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マレーシア備忘録❹  バトゥ洞窟は中が圧巻

3日目は朝からクアラルンプールから北へ10キロ移動してヒンドゥー教の聖地バトゥ洞窟に行った
友達が連れて行ってくれたけど彼はムスリムだから「寺院に入ってもいいの」という疑問が湧いた
行きの電車で聞くと「全然入れるよ!」とのこと、お祈りの時間は避けてるみたい
でも反対にヒンドゥー教の人がイスラームのモスクに入っているのは見たことが無い
これも他宗教や文化にも寛容に、のイスラームの教えが関係しているのかも

寺院より先に出迎えてくれたのは孫悟空のモデルになった猿の神様「ハヌマーン」
切り開いた胸元からはラーマとシータが顔を覗かせていた
このエメラルドグリーンの大きな像を見てバトゥ洞窟に来たんだ、とワクワク
次に猿と大量の鳩 笑
鳩に関しては人生で見た中で群を抜いた数で鳩使い?のような男性の周りには見物客が群がっていた

ここだけじゃない、ほんとにどこもかしこも鳩


少し進むと272段のカラフルな階段
2018年に塗られたものらしいから案外最近
あまりの迫力に登ることを躊躇いかけたけど、せっかくだからもちろん登った
ヒンドゥー教は動物をモチーフにした神さまと使いが多くてここにも至る所で見れた
しかもこれ!といった動物ではなく象と人、とか何か肉食獣で羽がついている、とか実在する生き物に当てはめられないものが多くて見ていて飽きない
このバトゥ洞窟ではヒンドゥーの神聖な儀式「タイプーサム」が行われて100万人の信者が訪れる
「カヴァディス」って串を身体中に突き刺したまま供物を献上するというなかなか過激な「奇祭」
今はヒンドゥー教の本場インドでは禁止されていて、今はここマレーシアとシンガポール、タイでしか行われていない
いつかこの3カ国のどこかでお祭り見たい

入り口付近でインド人(おそらくタミル系)らが売店で物売りをしていた
no water no cool drinksって笑 階段上がってみんな一番欲しいでしょ笑


中に入ると大鍾乳洞が広がっていて正直、正面から見た階段と全身金箔で覆われた世界最大のムルガン像より中の景色が圧巻だった
大鍾乳洞は本当に大きくて、一滴一滴垂れて形作られたと考えると一体どれだけの月日がかかったの、って気が遠くなる
太陽の光が入っていて暗い洞窟を照らしてもらえた

圧巻の大鍾乳洞とまさかのさらに続く階段


一番おくのお堂 ヒンドゥー教徒の祈りの歌が聞こえる



出ようと思ったら大雨
びっしょびっしょになってまた長い階段を下った
滑りそうで怖い
手すりも無いような場所からも人が降りていて、これを80、90歳のヒンドゥー教徒が登って降りていると思うとそれも驚く、信仰心って強い
駅まで戻る間にけたたましい声の物売りの波に飲まれた
「レインコーーーート!!アンブレラアアアーー」、今か今かと雨を待っていた物売りの波
観光客が多いため英語発音でレインコートと傘をとにかく連呼笑

せっかくヒンドゥー教の聖地に行ったから少しだけマレーシアにいるインド人について書いておきたい
インド人と言ってもその民族性は色々
8割以上は売店の兄ちゃん達みたいな南インド出身のタミル系
他にも北インド、現パキスタンになった場所から来た人、バングラデシュ、パキスタンなど様々
だからインド人だからといっても皆んな話す言語がバラバラで英語が通じたりそうでなかったりする(私はこれで現地でホームステイした時年配の人とのコミュニケーションにかなり苦戦した)
現地のインド人が母語で教育が受けられるのはタミル語話者だけだと教えてくれたし、決して教育環境がいいとは言えない
宗教でみるとヒンドゥー教が8割だけどムスリム、クリスチャン、シク教(私の友人はこれ)など信仰も色々
友人として彼らを理解しようとした時には出身地域や宗教のルーツを知ることが必要不可欠なように思う
ちなみにシク教徒はインドのパンジャーブ地方にルーツを持つ人が多いってわかってきた

マレーシア国内の民族構成を語るときに欠かせないインド人
彼らの人生は昔も今もハードモード
1980年代以前はプランテーションで労働を強いられてきた彼らの生活状態は悪かった
1980年以降プランテーションの再開発などを受け彼らは暮らしを強制されていたプランテーションから次は強制的に出されることになりせかつ環境はさらに悪化
職を失ったから慣れない都市部に移動
十分な教育が受けられず貧困のサイクルから抜け出せない、
インド人青年とギャングを結びつけられるなどのヘイトに合う、
留置所で他民族と比較して多くの命を落とす、
など散々だった
2000年代に入ってからも開発の業者や地方政府による住民の強制立退やヒンドゥー寺院の矯正撤去が行われた
長年の信仰の場、彼らの日常であり、始まりであり終わりである場を立場の低さから奪われる痛みを考えるとぐっとなる

今なお賃金の低さや待遇の悪さは残る
らしい、話ではなく私自身友人との会話の中で彼らが見ている不平等を感じる
マレーシアは多文化共生という要素が観光スポットのトレードマークになるほど国際社会で評価されている
でもその実態を見ると平等という意味での共生とはまた違った側面が見える








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