平面四角

週刊少年マガジン原作大賞の応募を機にnoteを始めて見ることにしました。

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最近の記事

熱々のごはんと新鮮な卵で作るアレ

 巷間の皆様はご存知であろうか?  生(なま)チャーハンという料理を。日本人というのは生チョコしかり生クリームしかり生(なま)という頭文字の食べ物が非常に大好きである。さすが魚の刺し身を好んで食する民族と言ったところだが、生チャーハンを食べた事がある人は如何ほどいらっしゃるのだろう。  しかしまあ、簡単にタネ明かししてしまえば生チャーハンというのは単なる卵かけごはんである。ただ一つだけ注意点を申し上げると溶いた卵をかける先のごはんに必ず炊きたての物を使うのが肝要である。  猛

    • 世界の終わりを望む人の毎日が明日も続いていくということ

       ルーティーンなんて言葉、人はどうして毎日の同じ日が明日も続いていく事を信じていられるのだろう。  太陽は沈んだらまた昇るし、月は満ち欠けを繰り返している。冬が終われば春が来るし夏の後には秋が訪れる。電車はぐるぐると行き帰りし駅のホームで人を飲み込んではまた吐き出していく。つり革につかまる人の表情はどれも代わり映えないし、それは通りを歩こうが会社のデスクから周りを見回そうが同じ。わたしが毎朝鏡の前で引くアイラインの乗りはいつもイマイチで、わたしの肩に手を置く上司の鼻からは今日

      • 清冽と淡いのさかい

         ボクの趣味は絵の写真を撮る事だ。  これだけだと分かりにくいからもう少し詳しく話そう。病院や学校、そんな感じの公共施設に飾ってある油絵の風景画か何かをその絵を含めた周りの風景と一緒に1枚の写真に収める。  作者の有名無名はあまり関係無いし、レプリカであってもそんなに気にしない。画風も壁面で夕日に照らされて浮かぶ人物画もあれば、人混みの雑踏の隙間に見える抽象画もある。  ただ欲を言うとやはり風景画が1番好みでこれが荒いタッチの油絵だとすごく特別に感じる。真っ白で長い廊下の奥に

        • 盲目のスラッガー〜あるいはアダム・ダンの最適打順とは何番であるのか〜【少年マガジン原作(企画書)応募作】

          【キャッチコピー】 安心しろ、その努力は必ず誰かが見ている 【あらすじ】  中学時代にその名を全国へと轟かせてた天才ピッチャー我鳴大地(がなりだいち)は仲間の裏切りと右肩の怪我から野球に見切りをつけごく平凡な公立高校、八線高校に入学する。しかし、そこで彼が出会ったのはとてつもないバットスイングをするが自身が目を瞑っていないと全くそのスイングが出来ないというとんでもない問題バッター、3年生で弱小野球部のベンチにも入れていない丸山来音(まるやまらいおん)だった… 【第1話のス

        熱々のごはんと新鮮な卵で作るアレ

          「スタローンになりたいな」あらすじ【週刊少年マガジン原作大賞応募作】

          もしもコミックの中のようなスーパーヒーローたちがいたとして、それらは太平の世でも変わらず存在していく事は可能なのだろうか? 世界中で戦争が行われていた時代、それを終結させたのはまるでコミックのヒーローのような身体能力を持ったAUMと呼ばれる者たちの活躍だった。しかし、戦争が終わり平和な世界が訪れた後では彼ら彼女らに居場所は なかった。 そんなAUMたちが行き着いたのが自分たちの戦闘を見世物にした公営賭博だった。 そんな事が当たり前となった世界で自分が戦う意味を見つめる1人のA

          「スタローンになりたいな」あらすじ【週刊少年マガジン原作大賞応募作】

          「スタローンになりたいな」第3話

          粗末な小屋の中、服を脱がされたカナ・ロールの上に覆いかぶさるおじさんの目はギラついていて呼吸も激しい 薄明かり下、入口のすき間からバッファ・林が覗き見たカナの顔は全くの無表情で感情の色が読めない おじさん「うっ」 おじさんは嘆息すると下ろしていた衣服を上げ彼女の身体から離れる そして入口付近に身を潜めその光景を凝視していたバッファに気がつく おじさん「何だ、お前。見てたのか…」 そしてバッファの下半身に目をやると邪悪に笑った おじさん「バッファ、お前、一丁前に勃た

          「スタローンになりたいな」第3話

          「スタローンになりたいな」第2話

          2年前(と言ってもAUMの成長は人間とは速度が違うので見た目としては第1話から実質10年近く前) カナ「アハハ、バッファのそれ、変なの」 カナ・ロールはバッファ・林の様子を見て屈託なく笑った 粗末な造りの薄暗い小屋、汚れたベッドの上でバッファは四肢をヒモで結ばれ身動きの取れない状態にされていた この頃の彼の見た目はまだ幼い少年と言った所で手足はまだ細く、身長体重も現在と比べて随分と小さい バッファ「カナ、うるさい。それよりもメシをくれ。腹がへった」 無表情なバッファ

          「スタローンになりたいな」第2話

          「スタローンになりたいな」第1話

          観衆がつめかける大会場、歓声とも怒号ともつかない声が響く その中央のリングの上、青年2人がファイティングポーズをとって向かいあっている セイヌ・カマと呼ばれた青年は汗だくで息も上がっておりその目には戸惑いとも恐怖ともつかない感情が浮かぶ 対面のバッファ・林と呼ばれる青年の身体は汗一つかいておらず息にも乱れはないのだが、いたる所に痛々しい青アザが浮かんでいる バッファのガードは明らかにおざなりで、隙を見て踏み込んだセイヌが思い切りバッファの顔面を殴る しかしバッファは

          「スタローンになりたいな」第1話