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【訪問介護】2分で理解できる『特定事業所加算』の解釈

◾️対象
・サービス:訪問介護


特定事業所加算とは?


専門性の高い人材の確保や、より質の高いサービスを提供する事業所を評価する加算
※以下、令和5年10月時点での内容となります。

種類および単位数


  1. 特定事業所加算(Ⅰ):所定単位数20%

  2. 特定事業所加算(ⅠI):所定単位数10%

  3. 特定事業所加算(ⅠII):所定単位数10%

  4. 特定事業所加算(IV):所定単位数5%

  5. 特定事業所加算(V):所定単位数3%
    ※ 同時算定については、(ⅠII)と(V)の併用のみ可能

算定要件


(クリック拡大してご確認ください🙇)

【ここだけ読めばOK】 加算のポイント


◾️各要件の細かい解釈について
①計画的な研修の実施
②会議の定期的開催
③サ責の文書等による指示及びサービス後の報告
④健康診断の実施
⑤勤続年数要件

①計画的な研修の実施


前提として、登録へルパーを含めた全ての訪問介護員(以下、訪問介護員等)又はサ責に対して研修の実施が必要となります。

また、研修自体は外部研修の参加でもOKです。
研修計画の内容については、『個別具体的な研修の目標、内容、研修期間、実施時期等を定めた計画を策定しなければならない。』と示されています。

『目標』とか言われても初めての作成になるとピンと来ないと思うので、自治体の考え方を共有いたしますのでご参考ください。
<参考>研修計画様式(川崎市)

②会議の定期的開催


こちらも研修同様、登録へルパーを含めたサービス提供に当たる全ての訪問介護員等の参加が必要となります。

ただ実施に当たっては、全員が一堂に介して開催する必要はなく、サ責ごとにいくつかのグループに分けて開催してもOKです。
なお、オンラインでの会議でもOKです。

開催の頻度(=「定期的」)に関しては、1月に1回以上開催の必要があります。

③サ責の文書等による指示及びサービス後の報告


算定要件#3の「利用者に関する情報等」については、以下に掲げる項目について、その変化の動向を含め記載する必要があります。

・利用者のADLや意欲
・利用者の主な訴えやサービス提供時の特段の要望
・家族を含む環境
・前回のサービス提供時の状況

また、サ責からの伝達方法については、FAXやメールでもOKです。
なお、サ責は訪問介護員等からのサービス提供後の報告については、文書(電子もOK)で記録を保存する必要がありますのでご注意ください。

④健康診断の実施


健康診断については、非常勤やパート職員を含め全訪問介護員等が少なくとも1年以内ごとに1回、事業所の費用負担で実施する必要があります。

なお、日雇いでの雇用職員における健康診断記録の必要性については、自治体によって判断がことなりますので指定の保険者までご相談下さい。

⑤勤続年数要件


特定事業所加算(V)の要件である『勤続年数』については、各月の前月の末日時点で計算します。

例えば、令和5年10月における勤続年数7年以上の者とは、令和5年9月30日時点で勤続年数が7年以上である者のことを指します。

また、勤続年数の算定に当たっては、同一法人で勤務した年数をカウントすることができます。


以上となります。
訪問介護にとっては非常に重要な加算となりますので、しっかり要件の内容をおさえて確実に算定できる体制を確保していきましょう。

その他、取り上げて欲しい介護報酬の解釈や加算要件または気になるトピックがあればお気軽にコメントください!
(来年の報酬改正がどうなることやら気になりすぎますね。)

最後まで読んでいただきありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いします!

(補足)Q&A


Q.特定事業所加算及びサービス提供体制強化加算の要件のうち、計画的な研修の実施に係る要件の留意事項を示されたい。

A.訪問介護員等ごとに研修計画を策定されることとしているが、当該計画の期間については定めていないため、当該訪問介護員等の技能や経験に応じた適切な期間を設定する等、柔軟な計画策定をされたい。
また、計画の策定については、全体像に加えて、訪問介護員等ごとに策定することとされているが、この訪問介護員等ごとの計画については、職責、経験年数、勤続年数、所有資格及び本人の意向等に応じ、職員をグループ分けして作成することも差し支えない。
なお、計画については、すべての訪問介護員等が概ね1年の間に1回以上、なんらかの研修を実施できるよう策定すること。

平成21年4月改定関係Q&A(Vol.1)平成21年3月23日 問3

Q.特定事業所加算及びサービス提供体制強化加算の要件のうち、定期的な健康診断の実施に係る要件の留意事項を示されたい。

A.本要件においては、労働安全衛生法により定期的に健康診断を実施することが義務づけられた「常時使用する労働者」に該当しない訪問介護員等を含めた、すべての訪問介護員等に対して、1年以内ごとに1回、定期的に医師による健康診断(常時使用する者に労働者に該当しない者に対する健康診断の項目についても労働安全衛生法と同様とする)を、事業所の負担により実施することとしている。
また、「常時使用する労働者」に該当しない訪問介護員等に対する健康診断については、労働安全衛生法における取扱いと同様、訪問介護員等が事業者の実施する健康診断を本人の都合で受診しない場合については、他の医師による健康診断(他の事業所が実施した健康診断を含む。)を受診し、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、健康診断の項目を省略できるほか、費用については本人負担としても差し支えない(この取扱いについては、高齢者の医療の確保に関する法律により保険者が行う特定健康診査については、同法第21条により労働安全衛生法における健康診断が優先されることが定められているが、「常時使用する労働者」に該当しない訪問介護員等については、同条の適用はないことから、同様の取扱いとして差し支えない。)。

