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世界最速(大嘘)シャニアニ第一章の感想

シャニアニこと「アイドルマスター シャイニーカラーズ第1章」がついに劇場公開されました。

自分なりに感想をまとめてみましたので、お読みいただけると幸いです。

なお、ストーリーの内容やディティールに関するネタバレはしません

しかし、アニメの構造について触れたり、「このキャラが悩むシーンがあって」といった抽象的な表現で内容に言及したりはします。

ですので、「全く事前情報は入れたくない」という方には申し訳ありませんがブラウザバックをお願いいたします…!

ちなみに、私は公開初日の初回に劇場へ足を運んだのですが、冷静な視点で感想をしたためたいと思ったので、鑑賞後10日経過してから文章を書いています。寝かせすぎですね。カレーだったら腐ってます。

ちまちま文章をしたためていた結果、第二章が絶賛公開中の現在に投稿と相成ったわけです。すっげぇ遅刻しちまったな

それでは感想をつらつらと綴りたいと思います。


■既存曲をさらに好きになる構成


シャニアニ第一章では1~4話までが公開されました。

1話は導入で、2~4話はそれぞれ各4ユニットの主役回という構成。

2話⇒アンティーカ
3話⇒アルストロメリア
4話⇒放クラ

といった感じ。

主役のユニットが中心となってお話が進んでいき、その最後に既存楽曲のライブシーンがあるというのが共通の流れ。

ストーリーで徐々に見る側の感情を盛り上げていき、最後のライブシーンで爆発させるというこの構成が素晴らしかったと思います。

これまでのストーリーの文脈があることで、ただライブシーンを見るよりも心に響くんですよね。

文脈を踏まえてライブを見ることで、いつも聴いてるあの名曲がさらに好きになれたと思います。

私は特にアンティーカ回でそう思いました。
ライブシーン前のストーリーによる文脈によって、歌詞をより意識して聴くようになりました。


■ファン必見!ライブシーンのクオリティがグーです


ライブシーンのCG、文句なしの出来だったと思います。

技術論的なことは全くわからないので詳しいことは言えませんが、「本当にキャラが生きてライブをしている感じ」というのがビンビンに伝わってくる素晴らしいクオリティだったと思います。

私の勘違いではないと思うんですが、各キャラごとに動きの差異があったように見受けられました。

特にこがたんと果穂ちゃんが印象的でしたね。他のキャラより若干動きが大振りでダイナミックなモーションでした。超絶☆ダイナミック!
これによって、彼女たちがセンターたる説得力が生まれていたのでないでしょうか。

…ここまで熱弁しておいたのに私の勘違いだったらどうしよう…。
もし勘違いだったら本当にすみません。すみま千夜アリア。
(許せないこともあると思います)

それから、音響にもこだわりがあったように思います。

詳しくは言及しませんが、「このシチュエーションならこう聞こえるよな」といった処理がされており没入感がありました。

映画館の音響で聴いたため、なおのこと良さが感じられたと思います。

このように、ライブシーンのクオリティだけで花丸!ハナマルバッジ!
ファンは楽しめること間違いなし!


■2~4話は「ユニットの取説」として機能

ここからはストーリーについてお話ししていきます。

enza版のシャニマスを思い出してみてください。ゲームをプレイして最初に触れることになるWING編のシナリオ。これは各キャラクターについて何となく把握できる内容になっていますよね。

アイドルたちがどういう振る舞いでどういう考え方なのか、どんなところが魅力なのかを一通り提示する役割でした。いわば、初めて触れることになるアイドルたちの「取説」のようなシナリオです。

シャニアニも似たような構造となっています。
先述の通り、2~4話にはメインとなるユニットがいます。

各話で、
「このユニットの“らしさ”とはこういうところですよ」

ということが提示されます。

こうした構造であるため、シャニアニ2~4話は「ユニットの取説」といえる内容。

個人的に、放クラの「ユニットらしさ」が素敵でしたね。
イベコミュ『階段の先の君へ』や『アフター・スクール・タイム』にもこのらしさが表れていると思います。


■シャニPの造形、グーです


コミュのイメージそのまま。すごい。
見た目も、正確もenza版のシャニPの印象をうまくキャラクターに落とし込んでいると思います。
円香「愚直でスーツも折り目正しく美しい」

一章を見た人なら誰でも印象に残るであろう、とあるユーモラスな見せ場があるんですが、ここはぜひ楽しみにして頂きたいです。

かなりはっちゃけているので、「ああ、このシャニPなら真乃に『ぽっぽるー♪』するだろうし、霧子にブンドドもするな」と。

第二章、第三章でも色んな姿を見せてくれることを期待します。


ここまでシャニアニについてざっくばらんに述べてきましたが、
現状の私の感想をまとめると、
シャニアニは「ファン必見のアニメーション」
といった感じ。

そう。ファン必見。

それではファン以外は…?


