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10月、露軍の物流について

10月15日 露軍事専門メディア とある露人の手記(4,260 文字)

兵士は最高のものを手に入れるべきだ 、物流について、など

https://topwar.ru/203149-soldat-dolzhen-poluchat-samoe-luchshee-o-logistike-i-ne-tolko.html

献身的な愛国者たち

昨日、出だしは良くなかったが、とても幸せな気分になる出来事がありました
玄関ホールの手すりに上着を引っ掛けてしまい、ポケットが少し破れてしまったのです
多くの人に起こりうる事故だが、昔どおりの簡単な解決策がある
裁縫工房に行くだけです
そこには何でも修繕できる3人の女性スタッフがいます
普通の小さな個人工房です
でも...ポケットが破れたまま帰ってきました… それでも、幸せな気分でした

彼女たちは私の頼みを断り、1週間半後にまた来るようにと言ったのです
スタッフは全員いて、更に、私の知らないお裁縫さんが他に3人もいたのに、です
彼らは忙しそうでした
私がオーナーと個人的に知り合いであることや、「常連客」であることも、何の役にも立ちませんでした
機械はほとんど止まることなくカチャカチャと音を立てていました
この工房では、動員された人たちのための防寒下着を縫っていたのです
このような零細企業の経営者である女性たちの間で、動員兵に防寒下着を提供することが決まったのです
素材を提供する人、作れる人がいたのです
下着だけでなく、パーカーや目出し帽も縫製されていました
レジャーシートや寝袋など、兵士に必要なものを生産している企業もあります
私の知り合いたちも、このアイデアの実現に関与し、今も続けています
私たちの地域から動員された人たちに、必要なものは全て提供されます
しかし、戦争は非常に浪費家です
兵士たちが今持っているものの多くは、最初の戦いの後、ただ無くなり、破壊され、燃え尽き、引き裂かれるでしょう...... それで?
女性たちが縫製し、ボランティアが必要なものを買い、一般人が小銭を援助する
それら全てが前線に届くのは、いつになるのでしょうか?

全然変な質問じゃないですよ
大祖国戦争の映像が頭に浮かびます 「すべては戦線のために、すべては勝利のために!」というスローガンを掲げた工場の作業場 機織機や作業場で働く女性や老人、子供たち.....
戦車や銃、弾薬をプラットフォームに積み込んで前線に送り出す汽車......
なぜ、軍への補給は難しい問題なのでしょうか?

最近の、カルタポロフ国防委員長とピスカレフ汚職防止委員長によるクラスノフ検事総長に宛てた軍供給に関する書簡が記憶に新しいです
アンドレイ・グルレフ議員のTelegramの投稿が頭に浮かびます
政治トークショーでのカルタポロフ将軍の演説を思い出します
(参考:https://kommersant.ru/doc/5595484

軍将校たちは問題の解決を求めているのです
我が国でよくあるような「誰かを罰して整理する」のではなく、「解決する」必要があります
解決し、必要なものを軍にすべて提供するのです
もう時間がありません
冬は「もうすぐ」ではなく、「既に冬は来ている」のです
塹壕の中の兵士たちは、すでにそれを、雨を、地表の霜を、そして「朝霜の中の静寂」を肌で感じているのです

ロジスティクスが完璧に組織化されていること

後方支援は軍隊の生命線です
前線での勝利を確かなものにするのは、強力な後方支援です
弾薬や武器、装備品だけではありません
食料、燃料、軍服など、兵士の生活を快適にするもの全てが「軍隊生活の困難」を解消するものなのです
しかし、今日の私たちは何をしているのでしょう?
「万歳!物流担当の副大臣が交代しました 新しい副官がすべてを解決し、これで兵士たちは幸せになる」
ただ単に、新副大臣が「まともな」将官だからそうなるという
そして、古い副大臣はそうではなかったという
ああ、この部外者強制捜査の制度
「(誰かいるなら問題があり、)誰もいなければ問題は無い.. (注:露人にはよく知られているスターリンの言葉とされているもの)」
役人を入れ替えた、それだけなのです

昨日、国境沿いのある地方で、露鉄道に詳しい方と話をしました
露国防省は800台の貨物車両を要求したそうです
しかし、物理的に存在しないというのです
しかも、その台数に対応する機関車がないという!?
この状況は、一部局の、一部地域だけの話ではないと思います
露鉄道は、特別軍事作戦以前から、そして現在も、(露国防省のために)優先的に行っているすべての業務を継続しています
誰が悪いのでしょうか?
新しい副大臣?
また「将軍に泥を塗り(責任を押し付け)」、別の将軍を任命しましょうか?
おそらくほとんどの読者は、軍が本質的に大混乱に陥っていることをよくご存じでしょう

どんな決定でも、何十万人もの人々によって実行されるため、何らかの事情で命令を間違って実行したり、全く実行しなかったりする人が必ずいるからこうなるのです
(注:筆者は体制派の愛国露人なので、「決定」に対して疑問を感じたそぶりは絶対に見せてはならない)

