「映画は誰のもの?」
劇場版「映画大好きポンポさん!」をネットフリックスで鑑賞。クリエイティブ集団「人間プラモ」による漫画作品を豪華声優によって映画化。2023年2月4日(土)にはNHKEテレで地上波初放送された。
経験が浅く、自信もない若き新人映画監督を映画界の申し子・天才ポンポさんがシビアながらも熱意を持って導いていく……これだけだとよくあるお仕事マンガのようだが、舞台がハリウッド(ニャリウッドということになっている)で、登場人物が皆洋風の名前ということでどこか違った雰囲気がある。
映画を見つめるポンポさんの眼差しは、どこまでも厳しい。
「90分以上の映画は説明過多の駄作」
「2時間以上の視聴を観客に求めるのは拷問」
徹底した「合理的エンタメ主義」のポンポさんにかかれば、映画史に残る名作「ニュー・シネマ・パラダイス」でさえも冗長な駄作となってしまう。
名作をこよなく愛する映画ファンたちは烈火のごとく激怒するかもしれないが、観客の心理にとことんまで寄り添い、映画を取り巻く環境を隅々まで熟知したポンポさんだからこそ、その辛辣な発言には説得力がある。
この映画自体がちょうど90分で終わるというのもまた、皮肉とシャレが効いている。
ぜひとも次回作に期待したい。
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