フレディ・マーキュリーがカミングアウトした曲?
フレディ・マーキュリーが作った曲の中には、いわゆる「ゲイソング(表現が不快でしたらごめんなさい)」と言われるものがいくつかあります。しかしそのほとんどが「匂わせゲイソング」です。
恐らく男性向けに歌っているな、とか、この曲はフレディがカミングアウトしている曲だろうな、とか、歌詞をよくよく見てみるとそのように受け取れる曲ということです。
もちろん、フレディの事情を知っているからこその深読みであり、フレディが完全な異性愛者であれば誰もそんな風に感じない曲が大半です。
そんな中で、こんなにハッキリとわかる「ゲイソング」を発表しちゃっていいの?と驚く曲があるのです。
この曲を初めて聴いた時、とてもポップで可愛らしい曲なので、このメロディにこの歌詞?と驚きました。
この曲が収録されたアルバムがリリースされたのは、1976年です。この頃といえば女性の恋人、メアリー・オースティンに自分はゲイであるとカミングアウトした時期です。
私はリアルタイムのフレディを知らないので、世間的にはどうだったのかわかりません。フレディは亡くなるまで自分がゲイであることは公表していませんでしたが、周りの人達は周知のことでしたし、特にひた隠しにしていたようにも思えません。
きっと暗黙の了解で知られていたことだと思いますし、フレディもそれをよしとしていた節もあります。
この曲が発表された数年後のコンサートでは、堂々と男性の恋人同伴でいるのをファンは承知のようでしたし、冗談混じりで「僕は水仙のように派手(gayゲイ)だよ」とわざとこんな発言をしたりもしていたし、隠すというよりは世間の反応を面白がっていたようにも思えます。
とはいえ、自らこんなに堂々と告白しちゃっていいの?なんて余計な心配をしてしまうのがこの曲です。
◆ Good Old Fashioned Lover Boy (懐かしのラバーボーイ)QUEEN
タイトルからして、「Lover Boy 」です。
ラバーボーイとは、「色男」という意味で使われるそうで、歌詞にはこんなフレーズが何度も出てきます。
このフレーズの前後の歌詞は、
「明かりを消したら 悲しい曲をたくさん歌ってあげるよ」
「二人きりでタンゴを踊ろう」
という、甘い歌詞です。
そして、
「色男さん、今夜はどうするの?」
です。
こんなに堂々と男性に呼びかけて。遂にフレディはカミングアウトしたのか!
と、当時のファンは驚いたことでしょう。
まだまだ今よりもセクシャルマイノリティに偏見のあった時代です。
そんな背景の中で、あえてこの曲を発表し、遂にフレディがカミングアウトした!と思いきや。
という歌詞で締められるのでした。
この「色男」は自分のことだったのだ。
「色男さん、今夜はどうするの?」
とは、自分のことだったというオチ。
なんだ、そんなことか。ですよね。
この曲を「ゲイソング」だと受け取る人は多いですが、実は深い意味はないのかも知れません。
フレディはこの曲について「ボードビル的な曲を作りたかったんだ」とだけ語っています。
ということは、やはりこの曲もファンが深読みした「匂わせゲイソング」なのか。
…と、ここで。こんな歌詞にご注目。
フレディの初体験は、インドの名門男子学校時代であった。お相手は男性。
えっ、この歌詞。
「僕の情熱は…昔ながらの正統派色男の学校で学んだのさ」
なんとも意味深な歌詞ではないですか。
という、ファン心を惑わせる、ドキドキする曲なのであります。
ご興味のある方は聴いてみてくださいね。