【創作】2人で作ったライダースーツ【仮面ライダー】15話
組織 基地内
水仙とライダーの激しい攻防が続く
水仙「やだ… 案外やるじゃない… この私がここまで手こずるなんて…」
ライダー「時雨を傷つけたお前を絶対に許さない…!」
水仙は両手首から植物の弦を出し、ライダーに叩きつけるが、ライダーの周りには常に竜巻のような風が吹いており、弦が届かない
水仙「なんなの…!あの風は…!」
壊れた研究室から戦いを見守る志摩
志摩「『N』は自然の力を受けて戦闘力を増すシステム… この空間に空気が存在する限り、奴のエネルギーは常に充填されつづける…」
志摩「未来の私はあんな傑作を作り出したのか…」
先ほどライダーから取り出したチップに目を向ける志摩
志摩「これさえあれば、奴を超える傑作を作り出せる…!」
チップを手に、研究室を出ていった
組織 時雨の部屋
部屋の外からドタバタと戦闘員たちが走り回る音が聞こえる
時雨「どうしたんだろう…?」
戦闘員「水仙様の援護に行くぞ!!もたもたするな!!」
戦闘員「敵はたった一人だ!!数で押し通すぞ!!」
戦闘員たちの声が聞こえた
時雨「藤くん…? 」
藤の予感を感じる時雨
手を握り、無事を祈った
水仙とライダーの戦いが続く
ライダーの攻撃が水仙に何度か当たるが、決定的なダメージが入らない
水仙「何重もの繊維が絡み合っているこの体に、ダメージが簡単に通ると思わないで!」
ライダー「お前も俺に攻撃を当てれていないだろ。威張るな」
水仙「彼女と一緒で、ムカつく男ね!!」
口から毒液を吐くが、やはり風に飛ばされ、あちこちに毒液が飛び散る
毒液が部屋の壁や設備を溶かしてしまう
飛ばされた毒液が駆け付けた戦闘員にも降りかかる
戦闘員「ぎゃあああ!!」
戦闘員「と、溶ける!!」
戦闘員「下がれええ!!巻き込まれる!!」
援護に来たはずの戦闘員たちは近づけず、戦闘場所に続く扉を閉めてしまった
水仙「チッ 使えない雑魚どもね…」
ライダー「そろそろ、決着を付けよう」
ライダーがベルトを操作し、風を吸い込み始める
水仙「いくらエネルギーを溜めたって、私には通用しないわ!!」
吠える水仙だが、自分の攻撃も通用しないことを理解しているため、動けずにいた
ライダーのベルトは空気を吸い込み続ける
水仙「…? なんだか、呼吸が…」
違和感に気づいた水仙
部屋の空気が薄くなっていることに気づく
水仙「まさか、この部屋の空気を…!」
部屋を見渡すと、毒液により部屋の給排気口が全て溶けているのが分かった
また、扉も閉鎖され、溶かされている
つまり、この部屋に空気が増えることは無い
ライダー「あんたのおかげで、突破口が見えたよ。毒液を風で飛ばしていたのも、ちゃんと狙いを付けていたんだ」
水仙「貴様ぁ!やめろおおお!!」
普段の余裕をすっかり無くし、ライダーに弦を振るう水仙
伸びた弦がベルトの風車に吸い込まれる
水仙「!!」
風車は弦を切断しながら吸い込んでいく
ずるずるとベルトに引きずられていく水仙
水仙「な、なによこれ!!止めて!!止めなさいよおおお!!」
遂に、右手が風車に飲み込まれた
水仙「ぎゃああああああ!!!!」
ガリガリと右腕が削られていく水仙
水仙「あ、謝るから!!謝るからもう止めてええ!!ごめんなさい!!ごめんなさいいいいいい!!」
ライダーの耳に、彼女の謝罪は届かない
ライダー「言っただろ、許さないって」
遂にベルトの風車は水仙の肩から首を飲み込み始め、やがて、右肩から先と頭を失った水仙の体が地面に転がった
そんなものには目もくれず、ライダーは時雨の救出に向かった
組織 ボスの部屋
戦闘員「…以上が、報告になります」
戦闘員が事の顛末をボスに報告した
ボス「…我々は、とんどもないものに手を出してしまったようだな…」
事態を飲み込み、自らの窮地を知るボス
ボス「志摩が緊急で行っている実験とはなんだ?」
戦闘員からの、志摩が突然第二実験室に籠った、という情報が引っ掛かるボス
戦闘員「詳細は分かりませんが、ハンター殿の体を持っていかれたようです」
ボス「志摩…一体なにを…」
戦闘員「とにかく、もうここは危険です。避難の準備ができておりますので、ご移動を…」
ボス「ああ、分かった…」
戦闘員の案内で避難用のヘリに移動を始めた
組織 基地内
時雨を探すライダー
ライダー「時雨…どこにいるんだ… …そうだ!」
未来の志摩にインストールしてもらった基地の地図を起動する
ライダー「捕虜を連れていく部屋… ここか!」
地図を頼りに進んでいくライダー
戦闘員たちが幾度となく立ちはだかるが、難なくなぎ倒していく
そして…
ライダー「時雨!!どこだ!!」
時雨の部屋にライダーの声が届く
時雨「…!! 藤くん!! ここだよ!!」
近くの部屋から時雨の声が聞こえた
ライダー「そこか… 扉から離れて!!」
時雨「わかった!! …離れたよ!」
ライダー「よし… はぁっ!!」
扉を壊すライダー
扉が開き、時雨の姿が目に入る
ライダー「時雨! 大丈夫!?」
ライダーに抱き着く時雨
時雨「こ、怖かった…」
安心と恐怖で涙を流す時雨
そっと抱き返すライダー
ライダー「ごめん、もう大丈夫だよ」
時雨「うん…うん…」
時雨が落ち着くまで、しばしの休息を取ることにした
組織 第二研究室
台にハンターだったものが寝かされている
体からはいくつもの配線が繋がれている
志摩「ふむ、やはり素体が頑丈なだけあって中々いい数値だ」
志摩「100%力を発揮することはできんが、急ごしらえにしてゃ上出来」
志摩「なるべく、装甲を剥がし、最低限の装備を付け、実験中だったヘルメットを改造した頭部を取り付ける…」
志摩「そして、その頭部にこのチップを組み込んて…」
コンピューターが「適合完了」を知らせる
志摩「よし!やはり私は天才だ!チップのコピーも取ったし、そのうちこれを量産していけば… ふふふふふふ」
志摩「おっと、いかんいかん。まずはここから逃げなければ…」
コンピューターを操作し、カウントダウンが開始される
画面には、「『N2』起動まで、3分」と表示されていた
続く
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