先日、お隣さんより、妻が好きだったカラーの花を頂いた。そして、妻が好きだった口紅紫蘭の花も咲き始めた。少し早めであるが、連休で子供や妻の兄弟たちも来やすい明日、一周忌を計画している(明日、明後日、ブログを休みます)。 妻愛でし海芋頂く一周忌 仏炎苞まばゆく光る花カラー 楽しみは巻葉開く日花海芋 待ちに待つ口紅紫蘭咲く朝(あした) 手入れ
昨日から夏日を超す気温が続いている。新緑が綺麗で、楓の花が早や実になるなど、季語的には初夏の季節に入っている。 大空へ今飛び立つや楓の実 プロペラの形が好きよ楓の実 北欧へ旅したき日や楓の実 空色の空に似合ひの若楓 小径へと枝を伸ばして若楓
今年になって、ハルジオンの花が庭にも咲き始めた。秋に咲く紫苑に似ていることから春紫苑と呼ばれているが、生命力の強い雑草であり貧乏草とも呼ばれている。庭に咲いている花が、ほとんど無くなったので、茶室にハルジオンを生けてみた。 狭庭へも足を延ばして春紫菀 春紫菀ほの紅のさす妹の頬 茶花無き日に一輪の春紫菀 春紫菀良き名に伸びる背筋かな ハル
公園にも小さな野ばら(初夏の季語)が植えられているが、駅に行く道にの3mほどある木に、何輪か野ばらが咲いていた。花言葉は、「上品な美しさ」「純朴な愛」「素朴な愛らしさ」である。 野ばら咲く窓に聞こゆるピアノ曲 野ばらとて品良く咲きし旧家かな 上品な香りただよふ花いばら 野ばら咲くすくすくすくと伸びし枝 園児らの遊ぶ公園野ばら咲く
電車の車窓からリラの花が見える家があるが、先日、一気に咲いているのを見つけて、駅を降りてから近くまで行ってきた。リラの花は晩春の季語であるが、北海道でリラの花が咲き誇る5月下旬から6月上旬にかけて一時、寒くなる「リラ冷え」は、「花冷え」と同じように季語としてはお気に入りである。リラの花をライラックと呼ぶと、少し明るい気持ちになる。 曇天の空がお似合ひリラの花 見る吾に香り届けよリラの花
花びらも香りも上品な木香薔薇を垣根としている家は多いが、近くの公園の棚に、半分ずつ、黄色と白色の木香薔薇を植えていた。そして、花水木の花を植えている家も多い。四弁の花びらが、組んだ指をほどくように咲く時が好きである。 上品な香りただよふ木香薔薇 木香薔薇棚を分け合ふ白と黄と 女子高の柵一面に木香薔薇 青空へ色よく色映ゆる花水木 花水木つ
近所に立派な藤棚を作っている家があるが、木の手入れをしているのか、枝先を殆ど伐ってしまい、何房かな藤が咲いている。普段は通らない道に、モッコウバラを見に行ってみたら、路地の奥の方に藤が咲いていた。 枝ぶりの見栄え良き樹に藤の花 幹太き枝に枝垂るる藤の房 ゆつたりと風を孕んで藤の房 むらさきの似合ふ吾妹子藤の花 そよ風にかすかに揺れる藤の
小手毬を植えている家も多いが、よく通る小径に大きな株がある。咲き始めから見ていると、五弁花が集まった房も最初は小さいが、次第大きくなり、房の数が増えていく姿が面白い。子虫もよく蜜を吸いに来ているのが微笑ましい。 小手毬や初めは小さき花の房 小手毬や咲く花の数増える日々 そよ風に小手毬の枝しなりをり 小手毬や撫づれば柔き妹の肌 小手毬のおど
我が家の白山吹は盛りを終えたが、近所の八重の山吹や里山の山吹は盛りを迎えている。山吹の花は、万葉集でもよく歌われているが、太田道灌が蓑を借りようとしたときに山吹の花を差し出され、「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞかなしき」の故事を知らずに恥じたという話が有名である。 石塀の上に咲き初め山吹黄 咲き初めは房も小さく八重山吹 八重山吹道灌の故事思い出す
一昨日、練馬の清水山の森へ行くときに、道を尋ねたら樹や名の名前を教えて頂きながら案内して頂いた。落ちた銀杏から公孫樹の樹が生え始めているは、初めて見た。山吹草も初めて見たが、ケシ科でバラ科の山吹とは系統が違うが、山吹に花が似ていることから名前がついたようだ。四弁なので、白山吹に近い気もしたが・・・・。そして、二輪草も久しぶりに見ることができた。 里山の公孫樹の樹々に芽吹風 芽吹山銀杏の実より育つ樹々
ふと、かたくりの花が見たくなり、練馬区の清水山の森に出かけてきた。ガイドさんが親切に案内してくれて、雨嵐の日が続き花が傷んだことや気温の上昇で殆ど枯れたとの説明があった。万葉集を編んだ大伴家持が越中守に赴任した時に詠んだ句でかたくりが有名になった。 「もののふの 八十娘子が 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花」 二輪草や山吹草、春蘭、ホウチャクソウ等も咲いて、新緑も美しい公園だった。 かたくりの花に優しくそよぐ風
松の新芽が伸びてきて、先端に松の花を咲かせるようになった。松の新芽は、若緑、松の芯と呼ばれているが、枯れて落ちる松の葉も見られるようになった。 遅延バス待つバス停に松の芯 白内障癒えて眩しき松の芯 やがて咲く花が楽しみ若緑 あどけなきなりに和みぬ松の花 緑立つそばに枯れゆく松の葉も
いろいろな色の躑躅が咲き始めて、日々、花数が増えている。形は躑躅らしくないが、満天星躑躅の花は可愛くて好きである。 つつじ咲く蕊の長さに見る誇り 一花咲き百花咲きゆく躑躅かな なに色に染めてみようか白躑躅 休診の歯科医の庭に咲く満天星 園児らの寄り添ふ如く花満天星 満天星や一度は見たき壺の中
花七日というらしいが、雨風でなくても桜が、右へ左へ傾きながら散り始めた。そして、陽気に誘われるように紋白蝶が、たくさん来るようになった。小学校がある丘では、雲雀がよく鳴いている。 一つとて真直ぐに落ちぬ散り桜 お互いに声を掛け合ひ散る桜 花びらの散ると思えば紋白蝶 行く吾に纏ひつくかに紋白蝶 学び舎にヒバリの声に散る桜
今日は日差しが強く暖かい日となった。睡眠時無呼吸病の診察を受けてから、デパートで靴を3足買ったら、エレベーターホールから富士山がよく見えた。午後、少し散歩をして浅間神社の方に行ったら、初音も聞くことができた。 薄みどり薄べに美しく山笑う 美しき:はしく 山笑う若かりし日を思い出し 地震多きことが心配山笑う 地震:なゐ 富士を見て初音聴く日や山笑う
桜が咲き始めてから、天気が良かったのは一昨日だけで、曇りか雨が降る日が殆どであった。昨日の夜からの嵐のような雨で、かなり桜も散っていた。 曇天の空に溶け込む桜かな 鵯も着て蜜を啄ばむ花の冷 花曇りぽつぽつ雨のこぼれ初め 二分ばかり花を散らして春嵐 定めとは言えど悲しき散る桜 桜散り曼荼羅模様の小径かな