将校たちは即時に遂行しなければならない
彼らは任務に直面し、特に戦時には瞬時に対処する必要があるのです
今、私たちは、全く新しい物流システムを作らなければいけないという課題に直面しています
またしても緊急で、またしても「昨日から必要」だったのです
しかし、きっと、そういう仕組みが作れるはずです

でも、時間がない!?
個人的な経験を思い起こすといいかもしれません
ほとんど誰もにだってある締め切りに遅れている個人的な経験
それを思い浮かべてみてください...
https://ozon.ruhttps://wildberries.ru でネットショッピングしたら、どれくらいの時間で届きますか?
それに、実質的に兵器支援は既製品の物流構造です
そうですね、ネットショッピングの場合、そのボリュームは小さいです
しかし、ネットショップのノウハウを生かすことは必要不可欠です
一番大事なのは人です
その物流のスペシャリストです
このスペシャリストたちを動員し、新しい物流構造を構築することを、どうして止められるのでしょうか?
難しいですか?
私見では、ノーです
では、その物流構造を利用することを妨げるものは何でしょうか?
なぜ米国はウクライナへの物資供給に「民間企業」を平気で使うのでしょうか?
我々はまた「車輪の再発明」をしているのです
露には何社の輸送会社があるのですか?
試しに、A地点からB地点に貨物を移動させる依頼をしてみてください
老舗がいくつもあることに驚かされます
私は、ドンバス共和国軍団戦闘員の支援に従事しているブロガーに寄付することがあります
当然、お金の使い道には目を光らせています
ボランティアたちは領収書の画像公開はしないが、定期的にドンバスへの旅の動画をネットにアップします
車一台に一人、一回の旅で、1小隊、あるいは2小隊の、服、靴、ドローンや金属探知機、装備品、その他暖かい靴下や歯磨き粉などの小物を渡しています
戦士たちの、豹のような顔
画像の中の彼らは戦闘員であって、戦後のボロボロのパルチザン分隊ではありません
兵士たちはカメラに向かって「ありがとう、男性諸君!」と言います
彼らが逃げない男達であることが分かります
彼らは、感謝を伝えた人を最後まで守り抜くのです
この供給方法のどこが悪いのでしょうか?
世界的に通用しない? 規模が小さいですか?
一部のボランティア、一部の部隊、一部の要望、その一部の要望を素早く実現しています
ボランティアのお金には限りがあり、何でも買えるものではありません
必要なものだけです
この特別軍事作戦に必要不可欠なものだけです
時には、カスタムオーダーもあります
「規格外の脚」であったり、スナイパーの特殊な照準器が必要であったり、特定の機能を持ったヘリが必要であったり...
しかし、一般的に、確立された実績のある物流チャネルはすべて、まさに全部利用することが必要なのです
グローバルな努力ではなく、「国家的な解決」を目指すことが必要です
このような規模では、短期間で有能なロジスティクスを作ることは不可能です
ですから、現在機能しているものはすべて、長期にわたる移行期間中も機能させ続けなければなりません
新しいロジスティクスの構築プロセスは同時並行で実行される必要があります

一部動員の中間結果の簡単なまとめ

応援の戦闘部隊が行くのは間違いありません
大体の場合、必要なものはすべて揃っているでしょう
なぜ、大体の場合なのか?
チェチェンで準備されている部隊の装備を見てください
プロモーション映像を見てください
今、ほとんど全ての人がそれを宣伝しています

そして、今、部分動員で戦闘訓練を受けている人たちを見てください
その戦闘員たちの装備を
悲しいものです
戦闘員の装備を充実させる手段はないのでしょうか?
チェチェンにはある、ミュージシャン(ワグナー)たちにもある、しかし、露軍全体にはないのでしょうか?
ある関係者から「装備はお金がかかるし、消耗品だ」と言われたことがあります
つまり、兵士も含めて、戦争ではすべてが消耗品なんです
平和的措置はここでは適用されないということです
勝利のためにマンパワーの損失を含む「支出」が必要なら、軍人は死に物狂いで頑張る
後方は、そのような損失を避けるために、兵士や将校に必要なものをすべて提供しなければいけません

そして、見直された新しいロジスティクスが、その助けとなるに違いありません
軍隊のためにあらゆる供給手段を使うことは悪いことではありません
一匹狼のボランティアや民間輸送会社から、全国的な陸軍補給体制まで
兵士たちは何事も不足してはならないのです
兵士は全て手に入れなければなりません

第一次部分動員の波は、大小さまざまな問題を明らかにしました
これらの問題を解決し、解消していくことが、私たちの今の課題です
物流構造はこれから作るところです
細部、つまりナットとボルトはぴったりと合っているのです
次の動員で特別軍事作戦に参加する人たちが同じ問題に直面しないように、すべてのプロセスをスピードアップする必要があるのです
最後にもうひとつ
戦士たちを助けてくれた女性たちに、心から感謝します きっと露の他の地域でも、同じようなことが起こっているでしょう
(終わり)


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