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若かったわたしの、好きをなぞってみたこと

夜眠る前に本を読むようになった。

最近の習慣だ。

今回の本は比較的あっという間に読み切った。


部屋の灯りを消して、ベッドサイドの間接照明を頼りに本を読み進める。

梨木香歩さんの本は、精神的に不安定な少女とその祖母が出てくることが多い。

あとは、先祖。

ちょうど100年くらい前を懐古する流れも。



この本は、わたしが高校生くらいの頃に読んだ。

大好きだったけれど、小説はなかなか何度も開くことはなく、一度読んだら仕舞ってしまった。

程なくして引っ越しもあり、いつの間にか手元からは無くなっていた。


今回買い直したのは、やはり当時好きだったからなのだけど、だからこそ読み直すべきではないとも思っていた。

思春期の私の心が震えた本に、今の私が共感できるだろうか。


そんな躊躇がありながらも、最近のわたしはどこか、現実から少し離れたい気持ちも強かったもので

またお迎えしてしまった。


ベッドに腰掛けて、小さな音で音楽をかける。

はらり、はらりとページをめくるたびに心を掴まれてギュッとする。

次の章まで、次まで…と言い聞かせながらも一息で読めてしまうのは、梨木ワールドである。

まんまとハマってしまい抜け出せず、一気に駆け抜けた。


そして。

やっぱり大好きな本に変わりなかった。

さて、明日は何を読もうか。

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