いじめを受けて限界に達し、警察を呼んだ。いじめの中心人物は学校から消え、クラスメイトから恐れられるようになった。しかし、風紀委員や学級委員、生徒会などの美少女から好まれ、興味を持たれた第14話 避けられるいじめ協力者

「な、なぁ!」

 流石にクラスメイトからの疎外感に耐えられなくなった岸本は雑談する複数の生徒に声を掛ける。

「悪いけど話に割り込んで来ないでくれるかな」

 1人の男子生徒はきつい言葉浴びせる。

「本当に」

「同感! 」

 残りの男子2人も遠慮なしにきつい言葉をぶつける。

 本当に素晴らしい拒否反応だ。

「わ、悪かった。ごめん」

 しゅんっと気分が落ちた顔で岸本は謝る。そのまま、避難するように自席へ帰還する。

「どうだった? 俺は…今回もダメだった」

 岸本は先に席に戻っていた今水に近況報告する。

「俺もだ」

 辛そうな顔で今水は答える。今水は女子グループに声を掛けていた。結果は容易に推測できる。
 
「今日で何回目だよ。以前までは簡単に話に割って入れたのに! 」

 八つ当たりで、岸本は机を蹴り上げる。

 ガシャン。

 教室内に衝撃音が響き渡る。

「やばっ! 」

「相手にしてもらえないからって物に当たってるよ! 」

「子供かよ」

 冷めた目でクラスメイト達は岸本に視線を集中させる。軽蔑した冷ややかな目で。

「くっ!? 」

 額に嫌な汗をかきながら、岸本は縮こまる。

「こんなとき今泉がいれば」

 助けを求めるように、岸本は窓の外に視線を走らせる。

「本当にな。でないと辛い。心が潰れそうだ…」

 岸本と今水が求める今泉の姿はいない。警察に連行されてから今泉は1度も学校に登校していない。

 今泉の所在はどのクラスメイト達も知る由もない。

(なんか可哀想だな)

 岸本と今水から漂う悲壮感を目の当たりにし、晴斗は彼らの気持ちに同情する。決していじめを許したわけではないが。

「ねぇねぇ。、よそ見しないでよ。あんなのは放っておいて。もっと私とおしゃべりしよ」

 休み時間に突入して、即座に祐希は晴斗の席に足を運んでいた。

 ニコニコ晴斗とお話をしていた最中だ。

 基本的に祐希が話し手で、晴斗が聞き手の形で。

「それでね。今日学級委員の会議があるんだよね。放課後に。だから今日はもしよかったら会議が終わるまで待っててくれないかな? 無理はしなくていいからね! 」

 祐希の喋りは留まることを知らない。

 饒舌なのかは定かではないが、ペラペラ言葉が口から溢れる。

 祐希に合わせて、上手く晴斗は相槌を打つのだった。

 この他愛もない話は休み時間ギリギリまで続いた。

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