見出し画像

【マンガ業界Newsまとめ】 ウェブトゥーンカオスマップ更新!立上ラッシュから作品展開フェーズへ など|11/6-076

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

―――

ウェブトゥーン業界カオスマップ2022年10月更新

コミチ社によるウェブトゥーン業界カオスマップの10月版と言うことで更新がありました。

1月~7月の約半年間、1月当初は20社ほどだったスタジオが7月に59社と約3倍に成長するなど、今年前半はとにかく新規参入企業が増えていくタイミングでした。

2022年も後半に入ると、スタジオの増加そのものは落ち着いて(7月:59社→10月:65社)きていますが、代わりに各社が実際に力を入れた作品を発表したり、海外展開など様々な展開を行うフェーズに入ったと言えそうです。


フーモア、『ソードアート・オンライン』の著者・川原 礫氏による新作小説『デモンズ・クレスト』のwebtoon制作を担当!HykeComicアプリにて本日リリース。

少し前にリリースを発表していた、SAO川原礫原作、ストレートエッジ×フーモアによるHykeComic提供作品『デモンズ・クレスト』が11/6より連載開始しました。一読しましたが、Webtoonにおける王道をしっかり踏まえつつ、「これはとにかく力が入ってるな~」という、ハイエンドな作品でした。


Webtoonの本場、韓国のカカオページに日本のSORAJIMAが進出!ランキング2位の快挙を達成!

comicoなどで実績を上げているSORAJIMA社でも、今度は韓国カカオページにて展開と言うことでリリースを出しています。これもストレートエッジ社の原作なんですね。

国内のWebtoonスタジオ勃興期から約1年、国内スタジオ勢も、本気の作品をリリースしたり、海外プラットフォームに挑戦するなど動きが大きくなっていっています。

2022年の前半は、まさにウェブトゥーンスタジオの「立上フェーズ」でしたが、2022年の後半は「実行フェーズ」に入ってきているのが見て取れますね。

先日開催されたIMARTでも、ウェブトゥーンスタジオやその環境についてセッションがありました。非常に興味深い内容が、現場を知る4人から話されています。(協賛企業、チケット購入者は無料、それ以外の方はアーカイブチケット3000円(11/7販売開始)で、全15本ほどのセッションを見ていただくことが出来ます。)


海外News

海外でも、Webtoonまわりの韓国企業の動きが実効的、かつ大きいです。

もともと小説プラットフォームのWattpadを買収していたNAVERですが、今度はYONDERという新しい「連載型プレミアムウェブ小説アプリ」なるものを始めるようです。

日本のようにWeb広告さえ打てばユーザーが集まるというシンプルな市場形成をしていない北米アプリ市場進出のために、企業買収という形態を積極的にとっていたNAVERですが、ここに来て、新しいサービスを作りつつ、収益化も狙って行こうという所なのかと思います。


著名Webtoon作家の急死が労働環境の問題であったとされていることなどもあり、この施策は韓国Webtoon作家にとって、日本で言う所の「働き方改革」的なものに繋がるもののようですね。

一先ず、売上の精算などを一元管理するもののようで、作家に対して総合ダッシュボードサービスのようなものを提供するようです。NAVERや他社サービスと接続したらすごいですね。


日本ではコピンコミュニケーションズとして名の知られているTERAPIN Studioが、スタジオ初のNASDAQ上場を見据え、更なる資金調達を検討しているようです。


韓国Webtoon原作で、韓国資本、監督は三池崇史さんという座組もあるんですねぇ。


海外展開を加速しているKADOKAWAが、カナダの老舗日本アニメメディア「Anime News Network」を買収しました。この分野だと、当初はDeNA現在はメディアドゥが持っている「MyAnimeList」などもありますが、日本アニメ・マンガの情報を北米に直接届ける手段を、日本企業が入手していくことが増えていっています。

最近教えてもらったのですが、KADOKAWA系のブックウォーカーは、海外向けのインフルエンサーマーケティング(Youtuberなど)の支援を行うGeeXPlusという会社を持っており、アニメ好きのYoutuberなどをタレント事務所のように抱えています。ここの規模感が旧来型の文字メディアをはるかに超える伝播力になっているとか。


そうですね。Hunter×2の連載が復活すると、それがサイマルで海外に配信されたりするんでしょうか。確かに、文字で面が埋まらないかちょっと心配ですねw


国内News

Twitterでハッシュタグをつけて投稿すると漫画賞になるという形式で、かつ、「すべての面白い漫画に対価とチャンスを」という同アプリのコンセプトに基づき、審査で評価されたものには、アマゾンギフト券を賞金で送るとのこと。アマギフは確かに、TwitterのDMだけでも繋がっていれば送付出来るので使いやすいんですよね。

各社の新人賞の形態が変化していっていますね。


こちらは「LINEマンガ インディーズ 報奨金給付プログラム(βテスト)」が開始するというリリースです。

LINEマンガインディーズ上で、月間読者数やお気に入りを獲得した作家に対して、報奨金が支給されるというもので、金額テーブルが提示され、更にWebtoonだとこのテーブルの2倍が支給されるというもののようです。なお、支払いはLINE Payとのこと。

こうした取組ですと、制作報奨金を出すコミックスマート社のRouteMや、広告収入を作者に還元する、ジャンプルーキーコミチ、など。また、ちょっと形態が違いますが、集英社系の週刊誌で提供されている専属契約制度など、様々なものがありました。

