夏至の日から11日目が、元々は半夏(カラスビシャク)の咲くころで、72節気の半夏生である。それまでに田植えを終わらせて、稲が根付くように蛸などを食べて休養する日である。昨日は、大学の友人と4人で昼飲みをしてきたが、帰りに蛸を買ってきて蛸酢にした。蛸については、夏の季語として採用する歳時記もあるようだ。 友と飲み蘊蓄語る日半夏生 半夏生友と病いの話など 唐揚げの蛸の旨き日半夏生
凌霄花が咲き満ちてきている。凌霄花は「霄(そら)を凌ぐ花」の意で、高いところに攀じ登ることによる命名。また、他物に絡むため愛の象徴となっている。ラッパ状の花を咲かせる花姿から、英雄や勝者を祝福する際のファンファーレで吹くトランペットを連想し、「名声」「名誉」「栄光」という花言葉がある。 凌霄花や白雲多き空に映え 貴婦人の上る坂道凌霄花 梅雨空へ花を広げて凌霄花
昨日、志村けんで有名な東村山市にある東京都内唯一の国宝、昌福寺の地蔵堂を見てから北山公園を散策してきた。北山公園では、ザリガニ釣りの子供達が多かったが、ザリガニの返却ポストがあるのに驚いた。今日で、6月も終わる夏越の払いの日であるが、ひとまず息災であることに感謝したい。 夏空へ軒を反らして地蔵堂 読経は涼し葬列は悲し ザリガニや捕っては池に返す子ら 志村けん偲ぶ銅
擬宝珠(ぎぼし)の花が咲き始めた。蕾が、橋や神社の欄干等の装飾用の擬宝珠に似ていることから付いた花の名前である。清楚な感じがお気に入りである。 女子高の門の近くに花擬宝珠 雨に濡れ健気に咲くや花擬宝珠 擬宝珠咲く蕊を覗けば恥じらいぬ たおやかなカーブを描き花擬宝珠 花擬宝珠新橋京橋日本橋
近所でも街を歩いても、葡萄を植えている家が意外と多く、実も大きくなり青々としてきている。先日、松本をあずさ号で往復したが、勝沼付近の葡萄畑は流石に立派である。 禅寺の垣根に沿いて青葡萄 青葡萄雲一つなき青い空 みどり児の肌瑞々し青葡萄 果てしなく車窓に続く青葡萄 一村を一色に染め青葡萄 青葡萄一粒ずつにあ
週末は次男の家族の住む松本を訪れ、配偶者の祖父や親類との夕食会を楽しみ、配偶者の親類が経営する工場見学をして、20年が立つというラベンダーを刈ったりした。翌日は、千曲市の「あんずの里」に連れて行ってもらい、初めて杏刈りをした。常温では2,3日しか持たないというので、今日、杏のジャムを作った。スーパーに行くと、かなり高値で杏が売られていた。 ラベンダー白馬を仰ぐ安曇野に 熊蜂のむさぼる蜜やラベンダー
昨日、深川を散策したときに半夏生が咲いていて、青い葉が殆ど白くなっていた。今日の夏至から11日目が半夏生の候なので、少し早いといえば早いが・・・・。朝方は、お湿り程度の雨かと思っていたが、買い物に行く頃には激しい雨になり、梅雨入りも宣言された。 江戸情緒残る深川半夏生 おめかしも終わる頃かな半夏生 草木にも吾にも恵み半夏雨 信濃への土産買ふ道梅雨入かな
昨日、シニア体操教室からバスで帰ってきたら、反対側のバス停の近くに合歓の花が咲いていた。十年近く住んでいるのに、どうして気づかなかったのか不思議である。 十年も気づかぬ場所に合歓の花 青空を借景にして合歓の花 合歓咲けり花と葉の色相和して 貴妃の持つ扇子の如く合歓の花 寂しさも喜びも知る合歓の花