平成21年4月改定関係Q&A(Vol.1)平成21年3月23日 問4

Q.特定事業所加算(Ⅴ)の勤続年数要件(勤続年数が7年以上の訪問介護員等を30%以上とする要件)における具体的な割合はどのように算出するのか。

A.勤続年数要件の訪問介護員等の割合については、特定事業所加算(Ⅰ)・(Ⅱ)の訪問介護員等要件(介護福祉士等の一定の資格を有する訪問介護員等の割合を要件)と同様に、前年度(3月を除く11ヶ月間。)又は届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均について、常勤換算方法により算出した数を用いて算出するものとする。

令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)令和3年3月29日 問1

Q.「訪問介護員等の総数のうち、勤続年数7年以上の者の占める割合が30%以上」という要件について、勤続年数はどのように計算するのか。

A.特定事業所加算(Ⅴ)における、勤続年数7年以上の訪問介護員等の割合に係る要件については、訪問介護員等として従事する者であって、同一法人等での勤続年数が7年以上の者の割合を要件としたものであり、訪問介護員等として従事してから7年以上経過していることを求めるものではないこと(例えば、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等として従事する前に、同一法人等の異なるサービスの施設・事業所の介護職員として従事していた場合に勤続年数を通算して差し支えないものである。)。

「同一法人等での勤続年数」の考え方について、
・同一法人等(※)における異なるサービスの事業所での勤続年数や異なる雇用形態、職種(直接処遇を行う職種に限る。)における勤続年数
・事業所の合併又は別法人による事業の承継の場合であって、当該事業所の職員に変更がないなど、事業所が実質的に継続して運営していると認められる場合の勤続年数は通算することができる。

(※)同一法人のほか、法人の代表者等が同一で、採用や人事異動、研修が一体として行われる等、職員の労務管理を複数法人で一体的に行っている場合も含まれる。

令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)令和3年3月29日 問2

Q.勤続年数には産前産後休業や病気休暇の期間は含めないと考えるのか。

A.産前産後休業や病気休暇のほか、育児・介護休業、母性健康管理措置としての休業を取得した期間は雇用関係が継続していることから、勤続年数に含めることができる。

令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)令和3年3月29日 問3

Q.認知症専門ケア加算における「技術的指導に係る会議」と、特定事業所加算やサービス提供体制強化加算における「事業所における従業者の技術指導を目的とした会議」が同時期に開催される場合であって、当該会議の検討内容の1つが、認知症ケアの技術的指導についての事項で、当該会議に登録ヘルパーを含めた全ての訪問介護員等や全ての従業者が参加した場合、両会議を開催したものと考えてよいのか。

A.貴見のとおりである。

令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)令和3年3月29日 問36

Q.特定事業所加算の体制要件として、サービス提供責任者が訪問介護員等に対して文書等による指示を行い、サービス提供終了後、担当する訪問介護員等から適宜報告を受けることとされているが、毎回のサービスごとに行わなければならないのか。

A.サービス提供責任者は、サービス提供前に訪問介護員等に対して文書等による指示を行い、事後に訪問介護員等からの報告を適宜受けることとしているが、下図AからCまでに示す場合については、サービス提供責任者が文書等による事前の指示を一括で行い、サービス提供後の報告を適宜まとめて受けることも可能である。

平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)平成24年3月16日 問13

Q.特定事業所加算の体制要件として、サービス提供責任者が訪問介護員等に対して文書等による指示を行い、サービス提供終了後、担当する訪問介護員等から適宜報告を受けることとされているが、毎回のサービスごとに行わなければならないのか。

A.重度要介護者等対応要件の利用者の割合については、利用実人員又は訪問回数を用いて算定するものとされているが、例えば下記のような場合、前三月の平均値は次のように計算する(前年度の平均値の計算についても同様である。)。

平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)平成24年3月16日 問15

Q.特定事業所加算における人材要件のうち、「サービス提供責任者要件」を月の途中で満たさなくなった場合、加算の算定ができなくなるのは、その当日からか。それとも、その翌月の初日からか。

A.翌月の初日からとする。なお、前月の末日時点でサービス提供責任者要件を満たしていて、その翌月(以下、「当該月」という。)の途中で要件を満たさなくなった場合、当該月の末日にその状態が解消した場合に限り、加算要件は中断しないものとする。ただし、当該月に人員基準を満たさなくなった場合はこの限りでない。

平成21年4月改定関係Q&A(Vol.1)平成21年3月23日 問28

Q.訪問介護における特定事業所加算の算定要件については、毎月満たしていなければならないのか。また、要件に該当しないことが判明した場合の取扱いはどのようになるのか。

A.基本的には、加算取得の届出後についても、常に要件を満たしている必要がある。要件に該当しないことが判明すれば、その時点で廃止届出を出し、翌月分から算定しない取扱いとする。

平成18年4月改定関係Q&A(Vol.2)平成18年3月27日 問28

Q.訪問介護の特定事業所加算を取得すれば、利用者の自己負担も増加することになるが、加算を取得した上で、負担軽減のため、特定の利用者に対して加算を行わないという取扱いをすることは可能か。

A.加算を取得した上で、利用者間に加算の適否の差を付けることは、利用者間の不合理な負担の差を是認することにつながりかねないと考えられるので認められない。したがって、加算を取得するか、あるいは利用者の負担を考慮して取得しないかのどちらかを、あらかじめ各事業者が十分検討の上、選択する必要がある。

平成18年4月改定関係Q&A(Vol.2)平成18年3月27日 問29

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