今回のLINEマンガの仕組みは、報奨金テーブルを明示し、Webtoonだと倍額にするなど、ユニークなものになっていますね。


動画配信、電子書籍サービスを展開するU-NEXTが、オリジナルのコミックレーベル「U-NEXT Comic」を立上げ、11/1から先行配信します。今回のコミックレーベルは、IP(知的財産)開発のための施策の一環で、映像化なども視野に入れているとのこと。


Sony系のアニメ配信サービスANIMAXと、最近マンガにも力を入れている一二三書房が、共同レーベル「ANIMAXコミックス」を立上げ、WEB小説大賞という新人賞を開催するとのこと。


ネットプロモーションを検討する打ち合わせをしていると、
「内容を伝える手段としてはマンガが強い」
「漫画をSNS力で広げるなら、お笑いタレントが最強」
みたいな話は良く出まして、先日もそんな打合せをしたばかりです。

Mintoは前身のwwwaap時代から制作に漫画家、プロモーションにタレントのアサインを続けてきているので、問題無く実行できるのだろうなと思います。そうなると漫画も案件も予算があがりますので、関わるクリエイターは皆さんハッピーです。良いですね。


少女漫画専門アプリで1200万DLはすごいですね。


記事としては、集英社人事による採用サイトなのですが、社員が対談するだけでメガヒット作品のエピソードトークになるとか、出版社が就活で人気になるのもわかりますよね。記事の内容も面白いです。


アニメイト本店、2023年3月オープンとのこと。イメージ画像でハレザ一連の建物と一体化していますが、床面積も倍以上で凄いことになっております。今ここに行くと、このアニメイトのところの茶色い棒みたいなギミックが白いままで、珍しい造形を見ることができます。


Webtoonにも進出しているナンバーナイン社ですが、現在行っている事業として先行しているのは、デジタル配信サービス(漫画家の作品を預かり、電子書籍配信展開する事業)です。

成長が続いているという発信も続いてましたが、その事業の一環として「#創作BL大豊作まつり」という取組を行ったとのこと。こうしたエージェントサービスは人知れず施策を行っていることが多く、施策を明示したり、結果の数字を開示しているところも珍しいので、ご紹介です。

実際このプロモーションで行った施策は以下。

・企画をちるちる上にて記事化
・Twitterで #創作BL大豊作まつり をつけてみんなで投稿(任意)
・電子書籍ストアで企画と集ページを掲載

同noteより

これらの施策そのものは、どの電子書店や出版社でも珍しいものではないのですが、しっかりやりきるとなる、作家と連絡を徹底したり、電子書籍ストアと各社交渉するなど、その当たり前のことが難しかったりするものでして、恐らく言語化されてないところでも、しっかりと準備をして手を打ったのではないかなと思います。


AIイラスト・画像生成関連

先行して提供が開始されていた「DALL・E 2」が、API提供を開始したとのこと。これにより、アプリ開発者はアプリにAI画像生成機能を簡単に統合できるようになります。有料であることはそのままですね。


これまた凄いなと思うのですが、いわゆる呪文でStable Diffusion上でアニメまで作ってしまうとか。実物の動画を見ると、雪の中で動いている車が刹那ごとに別の車種になるなど、なにか幻想的な感じではあるのですが、こういう部分はすぐに改善されていくのでしょう。えらいことになっています。


LINEにテキストを送るだけでAI画像生成をしてくれる「お絵描きばりぐっどくん」が、250万人にユーザー登録(友達登録)されたとのこと。この規模になると、恐らく新しい物好きのアーリーアダプターを超えて、一つのおもちゃとして色んなユーザーに拡がっているのだろうなと思います。

LINEの友達登録だけで接続できるのは、なかなか使いやすさの破壊力が高そうですが、こういうところからも広がっていくのだろうなと思います。


話題になったmimicですが、サービス停止後、宣言していた改善が行われたβ版2.0がクローズド形式で再開するようです。


画像生成AIの仕手筋情報まで出始めましたね。
ここでは、マイクロソフト、エヌビディア(PCチップ大手)、ルネサスエレクトロニクス(国内半導体大手)など、関連サービスなとしてあげられています。サービス提供をしているベンチャーがこういう所に出てくるのは、もうちょっと先ですかね。


記事のみ紹介

告知関連

第3回 国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima ( IMART 2022) アーカイブ配信チケット販売開始

11/8更新:IMART2022のアーカイブ配信が開始、それに伴ってアーカイブ配信が視聴できるチケットを販売開始しました。アーカイブ視聴が来年4月まで6か月間出来るチケットで、3000円となります。

基調講演に、IMART2022の15セッション、過去開催されたIMART+3本分が視聴できます。

どれも良いのですが、以下あたりが良く見られておりまして、このニュースまとめを見られているマンガ・Webtoon関係の皆様にはおすすめです。

Webtoon制作セッション: 早くも危機を迎える日本のウェブトゥーン制作
Webtoon販売セッション: 海外との比較から考える日本市場の課題とこれから
あなたの知らない女性向けWebtoonの世界
アニメがマンガにのぞむこと、マンガがアニメにのぞむこと
マンガをデータサイエンスで売り伸ばす「出版社/電子書店/ベンダー」の挑戦

―――

主に週末に週1更新ペースで書いています。たまに別途特集を書きます。マガジンTwitterのフォロー、よろしくお願いします!

現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。

コミチに関するお問い合わせは、こちらまで。

著者個人へのお問い合わせなど、以下まで。


この記事が参加している募集

業界あるある

Twitterもやってます!フォロー、よろしくお願いします! https://twitter.com/t_kikuchi