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大人って嫌な生き物だと思ってた話

太宰治『女生徒』を読んでいて過去の自分を振り返ってみた。


大人になること=俗に染まることだと思ってた。

だから私は大人になりたくなかった。

年をとることは1つ老ける、老いることだと思って悲観していた。

大人って汚い、大人って意地悪。大人っていつも我々を自分たちが扱いやすいように矯正しようと狙っていて自分の思いどおりにいかないときは必ず怒鳴ってくる。

大人になんかなりたくない。

大人になってしまったら、同じ汚れた生き物になってしまう。

そう思ったら怖かった。

でも時間は待ってくれなくて1年が気がついたら去っていて、20歳になってまた歳をとって。


大人になって変わったことって、本当に少し。

行動範囲やできることが増えたくらい。

学生のランクが小学生から中学生、高校から大学とグレードアップするとできることが増えて振り返ってみてみると、自由で広い場所だと思っていた場所は本当に窮屈で小さな箱の中だったとわかる時がある。

学生のときは親の意向や転勤、お金でなかなか好きなように学校を変えたり住まいを変えたりできなかったけど、大人になると環境を変えやすい。

誕生日が嬉しいものではなくなってきた学生時代、歳をとること、大人になることは醜いことだと思い始めた。

それは自ら成長を止めた場合の話かもしれない。

ただ歳をとることが怖かったのだと気づいた。


歳を重ねる人間になりたいと今なら言える。

年齢を重ねて言語化ができるようになるのもまた、大人になったメリットかもしれない。

大人って、人間の先達でしかない。

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