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【マンガ業界Newsまとめ】マンガとアニメの業界最大カンファレンスIMART2022、登壇者発表!など|10/9-072

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

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IMART2022登壇者発表!基調講演にHykeComic代表香田哲郎さん、MAPPA取締役木村誠さんら

10/21~23で開催するIMART2022(第3回「国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima」)の登壇者・セッション・協賛先などが発表になりました。わたしは実行委員をつとめています。

基調講演には、今年国産Webtoonプラットフォームを開始した、アカツキ・HykeComicのCEO香田哲郎さん、『神の塔』をアニメ化したMAPPA取締役の木村誠さんを迎えています。

一般セッションの登壇者にはRed7の李ヒョンソクさんほか、ビジネス、研究、メディア、コンサルなど、様々な分野より現場を良く知る方々が登壇しています。Webtoonテーマのセッションが2つの他、海外事情、ビジネス戦略、アニメプロデューサーなど、例年通り充実したラインナップになっています。

私が企画したセッションは4つ+基調講演です。テーマから看板ともなるWebtoonの「制作」と「販売」のセッションには、業界でもこの分野を知り尽くした、福井美行さん、飯田一史さんに、司会や企画などお任せし、非常に見ごたえのある内容になりそうです。

また、マンガ販売におけるデータサイエンスマンガとアニメのビジネス的関係性について、現場からの生々しい最新事情を聞けるセッションなど、Webtoon以外にも、3歩先ではなく半歩先で業界に求められている内容を準備するように心がけました。

セッションの一覧はこちらの公式サイトが見やすいです。

協賛企業はこちら。今年も多くの企業様にご協力いただいております。関係者の皆様、誠にありがとうございます。

https://imart.tokyo/


マーケティングに活用できるマンガキャラクターを検索できる!「講談社マンガIPサーチ by C-station」がオープン

以前より、自社作品の広告転用に積極的だった講談社ですが、今回どんな作品が広告案件に使用でき、事例としてはどんなものがあるかということがサーチできるような仕組みを提供開始しました。

例えば以下の転スラの例などは、絵柄や作品内容と宣伝対象の相性が良さそうで、こういう幸せなコラボは良いですね。スーモ君、いつ転スラに出て来てもおかしくない雰囲気ではまっており、こうしたマッチングやデザイン、監修こそIP広告には重要です。

いわゆる大型予算化した「広告案件」と作品の関係性も、こうした取組でより取り組みやすいものになっていくと良いですね。


マンガ制作ツール「マンガフィールド」に新機能 200パターン以上のマンガを追加、コマ入れ替えも自由に

これもユニークな取組で、ここで使用が許可されているマンガを、自由に使って宣伝マンガを作ってよいというものですね。企業向けの広告マンガ大手、シンフィールド社が提供する「マンガフィールド」というサービスによるもので、企業が月々3万円のサブスクで利用可能とのこと。

広告マンガには色んな活用シーンがあります。大きいものでは全体予算で数千万円規模で、TVCMからネットまで広範に使う広告案件もありますし、小さな会社のちょっとした広告や、社内報でのマンガ利用など、良し悪しとは別に規模や用途の違いがあり、これはもう多岐に渡ります。

そういった意味では、先の講談社の取組と好対照に面白い取組だと思います。


DLsiteの「集英社の電子コミックまとめ買いで6割引き」クーポン、早期終了に 利用多数で

先週のまとめトップに紹介させていただいたDLSiteの取組ですが、あまりの人気で早期終了になってしまったようです。どこかで聞いたことがある流れで、昨年DMMブックスでも同様の取組で数十億円の大赤字を出したということで話題になりましたが、それだけ沢山ユーザーが集まり、作品が買われたということであれば、それは良かったんではないかなと思います。

Web施策は、注目が集まると利用者もバズりますので、こうして想定以上の利用者が集まることもあるかと思います。先週も記述しましたが、狙いは恐らくユーザー層の切り替えにあったと想像される取組ですので、結果的には成功だったのではなかろうかと思います。


国内News

集英社のTikTok施策。これはキャラの使い方がかわいいですね。


(日経に登録すれば無料で全文読めます)
現在LINEマンガを運営する共同代表のお2人のコメントで、電子コミック好況からの概況を述べています。

最終的に「映像化作品の量産がカギ」としており、漫画単体での収益を中心に考え、映像化は宣伝ボーナスという感じであった、従来のマンガ産業からは大きく変化しているところと思いました。


漫画に関する大学や専門学校、学部学科の取組は多くありましたが、国立大学に漫画専門の取組が設立したのはこれが最初とのこと。

知人のプロフェッショナルもひとり、最近ここに行かれたとかで、何度か紹介させていただいたコアミックス社の公立高校への取り組みなども含め、熊本エリアのマンガに関する取組が多角的になってきました。

そのきっかけとして良く引き合いに出されるのが、ギネスブック作家尾田栄一郎さんが熊本出身というお話ですね。


マガポケ連載中のネーム原作者、秋さんが、そのネーム制作においてモーションキャプチャーを利用しているとのこと。大きさ6平方メートルの設備が必要で、慣れてくると2時間位でネームが出来るとのこと。

ネーム原作とは言え、原作にそこまでするというのはユニークだなと思うのですが、ポーズや構成、表情までしっかり入れたネーム原作を作られるのであれば、確かに有用なのかなと思いました。


