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誰もが自分らしく輝ける世界へ

今回は、やってみゅーでスク学生自主企画「らしくじら」代表のりんりんさんと副代表のあかりさんにインタビューしました!
らしくじらは2022年夏に発足した「私らしくあなたらしく”らしさ”が輝くつながりづくり」がコンセプトの学生団体です。初めての活動は、水辺の森公園でのお花の配布で、現在では、毎月第3土曜日にチトセピア近くのインマヌエル長崎キリスト教会でくじら食堂(子ども食堂&地域食堂)を開催しています。


活動をはじめたきっかけ

-活動を始めたきっかけを教えてください。

りんりん: 私の原体験はコロナです。大学の授業はオンラインで、一人暮らしだったので、素の自分でいられる人間関係を作るのが難しく、身体は健康なのに、生きていて楽しいと思えることが少ない状況でした。

そんな時、講義で健康の定義の1つに「社会的健康」があることを知って「今の私は社会的に健康と言えないんだ!」と思ったんです。

【補足】
1947年に採択されたWHO憲章では、前文において「健康」を次のように定義しています。

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」

引用元:https://japan-who.or.jp/about/who-what/identification-health/

「心と身体」の健康については、イメージが付きやすい人も多いと思いますが、人間関係がうまくいくこと・他人から認められること・孤独を感じていないことなど、人と人のつながりの社会的健康はあまり意識されていないように思います。

コロナ禍で、他者との対面接触が減少し、自分の中でも世の中でも社会的健康が低下しているのだと感じました。

りんりんさんとあかりさんは二人とも長崎大学の4年生です。
今は看護師国家試験に向けて猛勉強中です!

私も大学一年生の時にコロナ禍が被ってしまったので、りんりんさんの気持ちがよく分かります。

そんな中で、「社会的処方」(著:西智弘)という本に出合いました。本の中では不眠症の人が病院にやってきた時に、先生は睡眠薬を渡すのではなくて社会的な繋がりを紹介します。治療例として、花壇作りが好きな人に、地域の花壇作りサークルを紹介したことで、日中の活動量が増え、眠れるようになった例がありました。このように、人と人との繋がりを作る人を「リンクワーカー」と言うそうです。この本との出会いで、生きていくうえで「人と人との繋がり」が重要なことに改めて気づかされました。

本の中の患者さんは精神科に行き、リンクワーカーと出会うことで同じ趣味の人と繋がり、自分らしくいられる居場所を見つけましたが、私の中では精神科に行くのはすごくハードルが高くて…。

確かに病院は敷居が高いですよね

そんな時に、『コミュニティナース』を提唱・普及している島根県雲南市に本社を置くCNC(旧社名Community Nurse Company)との出会いがありました。ナースと聞くと看護師を思い浮かべると思いますが、「コミュニティナース」は職業や資格を表すものではなく「人とつながり、まちを元気にする」役割を担う人のことを言うのだそうです。

CNCの方は、雲南市に興味を持った私たちと、歴史ある夏祭りの担い手不足という課題を抱えたお祭りの関係者の方とを繋げてくださり、私たちも夏祭りに参加することになりました。その経験から、「人と人を繋げる」というのは、医師のような特別な資格がない、大学生の自分にもできるかもしれないと考えるようになったんです。

ちょうど、人と人とを繋げて居場所づくりをされているariという東北の学生団体の代表者の方とお話をする機会があり、自分が東北にいたら絶対に団体に入っていたのに!長崎にもあればいいのに!と思って「じゃあ長崎で作ろう!」と自分で立ち上げてしまいました(笑)

大学生でも人と人との繋がりをつくることはできるし、実際にそのような活動をされている学生団体の代表の方とお話をされて、”長崎でそのような団体をつくろう!”と触発されたんですね

あかりさんがらしくじらの活動に参加したきっかけはなんですか?

りんりん:専攻が同じあかりに話したら、「興味ある」って言ってくれて!

