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「深淵なるエロの世界」

映画『春画先生』をネットフリックスにて鑑賞。春画の魅力に取りつかれ、春画に人生を捧げた春画先生と彼を取り巻く女性たちとの人間模様を描いたヒューマンコメディ。

春画先生こと芳賀一郎(内野聖陽)は愛する妻に先立たれ孤独な性格を送りながらも春画の研究に人生のすべてを捧げ、講義と論文の執筆で生計を立てている。若くして離婚した弓子(北香那)もまた春画の魅力に取りつかれ、芳賀に惹かれていく。微妙な距離感を保つ2人だったが、芳賀がかつて体を重ねた一葉(安達祐実)の出現により物語は思わぬ方向へと加速していく……。

前半と後半で雰囲気がガラリと変わる映画。ちょっと変わった先生とうら若き美女のほのぼのコメディかと思いきや、中盤あたりからにわかに雲行きがあやしくなり、人間の欲望と感情をむき出しにしたドラマへと発展していく。

何よりも、北香那が圧巻である。春画にいちいち目をぱちくりさせるピュアな女性に見せつつも、中盤以降は先生の肉欲にこたえるべく、みずからの体と欲望をこれでもかとさらけ出す。

もちろん、物語を支える内野聖陽、安達祐実も素晴らしい。柄本佑の怪演も光っている。

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