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【マンガ業界Newsまとめ】 ついに浦沢作品電子化!2021年は『はじめの一歩』も!なぜ?いま?など |1/3-033

あけましておめでとうございます!マンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。今年もよろしくお願いいたします!

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ついについに、最後の砦の一角、浦沢作品が電子化です。ある意味おめでたいニュースということでトップに持ってきました。

電子コミック界隈に長く携わってる人たちにとって忸怩たる思いが長く続いた事案が2つありまして、その一つが、横山光輝三国志&永井豪作品の電子版1社独占状態がいつまで続くのか?ということ、もう一方がこの浦沢、森川、井上(雄彦先生)という御三家がいつ電子化するか?ということでした。

浦沢先生の初持込&新人賞受賞が1981年とのことから画業40年で2021年に電子化とのこと。現在スピリッツ連載中の『あさドラ!』をはじめ『YWAWARA』『二十世紀少年』など主だった作品のいくつかが第1弾として電子化されます。

また、浦沢先生のYoutubeチャンネルでは、より詳しくご自身で今回の電子化について語っておられます。曰く、マンガは見開きで読む演出を考えて制作しているため「見開き読み推奨マーク」をつけるなど、いくつかの条件をクリアしたうえでの今回の電子化とのこと。

この発表を横目に、今年なかごろに一足早く電子化された森川ジョージ先生も電子化にあたっての経緯を語られています。

見開き問題が大きいのかなと思っていましたが、こうした考えをお持ちであったということが良くわかるところでした。この問題意識を読むと、森川先生が昨年日本漫画家協会の理事を引き受けられたのも判る気がします。

個人的には、数年前に「全巻一冊」という商品開発をしていた際、小学館の謝恩会で浦沢先生に直接「電子化だけど見開き問題も解決してます!」とプレゼンしたのを、もう随分昔の事のことのように思い出しました。

コミックの電子化が十分に進んで常態化し、マンガ業界も好況となり、Webtoonという新しい潮流が出てきたこのタイミングでの大御所電子化は、新しいことが起きたというよりは、時代にひとつピリオドがついたような感慨のようなものがあります。


前後編と続く本記事は、海賊版対策の中心選手であるお二人が、かなりじっくりと海賊版対策について語られています。簡単に、ここまでの経緯をまとめて知るにも良い記事でした。

こうした状況下で、昨年2021年は以下のような一般誌での海賊版サイト記事も増えました。

また出版業界サイドとしても、正規配信サービスであることを証明するABJマークの普及などの具体的施策の他、ついに「NoMore漫画泥棒」という、映画業界のパク、、、いや、非常に知名度の高いキャラを活用しビジュアルに訴求するという、効果的な施策を打つなどの手が打ち続けてられています。

また、本まとめでは昨年DLsiteによる個人クリエイター向け海賊版対策を多くご紹介しましたが、ついに文化庁が、個人事業主の多い漫画家を「個人クリエーター」として、対策に乗り出してきました。

無料で相談できる窓口を設置するなどして、海外に拠点を置く海賊版サイト運営者に法的措置をとりたい個人クリエーターなどを支援する方針

とのこと。出馬宣言以来、毎週こうしたニュースで記事となると顔の出る赤松健先生も、こうした機会の説明者としてすっかり定着し、大変頼もしい状況となってきております。今年は、この対海賊版の具体的施策も進みそうですね。


ここからは、小集講角とマンガ出版大手4社のNewsが並びます。

論旨としては「中国Tencent社は、日米両政府が警戒する”経済安保銘柄”のため、そこから出資を受けることは危険ではないか?」というものです。

ちょっと苦しいですが例を挙げると「ハリウッドで作られる映画は米国そのものや民主主義を称賛する文脈がデフォルトで、作品の普及は米国の思想信条を諸外国に流布(プロパガンダ)するものである」という見方が以前よりありました。

