見出し画像

【創作】2人で作ったライダースーツ【仮面ライダー】1話

夕方、マンションの敷地

女子大生が一人、講義を終えて帰宅してきた

突然、雷が落ちたような耳をつんざく音が鳴り響く

女子大生「えっ何!?」

同時に目の前の空間が丸く歪み、光を放つ

あまりの眩しさに手を顔の前にかざし、目を細める

目を凝らし、視界に入ってきたのはこの世のものとは思えない異形の生物だった

怪人「ううう、どこだ… ここは…?」

全身に緑の体毛を生やし、目は真っ黒、鋭い牙を尖らせている
右手が肥大化しており、爪の一本一本が鎌のようだ

目の前で起こったことが処理しきれず、その場にへたり込んでしまう女子大生

恐怖で震えが止まらず、声も出ない

怪人「おい、女… ここは一体なんなんだぁ!?」

混乱した怪人は目の前にいた女子大生に本能のまま襲い掛かる

その時、空を切るバイクの排気音と共に一人のライダーが怪人を跳ね飛ばした

地面に転がった怪人はライダーに目を向ける

怪人「てめえも来てやがったか…」

ドルドルドルドル… というエンジン音を背後に怪人を睨みつけるライダー

バイクから降り、怪人へと歩み寄る

怪人「わけ分かんねえが… てめえは倒す!!」

ライダーに巨大な右手を振りかぶる

ライダーは冷静に攻撃を避け、カウンターを食らわせる

怯んだ怪人に連続でパンチとキックのコンビネーションを浴びせる

怪人は手も足も出ない

重い膝蹴りを食らい、怪人は腹を押さえ頽れる

怪人「く… お前… こんなに強かったか…?」

ライダーは腰に巻かれた風車型のベルトに両手指をかける
風車の周りに置かれた4つのスイッチを同時に押すと、
風車が回り、風を吸い込み始める

ライダーの体に爽やかな青い風のエネルギーが流れ込み、右足に集中していく

素早く重いストレートキックが怪人に炸裂

怪人「ぐあっ…!!」

怪人は大砲のように真後ろへ飛んでいき、爆死した

一連の戦闘を呆然と見ていた女子大生

炎に照らされたライダーが左肩越しに視線を向けた

2秒、こちらを見つめた後、黙ってバイクの方に歩いていく

はっとした女子大生がライダーに声を掛ける

女子大生「待って! あなた… 」

全く聞く耳を持たないライダー



女子大生「藤くんでしょ!?」

ライダー「えぇっ!?」



今までのクールな戦闘が台無しのリアクションで振り返るライダー藤くん

彼女はなぜ、ライダーの正体を知っているのか

続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?