フレディ・マーキュリー流、ファン対応
突然ですが、みなさんはプライベートでいる"推し"にバッタリ会ったら、どうしますか?
例えば"推し"が、食事をしているすぐ近くのテーブルに座ったら。
そんな時、あなたならどうしますか?
テーブルへ行き、「ファンなんです!サインください!」と突撃する。
スマホで隠し撮りする。(あかんやつ)
気にはなるけれど、ぐっと我慢して見守る。
みなさんのモラルと理性によって、対応は様々かと思います。
私はプライベートで"推し"に会ったことはなく、芸能人に会ったのは数回で、その時には思わず「あっ!」とご本人に言ってしまいました。
ニッコリとしてくれた好印象の芸能人もいれば、あからさまに嫌そうにされた方もいました。プライベートですもんね。すみません、とその時は反省。
プライベートでは気付かぬふりをするのが正解なんだと思います。
◼️日本でのフレディとファン
では、フレディ・マーキュリーはどうだったのでしょうか?ファン対応はどんな風だったのでしょう。
フレディは、日本ではプライベートでもボディガードの伊丹さんがいつも側を離れず、ファンとも適度な距離を保っていたようです。
私は当時を知らないので、書籍の情報ですが、ファンは伊丹さんに逐一フレディの様子を確認していたようです。
「今は話しかけないで」「今ならプレゼントを受け取ってくれるよ」という具合に。
フレディは概ね日本のファンの礼儀のよさには安心していたようです。ぞろぞろフレディの周辺をついて回るファンはいたものの、強引にサインや握手をねだるようなファンはいなかったようです。伊丹さんのおかげもあるのでしょうし、本来の日本人の気質もあるのかな。
ブライアンは、日本のファンはとても恥ずかしがり屋だね、と語っていました。(初期の頃、ブライアンはファンにもみくちゃにされて、髪の毛を引っ張られて辟易としたというエピソードは有名ですが、都合良く忘れてくれているのか…)
そして、ブライアンは日本のファンがいつもプレゼントを用意していることに驚いていたようです。ヨーロッパではファンがプレゼントを用意する文化ってそこまでないのでしょうか?
◼️イギリスでのフレディとファン
さて、フレディはイギリスでプライベートを過ごす時には、なるべく目立たないように、ファンにも気付かれないように振る舞っていました。プライベートで注目を浴びることを嫌い、外出先でトイレに行く時でさえ、いつも誰か見張りをつけていたくらいです。突然ファンに襲撃されることを恐れていたのでしょう。
ステージのフレディ・マーキュリーと、プライベートは分けていたのでしょうね。とはいえ、写真やサインにはわりと快く応じていたようです。
ただし、礼儀をわきまえているファンに対しては。
フレディのファン対応に、フレディらしさが溢れるこんなエピソードがあります。
ある日、数名の友人達とレストランで食事をしていた時のことです。
熱狂的なファンがサインを求めてテーブルまでやってきて、食事をしているフレディの顔にサインを書くようにと紙を押し付けてきたそうです。
するとフレディはさすがにカチンときたのか、ファンを追い返し、食事を続けたそうです。
そりゃ、プライベートですもん。フレディご立腹ですよね。
ファンはどう思ったのでしょうね。
ヤバ…。フレディ怒らせちゃった。
と、落ち込んだことでしょう。私ならすぐにお店を出てひたすら反省するかも。
きっとしょんぼりと食事をしていたであろう、ファンの元に、食事を終えたフレディがやってきます。そこでフレディは、礼儀作法について短いレクチャーをし、一人一人にサインを書いて渡したのだそうです。
短いレクチャーとは、要するに説教だったのでしょうが。ファンに説教するフレディに笑えますが、ファンのことを放っておけなかったのでしょうね。こんなところにもフレディの生真面目さと優しさが滲み出ている気がしますよね。
もしかすると、追い返した後ろめたさがあったのかもしれませんが。
ともあれ、きっちりとサインを書いて渡してあげるところが粋じゃないですか?
きっと、このファン達は二度とプライベートでいる有名人に不躾な行動を取ることはなかったでしょうね。
いずれにしても、"推し"が不快に思う行動は、ファンとしては避けたいところですよね。