「星詠師の記憶」を読んで
読書記録「星詠師の記憶」
あらすじ
「星詠師」と呼ばれる人たちは、水晶に未来を予知した映像を映し出す能力を持っている。ある日、星詠師の一人である石神赤司が殺された。そして現場からは、彼が殺された時のものと思われる殺人の一部始終が記録された水晶が見つかった。水晶に写っている犯人は息子の真維那。水晶に映された予知映像という証拠がありながらも、刑事の獅堂は真維那の無実を晴らすべく孤軍奮闘していく。
感想
頭が良い人が書いた小説だな、という印象です。
謎解きシーンでは何度も頭がこんがらがりました。これだけ複雑な事象を小説として崩れることなく演出するのは、頭の回転が凄いと思います。
細かなところも徹底して論理的で、場合分けして可能性を消去していくといったような照明問題の雰囲気を感じました。
犯人当ての観点から見ると、かなり難しいというか、無理だと思います笑。当てずっぽうで言えば当たるかもしれませんが、トリックを全て見破っての犯人当ては諦めた方がいいかと。
むしろ映像化した方が当てやすくなると感じました。映画化してほしいです。
阿津川さんの作品は、予知だったり幽霊だったり非科学的なものが時々出てくる印象ですが、そんなチートなものが出てきても、不思議とミステリとしてアンフェアなことなく成立している感じがします。今回も予知能力を使って犯人を当てるといったことはなく、読者と全く同じただの人間が事件を追っていきます。もっとこの方の作品を読みたいと思いました。
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