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【創作】2人で作ったライダースーツ【仮面ライダー】13話

廃墟の町 はずれ

ライオン怪人が皇と通信を取る

ライオン怪人「あんたから預かった装置が反応してるぞ」

左手に握られたレーダーのような装置がピコピコと反応する

皇「そうですか、では、奴らを襲撃してください。殺さずに。」

ライオン怪人「いきなり襲うのか?何のために今まで…」

皇「行けば分かります。私にはあなたの目を通して全て見えているのですから」

ライオン怪人「了解だ。行ってくる」

通信を切り、戸部家に向かうライオン怪人


戸部家

変身したライダーがタイムマシンに繋がれたバイクにまたがる

志摩「それでは始めるぞ」

戸部「ああ、これが最後だ」

志摩がコントロールパネルの電源スイッチを押す

巨大な弧の形に作られたタイムマシンから轟音が発せられる

ゴウンゴウンという音と共に激しく火花を散らす

巨大な弧から光のカーテンのようなものが出現する

志摩「ゲートが開いた!アクセルを思いっきり吹かせ!」

ライダーがアクセルを全開にする

同時にベルトの風車が回転

バイクのタイヤもフル回転だ

モニターに表示された粒子の数値が上がっていく

志摩「まだだ…まだだぞ…」

バイクの固定装置を外すタイミングを待つ志摩

そこに・・・


バキッ!!


家の扉が破壊された音が聞こえた

戸部「な、なんだ!?」

ライオン怪人「なにやってんだ、こりゃぁ…」

ライオン怪人の襲撃だ

怪人の目を通して見える映像に皇が興奮する

皇「ほぉ…! これがタイムマシン…! やはりあの粒子は時間移動の要だったか!」

皇「ライオンさん、そこにいる3人を連れてきてください。そこにある装置はなるべく壊さないように」

ライオン怪人「難しい注文だな… 努力する」

怪人が戸部に襲い掛かる

戸部「うわぁ!」

怪人の軽い腕振りで壁にぶつけられる戸部

ライダー「戸部さん!!」

ライダーがバイクから降りようとする

志摩「降りるな!アクセルを吹かせ!」

志摩がライダーに叫ぶ

同時にパネルのタイマーをセット

志摩「あと少しで時間を飛ぶ!! 貴様はゲートだけ見ていろ!!」

ライダー「くっ…!」

言う通りにアクセルを吹かすライダー

残り30秒

志摩「ここからは通さんぞ」

志摩は頭に溶接作業のマスクを被り、両腕にパワーアームを取り付けた

ライオン怪人「へっ 志摩博士が喧嘩か。ずいぶんと落ちたものだ」

怪人は志摩に襲い掛かるが、意外にも志摩が攻撃を受けきる

志摩「あの巨大な装置を作るためのアームだ。力だけはある!」

ライオン怪人「チッ、うぜえな!」

怪人が少し力を込めると、志摩もやはり軽くあしらわれてしまった

残り20秒

怪人がライダーに向かって走る

しかし、足が何かに引っ掛かり転んでしまった

ライオン怪人「なにっ!?」

足元を見ると、戸部に足首を掴まれていた

戸部「行かせないぞ…」

残り10秒

ライオン怪人「くそっ!放せ!」

もう一本の脚で戸部を蹴り飛ばし、急いでライダーの下へ走る

ライダーのベルトの風車から激しいスパークが散る

残り3秒

戸部「行け!藤くん!」

ライオン怪人「させるかああああ!!」

ライダー「行くぞ、時雨」

0秒

バイクの固定装置が外れ、急発進する

ライダーは光のゲートへと消え去った


戸部「成功…したのか…?」

志摩「恐らく、な」

志摩「しかし、一つ失敗だ。怪人の姿がない」

戸部「まさか、一緒に…?」

志摩「分からん、私たちにできることは、帰りを待つことだけだ」

戸部「藤くん…」

先ほどまでの喧騒が嘘のように、静寂が残った



全身に鈍痛が走る

ここは、どこだ?

少し首を動かすと、バイクが横たわり、タイヤがカラカラと回っているのが見える

痛みを我慢し、体を起こす

辺りを見渡すと、のどかな街並みが見えた

ここは、見覚えがある

懐かしい

そうだ、戻ってきたんだ


・・・過去に


ッ!

少し離れたところから、違和感を感じる

この時代に無かった違和感

バイクを起こし、急いで走らせる


夕暮れのマンション


違和感の正体が見えた

先ほど、自分たちを襲った怪人だ

いきなり人を襲っている

この時代では誰も死なせない!

バイクで怪人に突進

怪人が地面に転がる

助けた人の無事を確認する…


なっ!? 


ずっと求めていた

君に会いたかった

一目、遠くから見ることができればよかった

・・・時雨


まさか、いきなり出会ってしまうとは…

心の準備が出来ていない

とりあえず、考えるのをやめ、目の前の敵に集中することにした

よりによって時雨を襲うとは

時雨の前ではカッコ悪いところを見せられない

ああ、もうさっさと終わらせてしまおう


数分後


怪人はライダーの蹴りで爆発した


時雨…

君を一目見ることができてよかった

今度は守ることができた

これで少し、悔いが消えた

俺は組織を倒して、この時間を守る

さようなら、だ


バイクに戻るライダー

そこに響いた衝撃の一言・・・



あなた、藤くんでしょ!?



こうして、時を超えた救済が始まった

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