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「『古畑任三郎』再放送に思うこと」

ここのところ、毎日「古畑漬け」である。

『古畑任三郎』初回放送からちょうど30年ということで、ファーストシーズンから2006年の『古畑任三郎ファイナルSP』まで地上波で一挙放送される。私のような自他ともに認める「古畑フリーク」にとってはまさに、待ちに待ったスペシャル企画である。

しかし……古畑の再放送を見る度に、ほんの少しだけ心がざわつくのだ。

『古畑任三郎』が地上波で再放送される場合、オリジナルのパッケージのままで100%流されることはまずない。本放送との時間枠との違いやCMの長さなど、要するに尺の都合によっていくつかのシーンがしれっとカットされているのだ。

セカンドシーズン第1話「しゃべりすぎた男」(犯人:明石家さんま)の冒頭で白井晃扮する芳賀刑事が古畑の登場テーマとともに疾走するシーンは再放送では見られないし、サードシーズン第1話「若旦那の犯罪」(犯人:市川染五郎)の序盤、深夜のコインランドリーで古畑と西園寺刑事が推理ゲームを繰り広げるシーンもたいていカットされている。

このように、シーンの再編集はレギュラーシーズンよりもスペシャル回のほうが顕著である。まあ、本筋には関係しないからこそカットされているのだが、無関係だからといっていらないシーンではない。そもそも、CMをのぞいても90分近くあるスペシャル回を50分足らずの再放送枠で流そうとすること自体、無理があるのではないか。

「そんなに文句を言うならサブスクで見ればいいじゃないか」

その通り。至極まっとうな正論である。ただ、さすがに「古畑」だけのためにわざわざFODに入るのは気が引けるというのもまた、偽らざる本音なのだ。

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