コンテンツ制作の現場において、軍事転用できる民間技術というものも考えにくいため、上述のような影響力を中国Tencentが持つのではないか?という危惧かと思います。(以前は、PS2や3が、あまりに優秀な民生品の為、旧東側諸国等の潜水艦や戦闘機の基盤として使われるなんて話もありましたが、これはあくまでハードの話)

こうした資本業務提携の目的やその後の流れとしては、例えばTencent社がKADOKAWAサイドに、アニメなどなんらかの作品制作を依頼し、その中に恣意的な(ある意味で、中国で配信するために必要なとも取れるが)メッセージを込めて、作品作りを行うことは考えられるかと思います。

ただまぁ、これは提携が無くとも、製作にあたって中国サイドが予算を多く出せば当然あるもので、今回の件は夏野さんの説明通り、せいぜいそうした案件数が増えるということ程度の影響力ではないかとも思います。

日本の全てのコンテンツに埋伏の毒が埋め込まれる類の影響力には程遠いかと。こうしたケースで、他の大手が資産を潤沢に持つ非上場企業であることは、鉄壁の防御となり、それが今後、日本の漫画産業の強みとなっていくかもしれません。

あとは人材交流とかですかねぇ。これもまた、安保に影響というほどのインパクトはなさそうですが。

早い段階から、中国でのビジネスで実務を動かしていたKADOKAWAのことですし、持ち株比率10%以下では、それ以上のことは考えにくいかなぁと思ったりもします。


今度は逆に中国由来のヒットWebtoonの小学館による日本展開Newsです。

当まとめでも度々話題にした、中国最大のマンガアプリ「快看漫画」で、2018年から2021年の3年間連載され7億PVを超えた作品を、なんとあの小学館が邦訳し、LINEマンガで連載するというものです。

『ホーンテッドホテル鬼南亭』(原題:谷囲南亭)は、1stシーズン全58話を12月30日より連載とのことですね。2ndシーズン配信費は未定とのこと。

記事再掲になりますが、快看漫画は日本のピッコマが600億円調達した少し後、263億円を調達したことで話題になりました。その調達資金をクリエイターの作品制作に投資するということを宣言しています。

中国漫画もWebtoonを中心にここ数年で大きく発展しました。その発展期の直近3年に7億PVという大きな実績を出した本作が、日本の読者にどう受け止められるかは、試金石的な動きの一つかと思います。この一手がどう出るか?Webtoon業界の流れとしても注目と思います。

先日、「TOON GATE」という取組を発表した小学館ですが、これが近々では二つ目のWebtoon案件になりましょうか。

個人的には、キョンシーものというのが良いですね。


講談社ヤンマガのNFT施策の記事が続いて出てきています。

ただもうこうなってくると、「ヤンマガが」「作品が」というよりは、「ライフネット生命創業者の岩瀬大輔氏が関わるNFTが」という趣旨の取材記事となっておりまして、ある意味、講談社の担当者の方は強かだったなぁというものになっております。SさんGJ!


集英社広報のリリースなのですが、同社は5つの元旦新聞広告を出していて、そのうち3つが漫画だったのですねと。面白いですね。

集英社つづきで、個人的に、年末に「わーぉ」と驚いたnoteです。

「このマンガがスゴイ!2022」オトコ編で担当作品の『ルックバック』が1位にランキング、この賞の1位3年連続で、しかも同賞4位の『ダンダダン』も立上&担当ということで「縦にも横にも林士平」という編集無双を突き進む、ジャンプ+編集者林さんが、今年を振り返った記事です。

話題となったWorldMakerの開発や、『チェンソーマン』アニメPVなど盛り沢山なのですが、一番の目的が表題の通り、今年1年間で読切作品49作品を立ち上げたという記録です。すげぇ。

本noteは業界向けなので「読切」の位置づけについて詳述は省きますが、この数を考えると林士平さんは、新人作家にとってみれば希望を量産してくれる編集者さんですし、編集者の領分で言えば、ヒット作連発を裏付ける多産な仕事をしてきたのだと思います。

