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”うどん”の向こう側

昨日、経営実践研究会の枚方志学会に参加してきました。
登壇者は”うどん”で有名な恩地食品の恩地社長です。
枚方を良くしたい、という想い溢れるお話の中に多くの優しさや大きな世界観を感じた貴重な時間を過ごさせて頂きました。

自分の夢を諦める

恩地社長のお話は笑いもあり楽しく時間があっという間に過ぎてしまいます。
それもそのはず、実はお笑いの世界を目指しておられたようです。
しかし、家業の関係もあり事業を継ぐしかない・・と少しネガティブな感情からスタートされていた様子でした。
改めて思いますが、経営者と言えども人間ですし子供の頃の夢も理想も会社とは別のところで持っています。
経営者の子供と言えば、『えぇな~、金持ちやし、将来社長やん。』という目で見られますし、実際私もそんな事を思っていました。
でもよく考えたら、生まれた時からレールを敷かれ経営者への道を背負わされていることを考えれば手放しで『えぇな~』とは思えないですよね。
もちろん金銭面や名誉で言えば条件は良いかもしれませんが、共に働く仲間に対する責任も、社会的な責任も負わなければならない・・・。
周囲から見ている風景と主観で見ている風景は全く違うんだな~と思います。
結局、恩地社長はお笑いの道を諦め家業を継ぐべく関係する企業へと就職をされました。
こう言ってしまうと悲しい結末になってしまいそうですが、そういう意味で書いているのではありません。
もちろん諦めたという事自体はネガティブな事かもしれませんが、諦めたことによって新たな役割と次のステージに本気で向かう事ができたのだと思います。
そして、これは誰にでも言えることですが『自分のなりたいものと、周囲から求められるものは違う』です。
もしかしたら、”周囲”は”世の中”や”天”に置き換えられるかもしれません。
一体自分は何者なのか。
こういったものに向き合って、自分が目指していたものを手放し、自分の求められることに全霊を掛けることにされたのではないかとお話を伺って感じました。

人は誰しも天から与えられた役割がある。

創っているのは”うどん”ではない

会社として生産している製品は『うどん』であることには違いありません。
しかし、恩地食品が作ろうとしているのは文化や風景だと感じます。
七夕発祥の地である枚方を全国にアピールしたり、七夕そのものを文化として残るようにパッケージに工夫したり、うどんを食べる時の風景を想像したりと、”うどん”を通じて地元枚方に貢献することや、コミュニケーションを取りながら明るい社会を創っていこうとされています。
きっと恩地社長の頭の中には食事をしながら皆でワイワイやって笑いながら色んな人が関わっている風景が思い浮かんでいるんじゃないかと想像します。
単純に”うどん”を極めるだけでなく、多方面に関係性を創り共に文化や人が大切にしているものを”うどん”を通じて発信し明るい未来を創る。まさに社会性と経済性の両立だと思いました。
製造業で商品そのものがユニークになることは本当に難しいです。
テクノロジーが進化すると共に製造に関わる装置は価格が落ち着きます。
あらゆる面で平均化され『ある程度の資金さえあれば大体作れる』というレベルまで持っていくことができてしまいます。
金型や工程だけ整えば製品自体はできていくと思いますが、商品の価値は商品そのものだけではないと思います。

”うどん”の向こう側に一体何を想像するのか?

恩地食品さんの進んでおられる道は地域に根付く製造業にとって目指すべき王道になっていってほしいなと思います。
商品は、モノの良し悪しと、会社の良し悪しが反映された、会社から絞り出された1滴だと捉えるなら設備や品質だけでは不十分です。
その会社が何を目指し、何を商品というツールを通じて発信していこうとしているのか、これが社会やお客様に伝わるからこそ消費行動が起き結果的に売上が立つのだと思います。

関西外大とのコラボ、天の川紅白そうめん!

究極は自己満足

とある方とのお話の中で、社会貢献もいいけど最終的には自己満足やで、という言葉がありました。
言葉の真意を理解するまでに少し時間が掛かりましたが、社会の為に立つのも、志を達成するのも、その為に走り続けるのも、結局は自己満足でしかないしエゴなのだと思います。
それが小欲(我欲)なのか大欲なのかは視座や人間性の問題であって、根本的に自分が目指していて満足できているか。
そして目指したものに対して本当に楽しくて嬉しくて続けられているのか?という事が究極は求められるのだと思います。

俺ってば、人の役に立ってるし最高じゃん?

本気の本気度は?

私も含めてですが、人って『本気』って言葉を簡単に使ってしまいます。
漫画の影響なのか?映画の影響なのか?、本当に結構簡単に使います。

冗談ではない本当の気持ちやまじめな気持ち、またはそのような気持ちでいることです。
漢字の「本」は真実という意味を、「気」は心の動きや意識を表します。
「本」「気」が組み合わされることで、いつわりではなく心からそう思っている気持ちを示しています。

『意味解説辞典』より

あれ?
冗談ではない本当の気持ちなのに、全然行動してないじゃん!!!!
そんなことありますよね。

だから、本気は簡単に使ってしまうという事は仕方無いので自分自身に『本気の本気度は?』と問うようにしています。
自分がやり切ることは大前提、物事の優先順位をどう考えるか?という事を自分に問いかけます。
と同時に、自分の想い描くところまで道筋が考えられないなら本気度は低め。先延ばしにするか・・・と考えます。
そんなこと言いながら、動きたくなって深く考えずに動いてしまう事が多いのですが。

私も含めて本気度100%の自分を見た事ない人が多いんじゃないかな~と思います。
きっと凄いですよ!
私も自分自身の可能性を信じて進んで行きたいと思います!

本気になればスーパー〇イヤ人みたいになれる!

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