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【創作】2人で作ったライダースーツ【仮面ライダー】6話

組織が世界侵略を始めて、1年後


水仙「絶対に見つけ出すのよ!!


自分が指揮を取る戦闘員部隊に一喝する水仙

大勢の戦闘員が敬礼の後、散開する

ハンター「しかし、どこ行っちまったんだ… 『N』の野郎…」

隣にいたハンターがぼやく

水仙「あのヘルメットがある限り、洗脳は完璧だって言ってたわよね? 志摩のやつ…」

苛立ちを隠せない水仙

一方、志摩は…

志摩「くそっ! どこに欠陥があったんだ!? メンテナンスも怠っていなかったのに!」

研究室でキーボードを叩きながら、プログラム画面とにらめっこ状態である

ボス「これは一体どういうことだ? 志摩」

研究室にボスが入室し、志摩に問う

志摩「ボ、ボス! 今、原因を究明中です…」

ボス「何があったかを聞いているんだ」

志摩「は、はい… それが…」


志摩が語ったのは、昨日の出来事だった

組織に歯向かう反乱軍基地を襲撃していた時のこと

突如、Nの機能が停止してしまった

全身から力が抜けたかのように膝から崩れ落ちるN

戦闘員が駆け寄り、体を揺らす

戦闘員「おい、どうした!」

返事はない

戦闘員「こちら、A班。Nに不具合です」

インカムで隊長であるハンターに連絡

ハンターは水仙と志摩に連絡後、現場に駆け付ける

ハンター「おい! 寝てんじゃねえよ!」

乱暴に体を揺らすが、やはり反応はない

ハンター「チッ… 全部隊に通達! トラブルが起きた。一旦退散だ」

ハンターが部隊に連絡した直後、Nの体が起き上がる

ハンター「あぁ? 今頃起きやがって… まあいい、一旦帰るぞ」

言い終えると同時に、ハンターの顔面に衝撃が走った

気づくと地面に伏していたハンター

一瞬、何が起こったかわからない

ハンター「…は?」

顔を起こすと、戦闘員たちがNに掃除されているではないか

ハンター「てめえ! なにしやがる!」

右腕に装着された銃器を放つハンター

わずかな動きで弾を避けるN

足に力を込め、ハンターに向かって突撃する

そのままの勢いでハンターに突進し、その場から逃げ去った

ハンター「くそっ! Nが裏切った! 全部隊、Nを捕まえろ!」

混乱する現場

結局、Nを捕らえることはできなかった


ボス「…つまり、Nはもう使えない、ということか」

志摩「ふ、再び捕らえて再洗脳すれば、まだ運用できます!」

ボス「今の我々に、奴を倒せるものがいるのか?」

志摩「そ、それは…」

ボス「Nを誕生させてからというもの、お前は奴に執着し、あれ以上のものを作ろうとはしなかったな。その慢心が今の結果を招いたのだ。」

言葉の出ない志摩

ボス「奴をなんとかしろ。できなければ、お前はそれまでだ」

最終通告を告げ、部屋から出ていくボス

志摩「く、くそ… 一体どうすれば…」

天才の頭脳は、何も答えなかった


組織に破壊された廃墟

Nはふらふらと彷徨っていた

N「俺が、こんなことを…」

目の前に広がる荒地に呆然とする

N「どうして、こんなことに… 時雨と出かけて、それから…」

藤は記憶を取り戻したようだ、しかし、

藤「時雨は… あの時… 俺は… ずっと壊してきた…」

改造された後の記憶が残っているようで、体にしみ込んだ破壊と殺戮の感触が流れ込んでくる

藤「止まれ…! 止まってくれ… もう、壊したくない…」

塞ぎこみ、体を両手で抱え、汚れをこすり落とすようにさする

ガラガラッ!


瓦礫が崩れ落ちる音がした

藤が音の方を見ると、ボサボサの髪と髭にメガネの男が立っていた

男「誰かいるのかー? 大丈夫…か…」

泣いている声を聴いてやってきたようで、藤の姿を見て硬直する

男「うわっ! そ、組織の!」

腰を抜かし、反射的に瓦礫を手に掴む

藤「あっ…! いや、僕は…」

僕は…なんだ…?

もう人間じゃない

たくさんの人を殺してきたマシンだ

言葉が出ず、棒立ちする藤

瓦礫を構えた男が不信がる

男「…? なんだ… どっか、故障でもしたのか?」

今のうちだ! と その場から逃げる男

十数メートル離れたところで、思わず振り返る

組織の殺戮マシンは棒立ちのままだ

気になることには突っ込んでいくタイプのようで、
藤の所まで戻る男

男「あんた… どうしたんだ…?」

藤「…」

男「どうして襲わない? 殺さない?」

藤「…」

おそるおそる藤のヘルメットに両手をかける男

ヘルメットから、ガシュー…っと音が漏れ、後頭部が展開する

震える手でヘルメットを外す

男「あっ…」

目の前には涙と痣でボロボロの青年が立っていた

目に生気が無く、顔は真っ白だ

男「とりあえず、うち来い」

男は藤の腕を掴み、無理やり歩かせた


続く

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