ホント、どうやって仕事してるのか気になる所ですが、恐ろしいことにその仕事ぶりも、集英社の取組「ミリオンタッグ」の中で、普通に見ることが出来てしまいます。凄い世の中になりましたね。(以下サムネ左から3番目が林さん)

個人的には、腱鞘炎に関するくだり(企画後半のほうの動画です)を見て、あぁなるほどこの人さすがだわと思いました。


さてさて、12月30日から2日間、ついにコミケが開催されましたね。じつに2年ぶりの復活ということになります。本当に良かったですね。

初日の来場者数は5.5万人ということで例年の1/3以下ですが、これは意図しての制限下での開催となりますので、まったく問題ないでしょう。

参加された方々のSNSでは、「空いている。でも良かった」というコメントが目立ちました。準備会側も参加者も、歴戦の勇者たちみんなほっと一息できたことでしょう。参加者の皆様、お疲れ様でした!


先日、クオン社と統合してMinto社を立ちあげた、wwwaap社の代表取締役中川さんのnoteです。Webtoonが大注目される理由とのこと。

非常にコンパクトにイラストも交えてWebtoon概況にまとめてありまして、本当にゼロからWebtoonを誰かに教えたい場合はこの記事を紹介すると良いかもしれないというくらいの出来です。最後、採用のご案内がありますが、ご了承ください。

個人的には、冒頭で中川さんが紹介されてる「出張編集部」の写真が、私が当時運営していた「京都国際マンガ・アニメフェア、マンガ出張編集部」のものでして、とても懐かしいです。この年は、GANMAの他、LINEマンガ、comico、マンガボックスと矢継ぎ早にマンガアプリが立ち上がった時で、確か4社全部に参加してもらえたような気がします。


こちらは元竹書房の自由人こと、竹村響さんによるWebtoonについての言語化noteです。そのビジネスモデルや、既存の横読みマンガの電子コミックをストレージ型、Webtoonをフロー型と定義するなど、この1年のWebtoon激動期を各社の顧問などをすることを通して、様々な角度で見られたうえでの言語化ですので、とても興味深いものとなっております。

竹村さんは、電子書籍の黎明期から成熟期にかけて、電子書籍市場の中で竹書房が大きな存在感を占めることとなった際のキープレーヤーでした。激動期を一度経験した目線で今回のWebtoonの動きを見れば、普通の人より広い視野でものを見ることができるのでしょう。

ちなみに、この記事は②まで続きます。また、この記事の前の記事に、昨年の竹村さんの実績として、シュークリーム社のFromRED立上のことを書かれています。特殊な形態の編プロだったシュークリームさんが、自社媒体を持つ出版社になっていく過程は、私も興味深く見ていましたが、竹村さんが黒幕だったんだなぁと、ちょっと納得しました。


毎度おなじみ、libroさんの北米漫画市場まとめです。

アニメ配信サイトの米国CrunchRoll社が提供する電子コミックのサブスクに、『進撃の巨人』などが加わったとのこと。米国においてはVizmediaなどのサービスでも、ジャンプ作品を月間3$で読めるサブスクが普及しています。

日本では伝統的に、自動車などの商品を「一物二価」とし、国によって違う価格帯で販売することが一般的でした。マンガにおいては翻訳や販売契約の調整など、様々な制約があり難しかったのですが、この二価が普及していくと、このビジネスも成熟してきたのではないかなと感じたりします。


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note制作中に、たまたま見かけたツイートを追加。
『俺だけレベルアップ』韓国で連載終了ですって。


更に追記:

知人の新月ゆき(@Shingetsu_yuki)さんが、同胞のクリエイターさんたちのために作ったという、Webtoonクリエイター求人一覧です。わぁこんなにあるの?って数であります。

クリエイターさんの役にも立ちますが、Webtoon制作側としても貴重な情報ではないでしょうか。

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