伴う会話をしましたか?」
「あぁ。確かに善悪は教育されたけど、そういう会話はあまりしなかったかもしれないです。」
「でしょう。小さいころに食卓を囲んでいろいろな話をすることが大切なんですよ。」
「わたし、すごく腑に落ちました。ありがとうございます。」
ちゃんとわかる人じゃん。
「あなた、これから情緒の交換をしていくことで人生バラ色になりますよ。わたしが言ってることがしっかり伝わる人だから大丈夫でしょう。」
という感じで締めくくられていた。かなりいいね。
わたしも夫に
「女の人は無駄話が好きなのよ」
的なことを言ったら
「女だから男だからってそういうので分けるのよくないよ」
と言われて会話が終わったことがある。そりゃそうだけど。今は差別の話をしているわけじゃない。なんだか妙にもやもやした。
それを先生が言語化してくれた。
「情報の交換をしたいんじゃなくて、情緒の交換をしたいんですよ」
その通りだ。
世の女性。パートナーとの会話の噛み合わなさに悩んでいたら
「情報の交換じゃなくて、情緒の交換をしたいんですよ」
と言ってみてください。今この記事を見て
「女とか男とかそういうくくりで物を言うのはよくないよ」
と思った人。きっと情緒の交換ができていませんよ。ふふっ。
おわり。