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里帰り中の授乳

生後3ヶ月の息子がいる。
たまたま私は母乳が良く出るので完母で育てている。
ミルクを与えることでも良かったのだが、哺乳瓶にまつわる洗浄や消毒、ミルクの温度調整に気が遠のくようなめんどくささを覚えて、結果母乳一本となった。

母乳は赤ちゃんが欲しがるタイミングでぺろっと出して吸わせることができる。詰まったりおっぱいトラブルもあってそれはそれで色々あるものの、あぁ、なんて楽なんだと思う。

第一子の娘は里帰りで出産した。
初めての赤ちゃん、満腹にさせる十分な量が出るようになるまで、3ヶ月くらいかかった。おっぱいが出るようになるには、とにかく出ようが出まいが赤ちゃんに吸ってもらうしかない!吸わせて出るようになる!ということで、頻回授乳ヨロシク、娘が泣くたびにおっぱいをあげていた。

寝不足で意識が朦朧とした中、父の前でおっぱいをぺろっと出して授乳していた。私はもちろん父もまるで気にかける様子はなかったが、それはそれで良かったのだろうか、と今になって思う。
父はリビングの一角に作られた授乳ステーションにいる私に近付き、娘がおっぱいを飲んでいる様子をしげしげと見ていた。
あの時は慣れない授乳に悪戦苦闘しながらも、お腹を空かせて泣いているわが子にいち早く授乳することに必死で、「父におっぱいを晒して恥ずかしい」なんて気持ち、沸き起こりすらしなかったなぁ。

産後のおっぱいは性的でエロチックな意味合いを失い、ただただ赤ちゃんの腹を満たすことを使命として存在していた。
息子は今日も黒ずんだ巨大な乳首を咥え、必死で飲んでいる。

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