電子書店Bookliveによるクリエイター支援活動。クリエイターがポートフォリオになる自分のページを作ったり、作品の販売、展示、ECなどの機能を実装とのこと。マンガに限らず、小説なども範囲に含めるとのこと。

クリエイターが自らビジネスをとなると、広告系か、アダルトのサブスク系などが大きく伸びていますが、それ以外の環境も少しずつ整備されて行っている感がありますね。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

レジンコミックスの女性向けサービス「BelTOON」が、7月にオープンはしてたようですが、キャンペーンをこのタイミングで開始したというニュースです。

もともと男性向けのアダルト作品で売ってきたレーベル・サービスですが、現在のレジンの本体サイトの方も、トップから女性向けに切り替わっている趣がありまして、自社販売は女性向けに大きく舵を切る感じでしょうか。

ここ数か月、FANZAやDLSiteといった、いわゆる男性向けアダルトに強いサービスにレジンの男性向け作品が提供され、非常に好調という声も漏れ聞いています。そう考えると、自社販売は女性向けに切り替えるような戦略もなくはないところかと。


ebookjapanで韓国BL配信開始というリリース。NAVER系の韓国内では恐らく少し成人寄りで、LINEマンガには持って行きにくいかなというあたりが、ebjに提供されるというのは戦略的な流れなのでないかなと。


ウェイブ社のWebtoonStudio「Studio73」ですが、こちらも青年向けお色気系ということで「リビッシュ」というレーベルを進め、comicoなど他書店にも展開しているようです。ちなみに一般向けは「フラオト」というレーベルのようです。


レーベル「ROCKETOON」がTVCMというリリースなのですが、珍しいのは、同レーベルはプラットフォームではなく1スタジオで、このCMを打った際の着地先が無さそうというところです。

動画でも「ロケットゥーンで検索」と呼び掛けているのですが、その際にトップに出てくるのがLPや自社サイトではなく、PRTIMESのプレスリリースだったりします。

そのPRTIMESで作品紹介と販売プラットフォームを説明していますので、CTR先はPRTIMESで、コンバージョンは各電子書店での購入という所でしょうか。仕掛けの上手いブシロード母体の同社ですので、斬新なプロモーションなのかなと思いました。


初出じゃないかもなのですが、KMS社が「SYNPSE HEART」というレーベルでWebtoon作品発表とのこと。


海外News

映画好き向け動画配信・コミュニティサービス、韓国WATCHがウェブトゥーンを開始します。

現在、ウェブトゥーンとその映像展開は切っても切れない関係となっており、そうした事業が生まれるのはもう自然な流れと言えるかもしれません。


ジャンププラスが提供する海外向けサービス「MangaPlus」に付随する「ジャンプルーキーズ」的新人投稿サービスである「Manga Plus Creators」が好調のようです。1か月で5000話は凄いですね。


AIイラスト・画像生成関連

画像生成系のニュースは毎回驚くんですが、記事収集していて一番驚いたのはこちらの記事。完全に狙い撃ちで絵を描けるように、AIと人間がタッグを組みつつありますね。

特定キャラで狙い撃ちして検証している方もいました。これも凄いですね。学習したとはいえ、ほぼそのままですし、複数の絵柄に対応しています。

こうしたAIを使いつつ「絵を寄せる」とか「狙う」みたいなことは、当面テーマになりそうで、様々な検証がされています。



こうなると、やはり気になるのはこれからのクリエイターがどう戦っていくかですけど、そうしたことをサポートする企業側の記事も色々と出ていますね。この辺りは、まさに過渡期な状態です。


Skebに至っては、4年前から掲載禁止していたというニュースも。さすが早いです。


今週のAI画像生成新ツール、アドオンなど

Stable Diffusionで作った画像を、3DソフトBlenderで取り込めるということで、これもまた普通に漫画家やイラスト制作者が普段使いしているツールに、入り込んできています。もうなんでもあり感がありますね。


Googleも、AI画像生成ツールを発表してます。恐らく、世界で一番沢山学習対象の画像を持ってるのがGoogleでしょうから、進出するのもうなずけるところです。非常にシンギュラリティポイントへの道を感じさせるものです。


ということで、こういったコラムや、もっとストレートに、

許せる許せない論みたいなものも、色んな意見が読めるようになりました。編集部で身内で話し合って記事にするって面白いですね。みんなプロですから、お話は面白くなりますよね。


記事のみ紹介


告知関連

IMART2022チケット購入

開催:10/21-23
アーカイブ視聴期間:11月より約6か月
チケット:1枚5000円
ご注意:協賛企業の関係者には、フリーパスチケットが開催直前に配られます。協賛企業の関係者の皆様は、ご購入をお待ちください。



医療マンガ大賞第4回

期間:2022年10月7日(金)- 11月6日(日)まで
結果発表:2022年12月中旬を予定


海外における日本のマンガコンテンツの価値と将来

【開催日時】2022年10月21日(金)15:00-17:00
【開催形式】無料オンラインセミナー(YouTubeライブ配信)
【講師】
 松原 裕樹 氏 (株式会社Link-U代表取締役CEO)
 栗本 直彦 氏 (株式会社GeeXPlus代表取締役/株式会社ブックウォーカー執行役員)
・松原さんのLink-U社は、自社サービスComikeyの他に、集英社MangaPlusなども開発していますので、KADOKAWA/BOOK☆WALKER同様、海外に積極進出してる日本企業のひとつです。注目です。



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主に週末に週1更新ペースで書いています。たまに別途特集を書きます。マガジンTwitterのフォロー、よろしくお願いします!


現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。

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