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歴史の転機1995年の影響が日本を襲う衝撃】阪神・淡路大震災の宗教界への影響「ホーム」と「アウェイ」

1995年の1月には阪神・淡路大震災が起こり、3月にはオウム真理教地下鉄サリン事件が起こった。阪神・淡路大震災では宗教界からの支援が目立たなかったと評された。地下鉄サリン事件では、有能な若者がオウム真理教などに走るのは、日本の宗教界が力を失っているからだと批判されました。


2011年の東日本大震災後にはだいぶ異なる評価がなされた。宗教界の支援活動が高く評価され、存在感を示したと思います。

それ以来、宗教者が地域社会で困難を抱える人々を支える働きを行う例が目立って来た気がします。


これらは特定宗教宗派の教えを説いて人々を導くというのではない。むしろ宗教的なバックボーンに支えられながら、被災者に「寄り添う」という形での支援だった。こうした「寄り添い」型の支援活動は、阪神・淡路大震災以後、若手宗教者が次第に身につけてきたものだと思います。慰霊・追悼においても、災後の心のケアにおいても宗教者の働きが大いに注目されました。


これらは社会の中で、宗教の関与すべき、あるいは関与できる場所が広がってきて、宗教者がそこに新たな働き場所を見いだしている。宗教者は特定の教えを広め、仲間に入った人たちを指導し、集団としての結束を高め、さらに影響力を増していくこれが従来の宗教活動のあり方だ。宗教者の役割は、宗教集団の内側でなされる事柄に集中することが常識とされていた。

ところが、新たに見いだされている活動領域は広い一般社会の中にある。宗教者は宗教集団の外に出て、そこで人々が求めるものに応じるのだ。東北大学で臨床宗教師研修を指導している谷山洋三氏は、これを「ホーム」と「アウェイ」の関係にたとえている。今まで人々を内側に引き込んで「ホーム」で教えを説くのを常としていた宗教者が、外に出てそこで求められているものを察知し学びながら役割を果たしていこうとする社会貢献型の宗教活動が求められる時代になったと 言えます。






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