「ジェネレーションギャップ」について
この日のラジオのテーマが、「ジェネレーションギャップ」でした。
40代半ば過ぎの私にとって、このジェネレーションギャップについては、上の世代にも下の世代にも感じることです。
ここのところ特に上の世代に対してジェネレーションギャップを感じることがあり、ラジオを聴きながら最近の出来事を回想していました。
先日の婦人科検診の待合室でのことです。私は年に一度いつも同じ女医さんに検診を受けていて、この日も予約をしていました。
待合室に並べられた長椅子に座って順番を待っていると、シルバー世代のご婦人が来院されて、「予約なしで来たのだけれど診てもらえますか?」と受け付けの人に尋ねていました。「1時間以上お待ちいただくことになりますが、よろしいですか?」という受付の方の回答に、待ちます、と言って私の隣の席に座られたのです。
ご婦人の左には私、右にはご婦人と同じ世代のこれまたご婦人が座られていました。この日はとても混んでいて、席はいっぱいでした。
すると、このご婦人、腰を下ろすや否や「今日は混んでますねぇ」と右隣のご婦人に話しかけられたのです。
ここまではたまに見る光景ですが、私たち世代では隣に座った人に話しかけることも話しかけられたことも経験ないなぁ、と問診票を書きながら思っていました。
すぐ隣で話されているので、自ずと内容が聞こえてきます。お二人の話は、どこから来たのかから始まり、通院歴や家族構成にまで及び、ついにはお孫さんの写真をスマホで見せ合い始めたのです。
初めて会った見ず知らずの人に、孫の写真を見せて「まぁ、可愛い」と褒め合っている姿に驚きました。
私には絶対にないことである。
これは彼女達がたまたまオープンなお二人だったのかしら?と思いましたが。
そういえば、シルバー世代の私の母もそうだ、と思い出しました。
去年の家族旅行でのことです。立ち寄った道の駅で、次の観光地の行き方をスマホで検索していると、いつの間にか母は地元の人を捕まえて行き方を尋ね、一番安い駐車場の場所まで聞き出していました。
また、宿泊先の旅館で、ひと足先に温泉から上がった母が誰かと話し込んでいるので、知り合いにでも出会ったかと思い挨拶をすると、ついさっき会ったばかりの人だという。
お土産店で試食をしているシルバー世代の他人と、どれが一番美味しかったか、と盛り上がり、立ち寄った港で魚釣りをしている男性に、どんな魚が釣れているのかと尋ね…。
先ほどの待合室でのご婦人達といい、母といい、これは彼女達が社交的だからなのか?と思いましたが、母達だけではなさそうな、こんな出来事も思い出しました。
別の日に行った、地元から遠く離れた旅行先での出来事です。
温泉に浸かりながら母と二人で話していました。母は私と二人になるとたまにお国言葉が出ます。
すると近くにいたシルバー世代の方が「◯◯町から来られたのですか?」と声をかけてこられたのです。「懐かしいお国言葉が聞こえてきたので、思わず話しかけてしまいました」と仰り、しばらく故郷の話に花が咲いたのでした。
母の話すお国言葉を聞いて、全く面識もない同郷の方が話しかけてこられたのだ。
私なら絶対にないことである。
母世代は見ず知らずの他人に話しかけるのに、ハードルが低い世代なのか?と、しみじみと考えてしまいました。
もしや私が非社交的すぎるのか?と、友人達にこの件を話してみると、みんな口を揃えて「親世代あるあるね!」と言っていました。
ただ、これは今のシルバー世代だからそうなのか、私達もその世代になるといずれそうなるのか…そこのところはわかりません。
どちらにしてもシルバー世代の、他人に接する身軽さは時に羨ましく思えたりもします。
という、ジェネレーションギャップがテーマのラジオの日に少し考えていたことでした。