見出し画像

【創作】2人で作ったライダースーツ【仮面ライダー】5話

研究室

女「ご苦労様、ハンター」

ハンターと呼ばれた謎の男が、気を失った藤を台に乗せる

ハンター「こんな男が素体で大丈夫なのか?」

志摩「いいんだ、若く健康なバイク乗り、それがこの『N』に必要な肉体だ」

ハンター「俺の時は、俊敏で屈強な軍人だっけか?」

女「おまけにいい男♡」

ハンター「水仙… お前ほどじゃねえよ」

女を「水仙」と呼び、人差し指でアゴに触れるハンター

志摩「おい、神聖な改造手術の前だぞ。下品な会話は止してくれ」

ギロリ、と二人を睨みつける志摩

水仙「あら、気に障っちゃったみたい」

ハンター「じゃあ、俺たちは外で見学といきますか」

水仙「じゃあ、がんばってね~」

ひらひらと手を振りながら、出ていく水仙とハンター

志摩「ふん、全く…デリカシーのない奴らめ…」

パチンッとゴム手袋を付け、藤の体にメスを入れていく

マスクの上からでも分かるような邪悪な笑みを浮かべながら…

外から様子を見ていた二人もドン引きである

ハンター「俺もあんな風にされてたのか…」

水仙「同僚じゃなかったら関わりたくないわ…」


数時間後

研究室の扉が開き、手術を終えた志摩が出てくる

ハンター「終わったのか?」

志摩「ああ、私の人生で最も素晴らしい作品がな」

ペットボトルの水を飲み干し、満足気に語る

水仙「早く見てみたいわ、その作品」

志摩「まずはボスに見ていただく」

連絡を取ろうと、携帯を手に取る

ボス「やけに自信があるようだな」

奥の暗闇からコツコツ、とボスが歩いてきた

志摩「ボ、ボス! それはもう…」

滅多に現場に姿を見せないボスの登場に驚く一同

ボス「では、早速見せてくれ」


実験室

頑丈な壁に囲まれた広い空間に藤だったものが佇んでいる

黒いライダースーツを身に纏い、体の正面にはプロテクター
肘や膝にも特殊なサポーターのようなものが装着されている
灰色のヘルメットには大きな複眼、遠くのものを検知するためのアンテナが額に2本

腹部には風車のようなものが取り付けられたベルトが巻かれている

その周りを囲むように怪人が5体、戦闘の構えを取る

志摩「それではご覧ください、改造人間『N』の誕生を!」

隣のモニタールームに集まった一同が注目する

実験室の赤いランプが光り、ブザーが鳴動する

戦闘開始の合図だ

5人の怪人が一斉に襲い掛かる

Nは膝に力を込め、上空はジャンプ

5人が勢いよくぶつかる

上昇したNは美しい弧を描き、背中から回転する

落下の力を利用し、一体の怪人に向けて直下の蹴りをかます

怪人は声をあげることも無く、頭から足まで潰れる

圧縮されたバネのようになった同胞を目にし、たじろぐ4体

体中にトゲを持つバラの怪人が遠距離から数十本のトゲを飛ばす

トゲが飛んでくる方向に対し、ストレートパンチを放つN

生まれた衝撃波により、トゲの勢いが殺され、地面に散らばる

Nが地面を左足で蹴り、周りのトゲが浮きあがる

右足を腰から回し、風圧でトゲをお返しする

頑丈な甲羅を持つカニ怪人は防行体制を取るが、残りの3体にはトゲが突き刺さる

トゲには毒が含まれていたようで、2体の怪人が苦しみながら倒れた

残ったのはカニ怪人と毒に耐性を持つバラ怪人

ムキになったバラ怪人が腕から生えた鞭をふるう

Nは余裕で鞭を掴み、自らの体の方へバラ怪人を引っ張る

宙に浮いて体を持っていかれるバラ怪人

Nは右手に手刀を構える

竜巻のような現象が手刀の周りに浮かび、バラ怪人を迎えた

バラ怪人の胴体が真っ二つに切れ、2つの半身がNの背後に転がった

完全に戦意を喪失したカニ怪人が震えながら、地面に膝をつく

ゆっくりとNが近づく

本物の蟹のように縮こまった怪人を見下ろし、両手を握る

握った両手を天に振り、思い切り叩き込む

怪人は自慢の甲羅で防御するが、あっさりと砕かれ、味噌を散らした

Nのヘルメットに返り味噌が付着する


一連の様子を見ていたモニタールームが唖然となる

志摩「ふっ… ふふふふふふふ!! 素晴らしい!! やはりあれは最高傑作だ!!」

両手を広げ、高笑いする志摩

眉間に皺を寄せるハンター

水仙「ボス… これで私たちの計画が大きく進みますね」

ボスから返事がない

水仙「ボス?」

志摩、ハンター、水仙がボスの様子をうかがう

ボス「…るぞ」

水仙「はい?」

ボス「今すぐ!計画を大幅に進めるぞ!! これで世界は、私のものだ!!」

初めてだ。こんなに興奮しているボスを見るのは

ここから先は早かった

Nと怪人たちによる武力侵略が始まり、世界は瞬く間に支配されていった



そして、1年が経った


続く



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?