あかり:もともと離島医療や地域医療で患者さんと近くで関わりたい、一人一人を大切にしたいという想いから長崎大学への進学を決めました。りんりんの「人と人との繋がり」が重要という考え方は私の目指す、離島医療や地域医療にも通じることで、参加することにしました。

具体的な活動内容

らしくじらの結成当初、水辺の森公園でお花を配るイベントを開催されたと伺っていますなぜお花だったのでしょう?

らしくじらの初めての活動は水辺の森公園でのお花の配布でした

りんりん: 人と人との繋がりを作る手段の一つとしてお花を渡すことがあると考えています。自分の大切な人に気持ちを伝えるとき、普段は照れくさくてなかなか口に出して伝えられない感謝を「お花を渡す」ことで伝えられたら素敵だなと思って提案しました。
もし、私がコロナの時にお花をもらっていたら、私は友達に渡しに行ったんじゃないかな。

くじら食堂を始めたきっかけは何ですか?

くじら食堂では、小・中学生は無料、高校生以上は200円でカレーが提供されています

りんりん: 活動を始めたことで「人と人との繋がり」を作る「場所」があったらいいのにという想いが強くなりました。その時、メンバーの1人が、「地域に開けた場所を作りたい」という想いを持った住吉町の教会の方を紹介してくれて、一緒にくじら食堂を始めることになりました。

お花を配る活動やくじら食堂も、人と人とを繋げて、自分らしくいられる関係性や居場所をつくっていくことが本質的な目標だったんですね。

活動の振り返りとこれから

11月18日のくじら食堂で第10回を迎えられたということで、今までの活動を振り返って気づいたことはありますか?

卒業後、あかりさんは、らしくじらの活動に関わりながら、健康増進に関わる活動をされている方々と、訪れた人が気づいたら元気になれるような空間づくりをしたいとおっしゃっていました。

あかり:初めは人数も少なかったのですが、回数を重ねるごとに小学生が増え、前回のくじら食堂は小学生のお孫さんに同伴する形でいらっしゃったおばあちゃんも多かった印象です。来てくださる人数も世代も広がっているという実感がすごくあります。

以前、牧師さんがチトセピアの一階で、一人でご飯を食べているご高齢の方をよく見かけるので、そういう方々も一緒に食事がとれたらいいですねというお話をされていました。今は、子どもたちの場所というようにしていますが、今後は誰もが来れる場所になったらいいなと考えています。

実は私、悩んでいることがあっても、人に相談するのが苦手なんです。もしかしたら、自分がそういう場所を欲しているのかなと最近思うことがあります。

りんりん:わかる!

あかり: 精神科に行くのはハードルが高くても、くじら食堂に来ることで、人との繋がりを作り、気軽に悩みを相談することができる関係性や居場所を作ってもらえればと思います。

これからの活動の抱負をお願いします

卒業後、りんりんさんは海外に行く予定です。やってみたいことがたくさんあり、
「自分のこころの喜びを素直に表現して生きたい」とおっしゃっていました。

りんりん:私たちの活動で社会的健康を増進することで、その人がその人らしくいられて、地域で輝いていけるようになってほしいです。日々幸せや楽しさを感じながら生きる人が増えてくれたらいいなと思います。

人と人との繋がりを作るだけではなく、自分らしくいられる関係性を作っていく。そしてそれを地域に拡散していく。それがらしくじらのミッションだと考えています。

お二人の笑顔がとても印象的でした!

編集後記

らしくじらさんは自宅と学校/職場以外の場所で、人との繋がりを持ち、自分らしくいられる場所になるようにとの願いを込めて”第3の居場所(くじら食堂)”をつくり社会的健康にアプローチしていこうとされていることが分かりました。

現在、らしくじらは学部・学年問わず、メンバー大募集中です!
コラボしたい団体さんも募集中です!

【これまでのコラボ例】
やってみゅーでスク学生自主企画農楽部
→野菜の提供

やってみゅーでスク学生自主企画絵本読み聞かせ隊との活動の様子
マジックショーも!

興味のある方は下のメールアドレスから連絡してください↓

長崎大学やってみゅーでスク:
yatemyudesk@ml.nagasaki-u.ac.jp

記事:Nakagawa
取材日:2023.11.28


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