というわけで、ここからは「正直うーん…」と思った点について触れていきます。

ネガティブな意見にあまり触れたくないという方は、申し訳ありませんがここでブラウザバックをお願いいたします。


■どうしても薄味に感じてしまうストーリー


どうしてもお話が薄味だったなぁという感じは否めない…というのが正直な感想になります…。

お話が薄味でも、シャニマスファン(当然私も含む)は楽しむことができるんですよ。

キャラへの思い入れがありますし、知ってる曲が流れるだけでテンションがあがります。enza版ファンならピンと来る小ネタでニヤリとできますし。

何より、薄味なストーリーを脳内保管できるんですよ。

一方で、それで新規の人って楽しめるのか…?

アニメというのは、ここから新規の人を巻き込んでいくことを狙っているものだと思いますし、実際にそういう役割だと思います。

しかし、ファンではない方がシャニアニを見てお話に満足できるかは正直わかりません。

どうして薄味になっているのか。
自分なりに考えた結果、その理由は2つ。

■お話が薄味な理由①「十分なキャラ描写が不足している」


4ユニットを12話で描くのはムリがあるのかもしれません。尺がどうしても足りない気がしてしまう。

2~4話が所謂ユニット回であるというのは先述の通りです。

1話はおよそ23分。
しかし、メインとなるユニット以外の描写もあるため、実質メインユニットのお話の尺は23分よりも短くなってしまいます。

限りある時間でしっかりお話を語ろうとしているのですが、薄く感じてしまう…。

先ほど、「ストーリーで徐々に見る側の感情を盛り上げていき、最後のライブシーンで爆発させるという構成」と表現しました。

この構造によってライブシーンが盛り上がるのは確かですし、自分も大興奮しました。

しかし、「ストーリーで蓄積した感情をライブで爆発させている」というより、「つかみどころのないストーリーをライブで何とか盛り上げている」のではという気持ちになったのも事実です。


それから、お話にはない要素を自分で脳内保管して楽しんでいると感じた部分もあって。

シャニPのユーモラスなシーンで、彼が1人のアイドルを選ぶシーンがあるんですね。ここで選ばれるのが「あの子」であるのに対してファンはニヤニヤしてしまうんですが、このニヤニヤって既存のファンだけなんですよ。

このシーンで大いに喜びながらも、「これで喜べるのはファンだけなんだよな」というもやっとした気持ちを抱きました。


■お話が薄味な理由②「葛藤が弱い」


お話の面白さは、乗り越えるべき“葛藤“とそれを乗り越えたときの“カタルシス“から来るものです。

シャニアニではこの葛藤が弱いと感じました。そして、葛藤が弱ければカタルシスも弱くなってしまう。

その結果、印象として薄味になっていると考えました。

例えば、アンティーカ回。

とあるクセの強いゲストキャラクターが登場して、ピリッとした空気が流れるんですね。例えるなら、冬優子WINGで冬優子がバックれるきっかけとなるカメラマンに近い感じ。

「なるほど、この人をどう乗り越えて、どう認められるかが肝になってくるんだな」と思ってみていると、そんなことはなくて。あっさり認められてしまうんですよ。

結局この回での葛藤は、クセの強いゲストキャラとは関係なく設定されていて。

そしてらあのゲストキャラがわざわざああいうキャラ付けされる意味があったのか…?という気がしてしまう。

それから、放クラ回とアルスト回では、問題発生から解決がかけ足だったため、感情移入がしきれなかった感じがありました。



■まとめ:それでも俺、シャニアニが好っきゃねん


以上が私のシャニアニ第一章の正直な感想です。

後半にはネガティブな部分も述べましたが、好きか嫌いかで言えば当然好きです。

第二章、第三章にもワクワクしながら劇場に向かいます。

お読みいただきありがとうございました!


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