桔梗の五角形の蕾が膨らんできていたが、先日、飲み会から変えた日に2輪咲いていた。全く手入れをしていないが、毎年、咲いてくれるのは嬉しい限りである。ただ、切り取って供花にすると、寿命が短いように思う。 友と飲み帰る狭庭に咲く桔梗 五角形の蕾膨らむ桔梗かな 手入れせぬ鉢に咲き初む白桔梗 桔梗咲くまず一輪を妻の供花 瓶に生けすぐに萎れる桔梗か
駅へ行く道と、スーパーに買い物に行く道に梔子の花が咲いていて、甘い香りがしているが、ついつい写真を撮り忘れていた。その間に、花が茶色に朽ちるものもでてきた。梔子の花言葉は、「喜びを運ぶ」「優雅」「洗練」「とても幸せです」であるが、今日一日降り続けた雨で、劣化が進んだのでないかと気になっている。渡哲也の「梔子の花」は、よく歌っていた。 帰り道梔子の香に癒されて 梔子や朽ちる姿が口惜しく
暑い日が続いているが、一昨日の土曜日は高校の同窓生との懇親会、昨日の日曜日は句会へと出かけている、句会は、羽田空港での俳句甲子園の東京地区予選を見学してから、カラオケルームを借りての開催となった。 片陰もなき道を抜け昼飲みへ 炎帝や竜の如くに猛る雲 冷房の効いた部屋にて酒旨し 若人の俳句バトルや夏猛る カラオケで開く句会の涼しさよ
街を歩いていると、時々、夏の萩が咲いているのに出会う。秋の萩と違って、控えめに咲いているのが何とも言えない。我が家の鉢植えの萩も、葉が青々としてきているが、手入れもしないので今年もさくかどうか心配である。 紅色も少し寂しき夏の萩 夏萩や何度も転び泣く幼 夏萩や芝生で駄弁る女学生 夏萩や触れて零るる花寂し 明日は、句会で俳句甲子園の東京予選を見学して
昼顔が咲き始めて、かなり日にちが立ち、新しく咲く花数は少なくなってきているが、蔓がよく伸びて葎をはみ出すようになっている。昼顔の花言葉は、絆」「友達のよしみ」「情事」である。 昼顔や九階建てのマンション前 昼顔や藪より高く顔出して 昼顔やほの紅が差す花が好き 昼顔の顔を寄せ合ふ二輪かな 昼顔や強き日差しに褪せもせず
近所の庭に、真っ赤な立葵が咲いていた。あまり近づくのも憚れるので、望遠にて写真を撮った。 遠目にも紅鮮やかに立葵 立葵望遠で撮る人の庭 天頂へ今咲き誇る立葵 楊貴妃の立居にも似て立葵 情熱を絶やすことなき立葵 明日はゴルフに遠出しますので、ブログを休みます。
3月に漱石山房記念館に行ったときに、芭蕉が小さな葉を巻いていた。今回、行ったときには、葉は大きくなっても巻葉のままの葉と、葉を解いた芭蕉があった。そして、芭蕉の花も咲いていた。初夏と晩夏の差はあっても、夏の季語である。 青葉して巻葉を解かぬ芭蕉かな 玉を解き成長をする夏芭蕉 咲く花の下に芭蕉の巻葉かな 漱石館立派に咲きし花芭蕉 園児らのバナナと叫ぶ花芭蕉
先日、早稲田大学の大隅庭園に行ったときに、捩花が咲いていた。別名、文字摺草とも呼ばれている。陸奥国信夫郡等で用いられた、捩れたような紋様のある石に絹をあてがい、その上から忍草の葉や茎を擦りつけて染色する方法がベースになっているらしい。 古今和歌集の「みちのくの 忍ぶもぢずり 誰ゆえに みだれそめにし 我ならなくに」は有名である。 学び舎の芝に色づく文字摺草 捩花や左下がりの友の文 恋