見出し画像

SNSの規律と訓練

X(Twitter)を始めてから、今年の12月で4年目を迎える。
慣れない個人事業を始めばかりで、最初の意図はカネのかからない宣伝ツールにするつもりだった。それがいざつぶやこうとしてもネタがまるで思いつけず、最初の一言からとん挫してしまうのだ。

商売の関連で、とは言っても、個人が相手だからうかつに公開できる性質のものではない。政治には一定の関心があるが、これを表に出しちゃうと特定の色がついてしまい、目的が集客なのだからそぐわないだろうと封印する。
じゃあ、なにつぶやくねん。

べつに、「いいね」やフォロアーの数が欲しいわけじゃない。目に止めてくれた人が、「お、ちょっと話だけでも聞いてみるか」の気分になってくれるのが目的だ。それなのに、本業には触れにくいという歯がゆさである。

けっきょく、自分が聴いてきた音楽の変遷へんせんにふれる機会が多くなる。その時々で結構いろんなジャンルにハマっていったし、これならネタも尽きないだろうと思った。いわゆる「文学」系もなくはないが、こっちはやたら重くなりすぎるので、音楽に絞ってつぶやいていく。

気づけば(最初から気づいてはいたが)商売とまったく関係ないX(Twitter)になっていたが、それはそれで楽しめる。
未知の音楽やミュージシャンを数多く教えてもらったし、こんなの聴くやつおらんだろと思いながらつぶやいたデレク・ベイリーのネタに、100近い「いいね」がついておったまっげたこともある。
砂漠をさまよう中、奇跡的に涌く泉でも発見したかのような気分だった。そうか、こんなんでいいんだ。

やっていくうちX(Twitter)の「おすすめ」に、政治的なつぶやきがやたら乗っかってくるようになる。それも左翼系というか、和式リベラリズム色の濃いものが多い。どうやら僕が嗜好しこうする音楽を聴く人たちに、ソッチの考えを支持する人たちが多いという事か。
X(Twitter)によるアルゴリズムが僕の思想もそういう方面だと判断したらしく、どんどん共感し得ないつぶやきを目にすることになる。
ま、確かに30になるまで、自分も極左だったけどね。

僕は(いきなりプライバシーにつっこでくる)DM以外、ブロックもミュートも一切しないから、異なる考えの皆さんのご意見を常日ごろ拝見している。これはこれで、異色ではあってもX(Twitter)の楽しみ方になるだろう。

一例を挙げれば、個人的に共感すること多い政治団体の関連動画を俎上そじょうに、やたらと罵詈雑言ばりぞうごんばかり繰り返す人たちがいる。
(まだ野党にも与党にもなっていない)政党以前の集団になぜここまで執拗に粘着するのか、最初は意味不明だった。
噂によると、否定的なコメントをつぶやくごとに某組織からいくばくかのお金をもらえるシステムがあるらしい。それって、中国の五毛党ごもうとうと一緒じゃないか。
いまは弱小でも、芽が出る前に摘んでしまおうとする強大な権力があるのか。

そうではなくて、なぜか逆恨みや憎しみからおとしめようという連中もいる。
すごいのになると、毎回長時間に及ぶYouTube動画をいちいちチェックして、揚げ足取りとしか思えない質の低いコメントを欠かさない。
「こんな発言、人間性を疑う」とかおっしゃっているアナタの人間性こそ、疑ってしまうのだが。

自分の人生や貴重な時間をこの政治団体を叩くことに費やしているのだから、逆に感心してしまう。負のエネルギーというのもある意味大したもんで、常連さんがしてくれる「いいね」こそが、この人にとっての生きがいなんだろう。最近では本気で、気の毒に思い始めてもいる。

ちなみに僕が日ごろ「いいね」を頂くフォロアーさんに、そんな感情的・煽情せんじょう的な人はいない。
他者の意見が異なるのはむしろ当たり前のことで、1の異論を聞いて全体の100を否定するような方であれば、こちらもお付き合いは願い下げである。

SNSのアルゴリズムは、受け手側の共感や関心の度合いで決まっていくものだが、人間の奥にひそむ心理まで読み取れるものではない。
僕が開くX(Twitter)のつぶやきに、むしろ異論の数の方が多いのが、その何よりの証左だ。

今のフォロアーさんのつぶやきを追うだけでも手一杯なので、フォローが増えることも期待しない。noteもX(Twitter)も、むしろこれまでの方とのご縁を大切にしていきたい。

自分の今の立ち位置や新たな事業に関しては、noteを介して表明していく。僕にとってのnoteは、ちょっと長めの文章が打てるX(Twitter)としての捉え方だ。

そしてnoteも、宣伝効果をねらったものというより、僕のように凡庸ぼんような個人にあっても通じ得る、人としての普遍性を共有したい思いの方が強い。思考をまとめる絶好のトレーニングの場でもある。

これまでなら3日と持たなかった日記を、読んでいただける方の存在を励みに半年近く続けられた。どこまで伸ばせるかわからないが、しばらくは己に課した”Discipline”としてやっていこうと思う。

よろしければ今後とも、お付き合いください。

イラスト hanami🛸|ω・)و


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?