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フリーライターの仕事: 準備こそが最大の武器

異業種の人と出会って
ちょっと話をするようになったりして
「何の仕事してるの?」と聞かれ、
「フリーライター」と答えると、
何してる人???
という反応が返ってきがちです。

たいがい
「えー、かっこいい」
「有名人と会ったことある?」
「なに書いているの?」
などと言ってくれるものですが

その実

「何してるんだろう?」
と思っている感がヒタヒタと伝わってきます。

特に、会社勤めをする友人やママ友からは
やけに時間の融通がきくとことか(深夜や早朝に働いてたのよ)
周りにうるさく言う人がいないこととか(1人会社だからね)
ちょいちょい、遠方に出かけることとか(取材ですよ)
「フリーライターって自由でいいね」
と言われていました。

若い頃は、上記のようなイメージで見られるのって
ちょっぴり腑に落ちないというか
「そんないいもんじゃないよ」と思うことも…

でも最近は、
「そうよ、そうよ。楽しいお仕事だよ」と
思えるようになりました。

そんなフリーライターのお仕事って、
何をしていると思いますか?

・取材をする
・文章を書く

これは当然のことです。

実はこの前にやることが、けっこういろいろあります。
今日はそんなお話をしようと思って
ずいぶん久しぶりにnoteを開きました。

(1)取材対象の決め方

フリーランスでのライター仕事は、
多くの場合、「取材先」というものがあります。

特定の人物だったり、企業だったり、街のお店屋さんだったり
いろいろあります。

例えば、
健康ジャンルの雑誌の仕事の場合

まずは取材テーマの大枠を決定。

今回のテーマは、
「血管を元気にして美肌になる!」だとしたら
取材対象はどんな人がいいかをリサーチします

候補としては
・血管の専門医
・血管を健康にする運動をアドバイスする専門家
・美容系の専門家で血管に特化した研究をしている人
・血管年齢を若返らせて美しくなった有名人
などが考えられそうです。

次に、それぞれどんな取材対象がいそうかを探ります。
著書やインタビュー記事、ネット情報、動画など、
できる限り多くの情報を集めます。

ピックアップした情報をもとに
編集会議を経て
「今回は、この方にお願いしよう!」
と決定します。

こういったリサーチにかける時間
仕事によってさまざまですが、
実はこの行程、とっても大切なんです
雑誌に限らず、
ネット記事や企業広告などでも同様です。

ここで見当違いの取材対象を選んでしまうと
仕上がりも「あれっ、思ったのと違う」
となってしまう可能性大だからです。

(2)取材依頼&さらなるリサーチ

取材対象を決めるためのリサーチが終わったら、
取材を依頼します。

・何について話を聞きたいのか
・撮影はあるのか
・費用はいくらを予定しているのか
・取材期間はいつ頃を希望しているのか

などを書き込んだ企画書を作成し、
取材対象者に送ります。
そうして取材OKをもらえたら、
今度は取材本番までに、
さらに追加のリサーチを行います

著作をもつ人であれば、
代表的な作品や最近の作品は
目を通していくのが基本です。

そして、取材時に聞きたい質問事項をまとめます。
質問事項は多めに用意しますが、
優先順位をつけておくことが必須です。

自分の中での優先順位がまとまっていないと、
後になって「これ聞き忘れた!」ということもあるので
ここはしっかりやっておきたいところですね。

(3)取材は、相手の話を「聞く」

いよいよ取材当日。

名詞と筆記用具、録音機器を持って、
取材現場へと向かいます(最近は、オンライン取材も多いですが)。

取材の際に気をつけていることは
「相手の話をしっかり聞く」
それだけです。

具体的には
・相槌をしっかり打つ
・相手のテンポを崩さない
・知ったかぶりをしない
・安易に「分かります」と言わない
・疑問が生まれたらその場で聞く
・インタビューは生もの。思った答えが返ってこなくても顔色を変えない。

といったあたりは、気を付けています。

また、「挨拶はにっこり、元気よく!」
というのも、基本中の基本ですが、
忘れないよう心がけています。

(4)頭の中の整理をする

取材が終わったら、
原稿を書く前に整理をします。

取材前に思っていたことと
実際に話を聞いてみたら
違っていたなんてことも多々ありますので。

私の場合は
・ざっくりと箇条書きをする
・白い紙に、誌面を想定して内容を書き起こす
 (これは写真とかイラストも入る記事の場合)
のどちらかのパターンが多いかなと思います。

特に落としたくない内容は、
どこに入れたら効果的かを考えながら
整理していきます

この段階で迷いが多いと
正直、原稿が書き上がるまでにかなり労力が必要です。
だから、原稿を書き始める前に
しっかり順番を整理しておくことが欠かせません。

(5)原稿を書く

ここまで来たら、
あとは原稿を書くだけです。

もう、仕事の大半は終わったも同然(書いてないけどね)。

というぐらい、ライターって、
実は準備の方が多いものです。

もちろん、人によって仕事の仕方はさまざまなので
そうではない人もいると思いますが
少なくとも私の中では

準備が8割

と思っています。

納得する準備ができたら、
たいがいの取材はうまくいくものです。
逆を言えば、
準備不足は厳しい結果になることも。

(6)なぜ準備が大事かというと

もっともっと若い頃は、
とにかく物量をこなすため
準備不足になることも多々ありました。

取材現場で、不勉強なことを聞いてしまったことも
1度や2度ではありません。

取材相手も人間なので、
きっと不愉快に感じたことでしょう。
(みなさん大人なので、顔には出しませんが)

そして、
そんな自分に嫌気がさすこともありました。

あらゆるジャンルの専門家や
何かの作品に魂を捧げているクリエイターや職人さん
おいしい料理を作ってくれるシェフ
などなど

その道を極めている人に時間を割いてもらうって
仕事とはいえ、
なんて贅沢なことだろうと思います。

取材は、相手の貴重な時間をもらうもの。
だから、できる準備はしっかりやっておく。

でもこれって、
どんな仕事も一緒かもしれませんね。

 
 


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