「漫画ビジネス」は誰向けの本?
2024年9月20日に、クロスメディア・パブリッシング社より「漫画ビジネス」が発刊されました。筆者初単著です。
本書は「魚ビジネス」はじめ「肉」「野菜」「ホテル」「米」などと続く、同社の「〇〇ビジネスシリーズ」の9月現在末弟となります。
このシリーズは、タイトル下に小さく共通して「〇〇が好きな人からプロまで楽しめる教養書」とあります。ということで、ライトなビジネス書ということになるのかなと思います。
私個人としても「漫画ビジネス」は、プロ向けには書いていません。
メインのターゲットは、このマンガ業界に入ったばかりの人、これから入る人、ビジネス的に新規ビジネス、投資や採用・就活、各種流通やDX分野、アニメやゲームなどIP展開周辺で関わる方など、新参か外縁的な観点で関わっている人に向けて、導入書となるべく書きました。
そのため、業界の中の人から見ると「そんなこと知ってる」「そういう考え方はしない」「うちの会社は違う」「極端過ぎる」「あんた何様?」など、様々なご意見があるのではないかなーと思っています。
よりわかりやすさを優先し、普段このnoteで書いてるニュースの紹介の論調に比べても、ちょっと強く言い切ってしまっているところがあるのではないかと思います。全体的にマッチョ目だと思います。
また、導入にあるように、本書のペルソナは「これから新規でマンガビジネスはじめる、ビジネス書出版社の編集者」に向けて書いています。それと、他の業界でビジネス経験のある方にも、ちょうど良い塩加減かなぁとも思います。
そうした意味で、上記に書いたような方には、是非手に取っていただき、私が15年間に、ちょっと特殊な立ち位置の仕事をしながら学んできたことを、凝縮して読んでいただければと思います。そういう意味ではタイパの良い本だと思います。
また、色んな出版社やCP(コンテンツプロバイダー)とお付き合いをする、現在の漫画家にとっても、お仕事相手のことを知るという意味では良いかもしれません。そうしたご感想もいくつかいただけました。
そして、一番難しいのがマンガ業界の方なのですが、まず大前提として、わたしは現場の皆さん程深く、現場のことを当然知りません。
漫画編集・制作者としては、数作くらいは関わったことはありますし、電子書籍の販売やプロモーションの現場では数年働いてはいます。とはいえ、長年心血をかけてやり続けているそれぞれのジャンルのプロの皆さんに、個々現場の業務知識の深さでは全くかないません。
特に、本書にも掘り下げていますが、この業界には他の業界には類を見ない特殊事情が大変多いです。もうちょっと踏み込むと、グローバル化DX化して、どんどんスピード感や規模感が早く・大きくなっている日本や世界のビジネス環境と、「マンガづくり」という聖域は、合理において相容れないものであることは、宿命みたいなものだと思っています。
そんな違いのある現場において、私がすべてを深く知るわけがありません。ただ、私に長じた部分があるとすると普通のビジネス界とマンガ業界の両方に、ちょうど同じくらいいたという経験。それから、様々なマンガ業界の現場、会社などに渡り、広く浅く業務を行ったり、話を聞いて、時には記事やイベントにしたりなど、言語化してきた俯瞰目線ではないかなと思います。
ということで、外から入ってくる人間からすると、こういう見え方もあるんだなと、ひとつの視点として楽しんでいただければと思います。
ちなみに、本書を第初稿時点でマンガ業界の方複数に読んでチェックをしてもらいました(インタビューした2人とは別の方)その中のお一方に「とはいえ、ここまで網羅するのは大変な仕事だったかと思います、お疲れ様です」とコメントいただいたのですが、良く業界を知る方からすると、基本的には知ってることが書いてあるので、そういう感想をいただけたのだと思います。
今年5年目を迎えるIMARTというマンガ・アニメのビジネスカンファレンスなどは、そうしたノウハウの塊となっております。今年のセッション発表はこれからですが、去年のセッションも好評でした。
そうしたわけで本書の用法用例ですが、以下の石橋さんからいただいた感想にあるように、漫画業界にこれから入る方、入ったばかりの方が、プロの方々と話す前に、導入書として使っていただけたら、良くフィットした使い方かなぁと思います。
もちろん、これから漫画ビジネスを始める出版社さんにもと思います。
CyberZ社さんでは、なんと10冊まとめてお買い上げ!
社員研修用として配布してくださるとのこと。大感謝です^^
書店のみなさまには、ぜひこんな感じで兄妹揃い踏みで並べていただけますと幸いです。ちなみに、まだまだ増えるそうですw
そうしたことで、はじめての著書ということで、noteでもご紹介をさせていただきました。少しでもこれで「漫画ビジネス」を読みたいなという気持ちになってくださったら幸いです。
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