【マンガ業界Newsまとめ】エンタメ4団体インボイス制度STOPの声・クレカ決済問題・note上場 など|11/20-078
マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。
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インボイス導入で廃業危惧するマンガ・アニメ関係者は2割超、エンタメ4団体が中止を懇願
漫画家、声優、アニメーター、演劇関係と、エンタメ4ジャンルから、インボイス制度導入反対の声をあげるという記者会見がありました。
インボイス制度は、これまで消費税の納税を免除をされていた小規模事業者に納税を課すほか、課税事業者として一連の煩雑な事務手続き増、取引先とのパワーバランス変化、場合によっては匿名の活動が実名の開示を必要とするケースもあるなど、様々な問題が同時に起こる「めんどうな」変化です。
こうした、小規模事業者が苦しむ税金のルールや法改正はこれまでもありましたが、このインボイス制度はあまりに深刻とのことで、フリーランスの活躍する割合が大きいエンタメ4ジャンルから声が上がったというところでしょう。
pixivなど同人マンガ界隈で「クレカ決済拒否」が大変な騒動になっている件について
先週話題になったPixivの一部クレカ決済がストップした話題ですが、日本のみならずアメリカからも連なった流れ的な部分があるとのこと。
国内ではこの前に、FANZAを含むDMMグループのマスターカード撤退の件がありましたが、米国カリフォルニアでも、大手ポルノサイトPornhubでVISAも巻き込んだ形での巨額訴訟が成立するなど、コンテンツ提供側からすると良い流れではありません。企業が社会のマジョリティに適応しようとすると、自然に表現規制に繋がるというのは笑えませんね。
現在のネット社会において「便利に買い物をする」ために決済を行うにあたり、クレジットカードは必須と言えます。個社がそれぞれ対応するとなると、間接的にポイントを外部で販売したり、〇〇Payの進出に思いを寄せたり、思い切って暗号通貨に打って出るか、ヤケクソで大型資金を投入して決済会社を立ち上げるなど、いずれにせよ商取引としてもビジネスとしても困難な状況ではあります。
記事の結びにもありますが、各社の努力もそろそろ対応しきれない状況になりつつあり、政府マターになってきているようにも思えます。
note、東証グロース市場へ上場 12月21日
このマンガ業界Newsまとめも掲載させていただいている、note運営のnote社が東証グロース市場に12月に上場とのことです。直近業績は、売上18.8億円、純利益は-4.3億円の赤字、クリエイター数103万人の参加とのことで、11年にスタートした事業で、今年で11年目。
この上場もあってか、今週2つほどリリースをしています。
ともに、マンガの原作となる小説も関係していく内容です。Webtoonの流れも合わせて増えていく「原作コンテスト」ですが、noteもこの上場による資金調達をうけ、IPにより深く関わっていく流れと読み取れます。
今週のWebtoon新規参入・新たな動き
KADOKAWAのタテスクコミックが、フルカラー縦スクロールコミックの英語版「TATESC COMICS」を電子書籍ストア「BOOK☆WALKER Global」にて配信開始とのこと。
DMMグループのGIGATOON Studioが、アップクロス社と、漫画制作事業における包括業務提携を締結とのこと。すでに『夫を社会的に抹殺する5つの方法』という作品を連載中。
もともとYoutubeなどにおける「マンガ動画」からWebtoonに進出してきたソラジマですが、今回はTikTok上で、同社作品『シンデレラ・コンプレックス』を、実写ドラマ化とのこと。
月スピ連載マンガ『重版出来』の韓国ローカライズドラマとして進んでいた「今日のウェブトゥーン」ですが、11/29よりPrimeVideoにて配信開始とのこと。
『重版出来』は、いわゆる日本の漫画編集部のお話でしたが、韓国にローカライズされる中で「Webtoon編集部」になるあたりが面白いですね。実際、韓国のWebtoon編集部がどんなふうに作品を作ってるのかなどの様子もわかるでしょうし、楽しみです。
タイトルがキャッチ―で面白いのですが、こちらはLINEマンガインディーズの取組を漫画で紹介というタイアップ記事ですね。
出版社やマンガアプリの新人賞について、プロモーションするにあたり様々な企画を行うことが当たり前のようになってきましたが、PRマンガを一本しっかり描いて、メディアタイアップでがっつり告知する事例としては良く出来た面白い記事だなと思いました。
導入のPRマンガだけではなく、中ほどの既存漫画をWebtoon化するあたりは、漫画家や編集者など見る人が見れば色々なことがわかるコンテンツなのではないかと思います。
国内News
アルファポリス社が第2四半期決算を告示し、営業利益で前年比17%増とのこと。漫画の売上が全体の7割を締め、ラノベコミカライズの『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』『Re:Monster』が好調とのこと。
毎度ここで紹介するときは書くことですが、アルファポリス社の決算報告は、IR情報ページにある決算説明資料に、作品の書影をふんだんに入れて、それぞれの部数や伸び率などカラフルに情報が載っているので、是非ご覧ください。見てて楽しいです。
