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【創作】2人で作ったライダースーツ【仮面ライダー】3話

藤との連絡の取り方が分からないまま夜を明かし、いつも通り大学に登校した時雨

体に染みついた足取りで駐輪場へ向かう。徒歩通学にも関わらず

時雨「やっぱり違う…」

時雨の視線の先にはバイクで登校してきた藤の姿だ

しかし、昨日会った藤とは、まるで雰囲気が違う
乗っているバイクも別物だ

時雨(きっと本当なんだ… 昨日の藤くんが未来から来たってこと…)

現代の藤は友達と合流し、講義室に向かっていった

駐輪場のバイクスペースには、数台の原付と藤のバイク
原付の中に紛れるバイクは一際目を引く

時雨「かっこいいな…」

バイクを見つめ、思わず呟く

授業を開始する予冷が鳴る

時雨「やばっ 行かなきゃ!」

小走りで講義室に向かった



とある研究室

いくつものモニターが並び、白衣を着た研究員たちがキーボードを叩く

研究員「志摩主任、現場からデータが届きました」

志摩「これは…」

志摩と呼ばれたのは、ボスの側近である男
組織の研究開発部門の主任である

志摩「粒子が捕らえることのできない速さで動いている…」

未知の粒子を前に目を輝かせる志摩

女「お邪魔するわよ~」

ヒールをカツカツと鳴らしながら研究室に女が入る
辛気臭い研究室に香水の香りが広がる

女「あら、いつになく楽しそうじゃない、先生」

志摩「君か、いいところに来た。今まさに、世紀の大発見の瞬間なんだよ」

女「ふうん? 私も良い情報を持ってきたの。お披露目会しましょ」

女の右腕に抱えられたファイルに、時雨の写真が挟まっていた



昼、講義が終わり、時雨は帰路についていた

歩道を歩いていると、後ろからバイクの排気音が聞こえる

バイクは時雨より少し前に出たとこに停まる

ライダーが左足を地面につき、ヘルメットを取ってこちらに振り向く

時雨「藤くん…」

藤「今、時間ある?」



公園

ベンチに座り、途中のコンビニで買った昼食を終えた二人は昨日の続きを始める

時雨「昨日は、ごめん… 急に帰っちゃったりして…」

藤「いや、俺の方こそ、巻き込んじゃってごめん」

時雨「巻き込む?」

藤「本当は、こっちの時間で時雨に会うはずはなかったんだ」

時雨「聞かせて、未来の藤くんに何があったのか」

藤「少し、長くなるよ」



未来の藤の時空

 いつもと同じ朝、バイクで大学に登校。
駐輪場の専用スペースにバイクを停めて、友達と合流
くだらない話をして、講義室に向かい、講義を聞き流す

でも、あの日は違った

バイクを停めたところで声をかけられた

女子大生「あの、バイク… かっこいいですね!」

声の方を見ると、女性が一人、少し緊張した様子だ

藤「はぁ、ありがとう…ございます…?」

女子大生「あっ、えっと、突然すいません… 私、この大学の1年生の人で… その…」

ナンパか? こんな朝っぱらから? いや、こんなにおどけたナンパは無いだろう

男友達「藤ー、おはよー」

いつも通り、友達がやってきた

男友達「おっ、何この子? 知り合い?」

藤「いや、」

知らない、という前に

女子大生「す、すいません! お邪魔しましたー!」

顔を真っ赤にした女子大生は走り去っていった

残された男子二人

男友達「なんだったんだ…?」

藤「さぁ… ん?」

何か落ちているのを発見

バイクのキーホルダーだ

藤「あの子も… バイク、好きなのかな」

続く


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