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エルトン・ジョンの「I'm Still Standing」とフレディ・マーキュリー

先日のU2の記事で映画「SING」について触れた際に、せっかくだから映画を観てみようとNetflixで観てみると、エルトン・ジョンのこちらの名曲がラストの一番良い場面で流れていました。

◆「I'm Still Standing (アイム・スティル・スタンディング)」Elton John

(ジョニーがラストで歌うシーンです。
「SING」公式サイトよりお借りしました)


この曲が流れた時、フレディファンの私は「おおっ!」と思いました。

この曲にまつわるエピソードで、エルトン・ジョンとフレディ・マーキュリーの仲の良さが伺える、ちょっとマニアックなお話があるのです。


◾️フレディ・マーキュリーとエルトン・ジョンの共通点


フレディ・マーキュリーには多くの有名人の友人がいましたが、中でも特に仲が良かったのがエルトン・ジョンでした。

きっかけは、エルトン・ジョンとQUEENのマネージャーが同一人物であったことです。二人はすぐに意気投合し、エルトン・ジョンはフレディが亡くなる直前まで彼に寄り添うほどの大親友となりました。

ある書籍には二人には多くの共通点があったと書かれています。(レスリー・アン・ジョーンズ著「フレディ・マーキュリー孤独な道化」)

どちらも少年時代は母親にベッタリだった。どちらも引っ込み思案の繊細な子供で、幼い頃からピアノのレッスンを受けており、どちらも改名している。また、どちらも自分の容姿に悩まされ、醜いと思っていた自分の容姿を隠そうとして、人目を引く大胆なスタイルを確立した。そして、どちらもセクシャルマイノリティであった。


こんなに共通点が多いのだから、二人は自然と惹かれ合ったのでしょうか。フレディはあらゆるインタビューで「エルトン・ジョンは可愛くて大好きな人!」と語っており、心から彼を慕っていた様子が伺えます。余程気が合ったのでしょうね。
(一応補足として、二人は恋人関係になったことはないです)


◾️エルトン・ジョンが「フレディ」に捧げた曲

ところで、フレディ・マーキュリーが足にギブスをしていた時期があるのをご存知でしょうか。

「ザ・ワークス」のアルバム作成のために、ドイツのミュンヘンに滞在していた時、友人達とどんちゃん騒ぎをして転倒した際に膝を痛めてしまい、骨折はなかったものの、医師の判断でギブスの装着を余儀なくされたのです。

そんなギブスのフレディが、同じくミュンヘンで公演をしていたエルトン・ジョンのコンサートに顔を出した時のことです。

体の自由が制限され、舞台袖に座ってステージを観ていたフレディを、エルトン・ジョンはステージに何度も引っ張り出そうとします。しかしギブス姿のフレディは、頑なにステージに出ようとはしませんでした。

そんなフレディを見て、エルトン・ジョンが歌ったのがこの曲なのです。


◆「I'm Still Standing 」Elton John


エルトン・ジョンは、ギブス姿のフレディを見ながら意地悪な笑みを浮かべてこの曲を紹介したそうです。

「I'm Still Standing=僕はまだ立っている」



立ち上がるのが困難なフレディへ向けてエルトン・ジョンの皮肉の効いた曲紹介ですね。

ここでしんみりと「YOUR SONG」なんかを歌わないところがお茶目なエルトン・ジョンらしいですよね。

舞台裏で二人にだけ通じるメッセージを送って歌い出したエルトン・ジョンなのです。(「可哀想なメリナ(フレディのニックネーム)にこの曲を捧げます」と言って歌い出した、とどこかの書籍には書いてありました)


エルトン・ジョンのステージにもしもフレディ・マーキュリーが現れたら、ファンは喜んだだろうな。

この曲を舞台の袖から聴いていたフレディは、歌い終わったエルトン・ジョンにどんな皮肉を言ったのだろう、などと考えていました。

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