「C101」では一日の参加者数上限を「C100」の8万5000人から9万人に引き上げるとのこと。18万人というのは2日間の開催で、2日で18万人ということのようですね。粛々と昔の賑わいを取り戻していっていただければと思います。
今回の東京コミコンは、11/25-27の3日間幕張メッセで開催とのこと。ちょうど、11/27に東京ビックサイトで開催されるコミティアと同時開催になりますね。
以前、海外マンガフェスタがおこなわれていた頃は、コミティアと併設で行われ、その中でマーベルやDCの持ち込みなども行われていましたが、東京コミコンが開催されるようになって、この辺りが別れて行った流れになりますね。
11/19-20で「がたふぇす」こと、にいがたアニメ・マンガフェスティバルが開催されました。盛況だったようです。
もともと武論尊さんは、出身の佐久にて「武論尊100時間漫画塾」という漫画講座を行っていたのですが、今回「漫画塾」ということで、常設の取組を開始するようです。
マンガを教える大学や専門学校は数あれど、日本で唯一「マンガ学部」を擁する京都精華大学の授業の様子を取材した記事です。「新世代マンガコース」の、田中圭一先生、おおひなたごう先生の授業の様子や採点についてなどまとめています。
世界の書籍&漫画アプリのDL数が伸び続け、2022年1月~8月(1年ではない)の範囲で、18億ドル(140円/ドルとして、2520億円)に達したとのこと。前年2021年が1年間で24億ドルなのに対して、このまま行っても27億円に達し、伸び率も入れると30億ドルほどになりそうですね。
広範にこの「世界の書籍&漫画アプリ」のくくりで、世界収益のトップ10を掲載しています。
2022年を見ると、ピッコマ、LINEマンガがトップ2なのは変らず、3位にアマゾンのaudibleが入っていますね。ユーザー数世界一のWebtoonアプリは第4位で、マガポケ、ジャンプ+などが続いています。日本マンガ強いですね。
どこかのIPを使用してプロモーションなど行う場合、ノウハウの無い企業や個人は、有名IPをかつぐには、問い合わせ先、予算の考え方、作法やクリエイティブ作りなど課題が多く、実行が難しかったりします。
もちろん、大規模なプロモーションの場合は大手広告代理店などが入り、全国のコンビニでとか、様々なタイアップと大型予算でIPを扱ったりはしますが、この座組はもう少し小規模なものというところでしょうか。
海外News
勝機はあると思います(定期)な記事です。
一連の流れにWebtoonが加わっていますが、プラットフォーム、音楽、映像と、その原作や展開補助にWebtoonが組み込まれていっている韓国のコンテンツ展開戦略は、例えばWebtoonだけを見ても木を見て森を見るということになってしまうんだろうなとは思います。
極端なコロナ対策が特徴の中国ですが、イベント戻って来てるみたいですね。
ONE PIECE FilmREDは、北米でも好調ですねー。
日本漫画出版大手のダークホースコミックCEOのインタビューは、翻訳してでもご一読をというところです。コロナ禍で売上が好調となった日本漫画ですが、その実売り上げの85%は書店だとか。ECじゃないんですね。などですね。
AIイラスト・画像生成関連
しっかりアメコミ調でコミックが作られていますね。こうしたものも精度が上がっていくと思われます。
これはAIの記事ともいえないかもですが、デジタルにも精通するプロの背景作画職人さんからすると、出来ること出来ないことは割と明確なようです。
プラットフォームとしても、AI画像生成をある前提としたものが出来てきているようです。その運営者が高校生で、月のお小遣いが3000円って、確かに応援しずらいですねw
こちらは、かなり狙った感じのイラストをアウトプットするサービスですね。敢えて、混ぜることを前提として、版権っぽそうでぽくない画像を出す狙いでしょうか。
最終的にはいたちごっこのような気もしますが、こちらはAIによる画像改変を防ぐ技術とのこと。色々出てきますね。
記事のみ紹介
告知関連
ナンバーナイン主催の漫画家向け無料トークイベント「漫画家ミライ会議」
タイトル:「漫画家ミライ会議2022」
日時:12月15日・16日
参加方法:参加無料で、ZOOMウェビナーかYoutubuLiveなど
文学部附属国際マンガ学教育研究センター開設記念シンポジウム 「マンガ刊本アーカイブのめざすもの」を開催します
【日時】12月10日(土) 14:00~16:30 (開場13:30)
【場所】熊本大学黒髪北地区 文法学部本館2階「A1講義室」
【主催】熊本大学文学部附属国際マンガ学教育研究センター
日本のアニメ監督はいかにして世界へ打って出たのか?
数土直志著、11/24 星海社新書より発売開始、予約受付中。
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現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。
コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。
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