いじめを受けて限界に達し、警察を呼んだ。いじめの中心人物は学校から消え、クラスメイトから恐れられるようになった。しかし、風紀委員や学級委員、生徒会などの美少女から好まれ、興味を持たれた第15話 生徒会書記

「やぁ! 君が例のいじめを受けて勇気を振り絞って警察を呼んだ白中晴斗君かな? 」

 図書室に到着し、ライトノベルの試し読みを試みた晴斗に1人の女子生徒が接触する。

「あなたは…確か生徒会書記の」

 晴斗にはこの女子生徒に目覚えがある。
 
 晴斗の同級生ながら、華の生徒会に所属する橘千里だ。

 ピンクのポニーテイルに水色の瞳。女子の中でも小柄な体型だが、程よい形をした胸は象徴的だ。

「うちの名前をご存知とは。まぁ生徒会だから当然かもしれないけど」

 コホンッと、わざとらしく千里は咳払いする。

「念のための自己紹介。うちの名前は橘千里。生徒会では書記の仕事に従事しているよ。ちなみに、白中晴斗君とうちは同じ学年だよね? 」

「うん。同じ2年生だよ」

「まぁ、生徒会だから白中君の情報は幾分か持ち合わせているんだけどね」

「おそろしいね。生徒会だからこそできる芸当だけど」

「そっ! 」

「それで俺に何の用で? 」

 先ほどから気になってた気持ちを、ようやく晴斗は口にする。わざわざ生徒会の人間が接触する理由がわからない。

 生徒会も暇ではないだろう。

「そうそう! 今日の放課後にいじめについてお話を聞かせてもらえないかな? 場所は生徒会室で」

 思い出したのように、千里は指をスナップする。狙いは理解できない。

「…どんな話をすればいいの? 」

 警戒心を晴斗は抱く。生徒会に目を付けられるような行為をした覚えはない。

「話にくい内容かもしれないけど、いじめの内容だったり加害者の特徴だったりを詳しく教えて欲しいの」

「…それなら」

 嫌な記憶を回顧する羽目になるが、生徒会からの要望だ。断る理由はない。

 愚痴のようにいじめについて吐き出せば、ストレス解消も可能だ。

「ありがとう助かるよ! 学校の治安を安定させるのも生徒会の仕事だからね。君は重要な情報提供者になるはずだよ」

「役に立つなら何よりで」

(生徒会室で話をするか。初めての経験だから緊張するな)
 
 まだ生徒会に足を運んでいない。だが、胸中は落ち着かず、普段よりも晴斗の鼓動は加速する。

 ソワソワも治らない。

「そういうこと。本日の放課後に生徒会室に足を運んで欲しいの。理想の時間としては帰りのホームルームが終了した10分後ぐらいかな」

「承った。時間通りに到着するように善処するよ」

「ならよし。それじゃあまたね」

 ひらひらと手を振りながら、千里は図書室を退出する。小さい背中を晴斗に向けながら。

(それにしても、どうして生徒会書記が図書室に。もしかして俺を待ち伏せていたとか? まさかな。偶然偶然)

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