マガジンのカバー画像

小説「北の街に春風が吹く〜ある町の鉄道存廃の話〜」

33
北海道中央部に位置する小さな町に降りかかる鉄道ローカル線の廃線問題。街の衰退を危惧する役場では鉄道会社との交渉に追われる。そんな中、役場に勤める職員から語られた鉄道再興のアイディ…
運営しているクリエイター

#ローカル

小説「北の街に春風が吹く~ある町の鉄道存廃の話~」第4話-④

第四話 存続協議会 その1    沼太町長の横田はずっと沼太町で働いてきた。三年前に他の…

ともひろ
1年前

小説「北の街に春風が吹く~ある町の鉄道存廃の話~」第5話-②

・第五話 存続協議会 その二 「大西さん、あなたは前回の会議で協議会から抜けたはずじゃな…

ともひろ
1年前
2

小説「北の街に春風が吹く~ある町の鉄道存廃の話~」第5話-③

・第五話 存続協議会 その二 「私からも参加を認めていただくようにお願いしたい」  横田…

ともひろ
1年前
2

小説「北の街に春風が吹く~ある町の鉄道存廃の話~」第5話-④

・第五話 存続協議会 その二                  *  横田の小さな声が聞…

ともひろ
1年前
1

小説「北の街に春風が吹く~ある町の鉄道存廃の話~」第6話-①

・第六話 存続協議会 その三 足毛の町が近づいている。僕らはこの海岸付近にある稲荷神社に…

ともひろ
1年前
1

小説「北の街に春風が吹く~ある町の鉄道存廃の話~」第6話-④

・第六話 存続協議会 その三  この発言で雄二の真意に気付いた各自治体の首長の表情が変わ…

ともひろ
1年前
2

小説「北の街に春風が吹く~ある町の鉄道存廃の話~」第6話-⑤

・第六話 存続協議会 その三 今日の会議にこちらから提案を行うことで、今後の話し合いに一石を投じることが出来ればと思っていた。 「こんなこと、勝手に考えて……出来るわけないじゃないか」 鉄道会社の本音とも思える声が会場で聞こえる。鉄道会社の堅い扉は容易には開かれない。さすがに自治体側からも本音と思われる声が上がり始める。 「私たちだって、無策のままの鉄道に資金援助を呑むわけにはいかない」 沿線の自治体、鉄道会社の出席者の誰もが感情的になり、相手に対して罵声があがる。